《創られた賢治から愛すべき賢治に》
ここからは、補足である。 かつて私は高瀬露のことを知りたくて、上田哲の論文“「宮澤賢治伝」の再検証(二)―<悪女>にされた高瀬露―”をしばしば使わせてもらったのだが、当時私が持っていたものはそのコピーであり、かなり不鮮明な箇所が多くて判読しいくいところも少なくなかった。
『七尾論叢 第11号』の行方 そこで、『七尾論叢 第11号』そのものを見てみたいものだと思ってあちこち探し回ってみた。というのは、同論文「「宮澤賢治伝」の再検証(二)―<悪女>にされた高瀬露―」はこの論叢に所収されているからだ。ところが全くこの論叢は見つからなかった。
『図説 宮沢賢治』の著者
まずは、『図説 宮沢賢治』(河出書房新社)は上田哲を含めた共著だったので、そのうちの一人であるA氏は私の知人であったのでそのA氏に訊いてみた。もしや『七尾論叢 第11号』をお持ちではないでしょうかと。ところが、残念ながら持っていないとのことであった。
岩手県立図書館
そういえば、上田哲はかつて石川啄木記念館館長代行を勤めていたはずだ。そこで同記念館にその論叢の所在を訊ねてみた。すると、同記念館で所蔵はしていないが岩手県立図書館に寄贈されていると思うということだったので、同図書館に行ってみた。ところがそこにも所蔵されていなかった。
七尾短大
そこで、ならばこの『七尾論叢』はその名の通り七尾短期大学が発行したものでありその短大に直接問い合わせてみようと思ったのだが、なんと石川県のこの短大はとうに廃校になってしまったという
。
石川県立図書館
それならばと思って、次は石川県立図書館の蔵書をインターネットで検索してみるとおおあるではないか、ぞろぞろとそのリストが並んだ。そうか『七尾論叢』は〝1号〟から〝20号〟まで発行されていたのかと感心する。ところがである、
、肝腎の“第11号”のみがない。モニター画面を目を皿にして探しても見つからない。糠喜びであった。
上田哲のご息女
そうだそうだった、私の友人K氏はそういえば上田哲のご息女と知り合いだとたしか言っていたはずだ。そこでその友人K氏に、この『七尾論叢 第11号』をご息女が所有していないかを訊いてもらえないでしょうかと依頼した。するとK氏から、早速訊いてみたのだが所有はしていないとのことであったとの回答。ただし、父は岩手県立図書館と国会図書館に寄贈しているはずです、ということも併せて言われたということを教えてくれた。
国会図書館
そこで再度岩手県立図書館に訊いてみたがやはり無いという。ならばと、花巻市立図書館に出掛けて行って、国会図書館に『七尾論叢 第11号』が寄贈されているということですのでそのコピーを取り寄せる方法を教えていただきたい、とお願いした。館員の方々はとても親切で、面倒なことのはずだが国会図書館とやりとりしてくださった。そしてその様子を拝見しながらそれを取り寄せることができそうだという段階までいったことが手に取るようにわかった。のだが…結論は石川県立図書館と同じで、肝腎の『七尾論叢 第11号』だけが無いという。
『七尾論叢 第11号』入手『図説 宮沢賢治』の著者
まずは、『図説 宮沢賢治』(河出書房新社)は上田哲を含めた共著だったので、そのうちの一人であるA氏は私の知人であったのでそのA氏に訊いてみた。もしや『七尾論叢 第11号』をお持ちではないでしょうかと。ところが、残念ながら持っていないとのことであった。
岩手県立図書館
そういえば、上田哲はかつて石川啄木記念館館長代行を勤めていたはずだ。そこで同記念館にその論叢の所在を訊ねてみた。すると、同記念館で所蔵はしていないが岩手県立図書館に寄贈されていると思うということだったので、同図書館に行ってみた。ところがそこにも所蔵されていなかった。
七尾短大
そこで、ならばこの『七尾論叢』はその名の通り七尾短期大学が発行したものでありその短大に直接問い合わせてみようと思ったのだが、なんと石川県のこの短大はとうに廃校になってしまったという
石川県立図書館
それならばと思って、次は石川県立図書館の蔵書をインターネットで検索してみるとおおあるではないか、ぞろぞろとそのリストが並んだ。そうか『七尾論叢』は〝1号〟から〝20号〟まで発行されていたのかと感心する。ところがである、
上田哲のご息女
そうだそうだった、私の友人K氏はそういえば上田哲のご息女と知り合いだとたしか言っていたはずだ。そこでその友人K氏に、この『七尾論叢 第11号』をご息女が所有していないかを訊いてもらえないでしょうかと依頼した。するとK氏から、早速訊いてみたのだが所有はしていないとのことであったとの回答。ただし、父は岩手県立図書館と国会図書館に寄贈しているはずです、ということも併せて言われたということを教えてくれた。
国会図書館
そこで再度岩手県立図書館に訊いてみたがやはり無いという。ならばと、花巻市立図書館に出掛けて行って、国会図書館に『七尾論叢 第11号』が寄贈されているということですのでそのコピーを取り寄せる方法を教えていただきたい、とお願いした。館員の方々はとても親切で、面倒なことのはずだが国会図書館とやりとりしてくださった。そしてその様子を拝見しながらそれを取り寄せることができそうだという段階までいったことが手に取るようにわかった。のだが…結論は石川県立図書館と同じで、肝腎の『七尾論叢 第11号』だけが無いという。
とうとう行き詰まってしまった。もうきれいなコピーの論文を見ることはできなさそうだと諦めかけていたならば、なんと嬉しいことに、綺麗なコピーどころか『七尾論叢 第11号』そのものをあるルートから入手できたのだった。
【『七尾論叢 第11号』表紙】

物事はそう簡単に諦めるものではないなとつくづく思った。
それにしても、図書館に寄贈したと言われてるもさえも行方不明になっていたり、肝腎の号だけがなくなっているというこの現象は極めて不可思議で不自然なことだ。
なお、この「「宮澤賢治伝」の再検証(二)―<悪女>にされた高瀬露―」は未完のままに終わっている。それがなぜなのかを関係者に訊いてみてもわからないままに今までいたが、上田哲とも親しかったという『イーハトーブの本の森』の店主高橋征穂氏と話をしていたところ、上田さんは急逝したということをお聞きした。もしかすると、そのために未完だったのかもしれない。
【『七尾論叢 第11号』表紙】
物事はそう簡単に諦めるものではないなとつくづく思った。
それにしても、図書館に寄贈したと言われてるもさえも行方不明になっていたり、肝腎の号だけがなくなっているというこの現象は極めて不可思議で不自然なことだ。
なお、この「「宮澤賢治伝」の再検証(二)―<悪女>にされた高瀬露―」は未完のままに終わっている。それがなぜなのかを関係者に訊いてみてもわからないままに今までいたが、上田哲とも親しかったという『イーハトーブの本の森』の店主高橋征穂氏と話をしていたところ、上田さんは急逝したということをお聞きした。もしかすると、そのために未完だったのかもしれない。
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