立てこもりの元警察官も死亡 東京・世田谷
10日午前11時半ごろ、東京都世田谷区野沢1の住宅の敷地内で、この住宅に住む無職、久保節子さん(62)とみられる女性が倒れているのを近くの住民が発見し、110番した。女性は首や脇腹を刃物で刺され死亡。直前に女性と言い争っていた男が日本刀のような刃物を持って久保さん宅に立てこもり、警視庁は約2時間後に身柄を確保した。男は自殺を図り、搬送先の病院で死亡した。
警視庁によると、男は近くに住む元警視庁警視、徳永重正容疑者(86)。同庁は徳永容疑者が女性を刺殺したとして、容疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検する方針。
同庁によると、午後1時40分ごろ、捜査員が久保さん宅に踏み込み、玄関付近で首から血を流して倒れている徳永容疑者を発見した。室内から刃渡り約50センチの日本刀とみられる刃物が見つかった。2人の死因はいずれも失血死とみられる。
事件直前には近くの住民から「男女が殴り合いになっている」「男が日本刀を振り回している」など複数の通報があった。徳永容疑者は7月、警視庁世田谷署に「自宅前で殺虫剤をまいたら久保さんに体当たりされた」と届け出。今月2日には徳永容疑者の代理人の弁護士が同署を訪れて、刑事告訴などについて相談していた。
警視庁は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて詳しい経緯を調べている。
捜査関係者によると、徳永容疑者は久保さん宅の向かいに妻と2人で暮らしていた。久保さんは一人暮らしだった。
現場は、東急田園都市線駒沢大学駅から東に約1キロの住宅街。