維新、変わる色彩 遠藤国対委員長「負担増の議論から逃げない」
新体制が発足した日本維新の会が、早速「独自色」を出している。遠藤敬国会対策委員長は20日、国会内で就任会見し、防衛増税やインフラ整備の財源確保の必要性に言及。「(負担増の)議論を逃げずにやる」と述べた。減税を大きく掲げてきた前体制とは、異なる色彩を帯び始めた。
遠藤氏は、藤田文武共同代表の就任に伴い、約8カ月ぶりに国対委員長に再登板した。
会見の冒頭、7月の参院選で「現金給付か減税か」が論点になったことについて、「受けのいい話ばかりが繰り広げられた」と批判。維新も食料品の消費税2年間ゼロを掲げたが、遠藤氏は「1回リセットして新たな土俵を作る」と述べた。
真っ先に挙げたのが防衛費増額のための増税だ。「与党も議論を真正面からやっていただくことが肝要だ」と訴えた。政府は防衛費の総額を2023~27年度の5年間で43兆円に引き上げる方針だが、財源確保のための増税の開始時期を先送りし続けている。
「逆にぶち込んでいく」
遠藤氏は、参院選では与野党ともに国民の負担増につながる防衛増税に触れなかったと指摘。「逆に僕はぶち込んでいこうと思う」と述べ、与党に議論を呼びかけた。
さらには与野党で協議が進むガソリンの旧暫定税率の廃止についても言及。維新も他の野党同様、早期廃止を求めてきたが、道路などインフラ整備に安定財源が必要だとし、「(財源は)財務省で考えろというのは責任放棄だ」と訴えた。
前原誠司・前共同代表のもとで維新はこれまで、他の野党と同じく減税路線を取ってきたが、遠藤氏は「是々非々に戻して、与党とも野党とも距離感を持った協議をしていく」と述べた。
遠藤氏は、自民党の森山裕幹事長ら与党との間に太いパイプを持つだけに、少数与党との連携に向けた協議が加速するとの見方もある。ただ、この日は「自民党さんからお付き合いしましょうとも言われていないのに、婚約はない」とけむに巻いた。
「デジタル版を試してみたい!」というお客様にまずは1カ月間無料体験