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【ジャンク再生】壊れたMagic KeyboardのTouch IDを外付け化してみた

1. はじめに


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Touch IDは生きてます


キーが沈み込み、爪が3か所折れたMagic Keyboard(Touch ID付き)を入手しました。
見た目は完全にジャンクですが、Touch IDは正常に動作していました。

今回の目的は、このTouch IDを取り出し、単体で使えるようにすることです。
動画で全工程を見るhttps://youtu.be/bQR1-pubNcU


⚠️免責事項

本記事は実験・記録目的で行った内容を紹介しています。
分解や改造には感電・火災・破裂などの危険が伴います。
安全性は保証されておらず、内容を参考にして行う一切の行為はすべて自己責任でお願いいたします。
当方はこれに伴う損害・事故について一切の責任を負いません。




2. 分解と安全対策

背面パネルの取り外し

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ちょっとやそっとじゃ剥がれません…

背面パネルは強力な接着で固定されています。
ホットエア(ヒートガン)で加熱しながら、少しずつ剥がしていきます。

バッテリーの安全確保

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スパッジャと呼ばれるヘラを使って跳ね上げます

内部にバッテリーが見えたら、まず端子を外して安全を確保します。
この手順を省くと、感電やショートの危険があります。


3. Touch IDの取り外し

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Lightning、Touch ID、キーボード接続ケーブルの3つを外します
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ネジは2箇所

内部構造と部品の確認
ロジックボードやLightning端子、フレキケーブルの位置を確認します。
Touch IDケーブルは無水エタノールを使い、接着をゆるめながら剥がします。

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慎重に扱いたい

センサーの分離
トルクスT3ネジを外し、Touch IDセンサーを取り外します。


4. 動作確認とケース製作

仮組みでの動作確認

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取り外したTouch IDユニットを仮組みし、有線接続と無線接続でテストします。
どちらも問題なく動作しました。

3Dプリンターでのケース作り

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ケースの3Dデータは記事最後のYoutube動画の概要欄にリンクがあります

結果を受けて、3Dプリンターで専用ケースを制作します。
Lightning端子は抜けにくいよう、ややきつめに設計。
マウント中央を少し盛り上げて、クリック感を出しています。


5. 組み込みと仕上げ

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抜けないことを前提にキツキツ設計

まずLightning端子をケースに取り付けます。
設計はややきつめにしてあるため、軽く押し込みながら確実に固定します。
この段階で端子が浮いていると、後のケーブル接続に影響が出ます。

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傷をつけないよう慎重に扱ってください

次にバッテリーを両面テープでケース内に固定します。
テープは均等に貼り、しっかり密着させて位置ズレを防ぎます。

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動作に影響がなさそうな、邪魔な金属の爪をカット

ロジックボードを収める際に干渉する爪があるので、ニッパーで事前にカットします。

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ちゃっかり宣伝してます笑

爪を処理したら、ロジックボードをケースに組み込みます。
基板が傾いたり浮いたままだと端子が正しく接続できないため、取り付け位置を正確に合わせます。

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続いてTouch IDマウント部分の処理を行います。
3Dプリント時に発生したサポート材を除去し、バリや段差があればヤスリで整えます。

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もとのネジをそのまま再利用します
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スリープ解除時に一発起動させるためにクリック動作は重要


マウントが整ったら、Touch IDセンサーをはめ込みます。
中央の盛り上がり部分はクリックに必要です
クリックすることによってスリープから一発で起動→スリープ解除ができます

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この手のロック機構は非常に壊れやすいので慎重に

Lightning端子のフレキケーブルをロジックボードに接続します。
狭いスペースでの作業なので、ピンセットを使って差し込み角度を慎重に合わせます。


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Touch IDセンサーのフレキケーブルも同様に接続します。
細く柔らかいケーブルなので、無理に押し込まないことが重要です。


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カプトンテープは常備しておきたい

すべてのケーブルが接続できたら、ショート防止のため接合部をカプトンテープで絶縁します。
内部で部品が接触して通電時に破損する事故を防ぎます。
フレキケーブルもいい感じで曲げておきます。


絶縁処理が完了したら、Touch IDユニットをケース本体にはめ込みます。
位置がずれるとクリック感や反応に影響が出るため、しっかり位置を合わせて固定します。

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キツキツの設計なので強めに押し込むように
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下部ケースと水平であればOK
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蓋をして完成です

最後にケースの蓋を取り付けます。
位置を合わせ、はめ込めば作業完了です。


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Lightning端子も干渉はない

これで外付けTouch IDの完成です。
ロック解除や1Passwordがワンタッチで使える、便利なツールになりました。
Lightning端子での有線接続はペアリングと充電時のみ必要になります。
通常は無線で運用できます。

6. 使ってみた感想


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ロック解除!
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純正と変わらぬ解除スピード(ある意味純正だけど笑)

ロック解除はスムーズで、反応も早く、非常に快適です。
有線でも無線でも安定して動作しました。


7.▼工具・部品リスト

今回の修理で使用したアイテムをまとめました。
※以下のリンクにはAmazonアソシエイトを含みます。購入いただくと運営に紹介料が入る場合があります。

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8. おわりに

今回の改造は、壊れたパーツを新しい形で活かす良い例になりました。
詳細な工程は動画でも紹介しています。
作業動画はこちら ↓


他にもジャンク再生やガジェット改造を記事にしていく予定です。フォローしていただけると励みになります!


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壊れたMacやガジェットを直すのが趣味です。 ときには修理、ときには改造。 YouTube「macaron/マカロン」では手元映像で作業を紹介しています。 noteでは動画に収まりきらない工程や写真もお届けします。
【ジャンク再生】壊れたMagic KeyboardのTouch IDを外付け化してみた|macaron/マカロン
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