日本がお盆休みを過ぎても、株価の上昇が続いている。日経平均は終値で史上初めて4万3千円台となり、15日は4万3378円31銭(前日比729円05銭高)をつけた。
これについて、報道では、外国為替市場で円安ドル高が進み自動車など輸出銘柄を中心に買い注文が広がったことに加え、15日朝発表された今年4~6月期の国内総生産(GDP)速報が市場予想を上回ったことで国内経済が底堅いという投資家の安心感につながったとされている。
円安が株高につながることはしばしばある。2000年からの日経平均株価データを、円ドルレートと米国ダウ株価で振り返ると、なんと相関係数0・97という高い数値が得られる。もちろん、円安と米国株高で日経平均高が説明できるというものだ。
詳しい回帰式を省くが、これが一応、日経平均の「理論値」とも言えるので、現状の円ドルレートと米国ダウ株価を入れると、4万円に達しない。ということは、今の日経平均は多少割高、ややオーバーシュートになっている可能性がある。
もう一つのGDP速報であるが、国内需要は前期比年率換算で見るとマイナス0・2%なので、とても力強いとは言えない。その内訳は民間需要で0・0%。公的需要でマイナス1・1%だ。輸出がトランプ関税の駆け込みで8・4%と伸びたので、辛うじてGDP全体で1・0%増になった。
7~9月期では、8月1日からのトランプ関税が効いてくるので、かなり苦しくなるのだろう。しかも、今のところ上乗せ関税は25%のまま、自動車関税は27・5%であり、政府が言うような成果になっていないし、いつなるのかも不明だ。GDP速報の国内需要マイナスから国内経済が底堅いというのは、どういうロジックなのか、正直言って筆者は分からない。
お盆の時期は、国内の株式売買は板が薄い商いだ。こうしたときには、外国勢はいろいろと仕掛けてくることがある。今回もそうではないかと、筆者はにらんでいる。案の定、ベセント財務長官は、日銀の利上げを促した。と同時に米連邦準備制度理事会(FRB)には利下げを催促している。これは円高要因になるので、一気に日経平均が急落するシナリオもあり得る。
本来であれば、秋の早い時期に補正予算を打って対応策を行うべきであるが、政権基盤の弱い今の石破政権ではどうなるのか。ポスト石破でも衆参で少数与党であるので、その構造に変わりはなく、株高にかかわらず日本経済が心配だ。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)
