1. あなたが「今」一番「推す」ミュージシャンを教えてください。
R&B、ソウル、ヒップホップ、J - POP、K - POP、ロック、ボカロ……私のプレイリストはジャンル問わずぐちゃぐちゃで(笑)。そんなふうに音楽を楽しむ身として、音楽もパフォーマンスも、そして人間としても敬愛し、リスペクトするミュージシャンの方が本当にたくさんいる中で、Raveenaさんの名前をあげさせてください。
2. そのアーティストを「推す」ようになったきっかけ、そして特に好きな曲とは?
高校2年生のときに、何か吸収して学びたいという思いが強く、できれば遠いところ! と考えて地元大阪から離れて東京のダンスチームのオーディションを受けたり、何度か1人で韓国へ行き、ダンススタジオで毎日レッスンを受けたりと、「成長する」ことにこだわりを持っていた期間がありました。
そんな時期にはいつも「帰り道」というのがあって、反省し、疲れ、時には泣きながら頑張って家まで帰っていました。帰り道にはいつもイヤフォンから流れる音楽がありましたが、Raveenaさんの心地よい歌声と優しく奏でられる音にすごくすごく! 救われました!
特に仁川空港での待ち時間で1番最初に出会った、 「If Only」 宇宙、森、実家のベランダ、とにかく落ち着ける場所にいるかのような、すーっと心が軽くなった感覚は今でも覚えています。すごく不思議な感覚でした。
Raveenaの「If Only」(2017)
ちなみにもう一曲! 「Lose My Focus」 今年2月にUMIさんがfeaturingでDeluxe versionがリリースされ、 ぜひみなさんに聴いていただきたいのが1:25あたり。 ぜひ耳を澄ませてください。
「Lost My Focus ft. Umi (Deluxe Version)(2024)
3. 自身の音楽制作において「推し」のミュージシャンのどんな部分にインスパイアされますか?
ひとつ目は優しさです。自己愛を語る彼女の音楽が安らぎをもたらすことは、かなり私の目標であり憧れであり、絶対に人生でやり遂げなければいけないミッションだと言えます。
ふたつ目はドリーミーなグルーブです。インドにルーツを持ちアメリカで活躍されている彼女には多様な文化を通じてこその、独自の乗り方というか声の乗せ方があって本当に独特ですごくクセになります。
私自身タイにルーツを持ち、日本語や英語を使って表現するところで、“私が歌うからこその生まれるグルーブ”が日々研究対象になっています。最近はこんな声出るんだ……! みたいな発見もあったりして、音楽制作や練習がひたすら楽しいです。
4. 音楽が持つ力とはどのようなものだと思いますか?
音楽には、人の心を支えたり、時に命をつなぐような力があると感じています。私自身、音楽に命を助けられた経験があり、それは決して特別なことではなく、誰にでも起こりうることだと思っています。
たとえば私たちのデビュー曲「ROSE」は、“咲くんだ”つまり“生きるんだ”という強い意志を持っています。
HANAのデビューシングル「ROSE」。
ただ、見てくれた、聴いてくれたお客さんの中に、今日は家族にアイスを買って帰ろうとか、ご褒美に旅行の計画をしようとか、目標の大小を問わず、明日も生きる理由を咲かせる、そんな存在になれたらなと毎日考えています。
5. 今後ミュージシャンとして挑戦、継続していきたいこと、そして自身にとっての理想的なミュージシャン像とは?
挑戦したいことは、普段自分が聴くプレイリストのようにいろいろなジャンルの楽曲で表現すること。生まれた環境と育った環境が違うので、いろいろな文化を通じて、感じ方や好きなものの量が半端なく増えていきました。それこそ音楽の幅が大きすぎるのもひとつです。
逆に、みんなとは考えが違う、自分は変なのかなと悩む時間が多く、文化の違いや人間としての違いに苦しむこともありましたが、結局たどり着いたのは人と違うのは当たり前だということ。学校ではそう教えてくれるけど、本心から気づくのには時間がかかったと思います。
音楽がそうであるように、私の感情や姿は自由に表現したいと思います。そこから考える理想は、私たちのパフォーマンスでどの瞬間も自分なんだから、怖がらずに、自由に生きよう。そういったメッセージが伝わることです。
こう思えるのは、私たちの目の前ですべての感情を持ってぶつけて歌うちゃんみなさんの姿を追いかけ、愛しているからだと思います。
HANAの2ndシングル「Blue Jeans」。
Profile
NAOKO/ナオコ(HANA)
偏見を打ち破り、才能や個性を尊重する独自のコンセプトが話題となった、ちゃんみながプロデュースしたオーディション番組『No No Girls』より誕生した7人組ガールズグループ、HANAのメンバー。2ndシングル「Blue Jeans」が発売中。
ラヴィーナ
インドにルーツを持つシンガーソングライター。2017年に自主制作のEP『Shanti』でデビュー。透明感のあるR&Bで人気。7月にアメリカとドイツツアーを開催した。
Courtesy Photos
READ MORE
- SUPER BEAVER 渋谷龍太──「高校生の時分、日本脳炎を観て、一発で目がハートになりました」【ミュージシャンの推し vol.1】
- AiNA THE END──「Kroiのライブに遊び心を感じます。「楽しむぞ!!」みたいなものを感じるので、私もライブをもっと楽しもうと思いました」【ミュージシャンの推し vol.2】
- Ayumu Imazu──「ジャスティン・ティンバーレイクはどんな音楽をやってても“彼らしさ”がちゃんと残ってる。それってすごいことだなって思います」【ミュージシャンの推し vol.3】
- ジョン・グレイシャー──「音楽には空間を満たし、孤独を解消する力がある」【ミュージシャンの推し vol.4】
- MASHIHO──「Mrs. GREEN APPLEさんはとにかく歌詞が良くて、本当に毎回新曲が出るたびに驚かされます」【ミュージシャンの推し vol.5】
- Vogueエディターおすすめ記事が届く── ニュースレターに登録