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反AI

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はんえーあい

AI(人工知能)による画像、文章、音声、動画生成に反対する思想運動。 及び、上記の目的のため、主にAI利用者とAI利用企業、実際にAI使用したかの有無にかかわらずAIを使用しているとみなした人を攻撃する人達の呼称。

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概要

AI(人工知能)による画像、文章、音声、動画生成に反対する思想運動。

AI技術が人間の創造性や個性を奪うと主張し、AIによって生成された作品を排除しようとする運動。

またAI使用作品が人権侵害や著作権侵害などの問題を引き起こすと警告し、AI技術の倫理的・法的な規制を求める運動。

及び、上記の目的のため、主にAI利用者とAI利用企業、実際にAI使用したかの有無にかかわらずAIを使用しているとみなした人を攻撃する人達の呼称。

「AI使用を明記しただけのエンドユーザーを殺害予告、放火予告レベルで誹謗中傷する人々」、「直接に誹謗中傷は行わないが、その投稿にいいねやリポスト(リツイート)を通し間接的に行う人々」、「法律で保護されない対象まで機械による情報解析に反対する人々」は概ね反AIとして扱われやすく、「上記のような人々には反発するが、ディープフェイクや出典の曖昧な情報が氾濫することへ懸念、一定の法規制を求める」「生成AIの存在は受け入れているが、登場する以前の時代を懐かしむ」くらいの人は反AIと呼ぶかが人による。あるいは反AIの中でも過激な人からはこれくらいの人でもAI推進派(反反AI)扱いされることもある。

現在の無断学習AIに批判的であることを自認する立場の人からは「全てのAIに反対する訳では無く、データの無断学習を行った生成AIについてやディープフェイクといった悪用に反対しているため『反AI』という呼び方は適切でない」としてAI慎重派、生成AI反対派、無断学習反対派、規制派などの呼称を提唱している。

ただし、AI規制派を名乗る反AIの問題行為により「AI規制派」にも反AI同様の侮蔑的なニュアンスを含む使用法が増えてきている。

反AIの語源

「反AI」という単語は生成AI登場前から存在していた。

また反AIも2023年1~2月頃まで、自分達を「反AI」と自称していた。

しかし、反AIの 誹謗中傷 、ネットリンチ、人格攻撃で「反AI」という単語の印象が悪化し

2023年3月頃を境に、反AIはAI規制派などと自称するようになった。

「反AI」という単語の扱いの変遷

確認できた最古の反AI呼称は、

人工知能学会誌の連載「AIにおける論争」〔第1回〕黒崎 政男

人工知能学会誌(1986~2013, Print ISSN:0912-8085)1987年12月号

に AI反対者の名称として「反=AI論者」という言葉が出てくる。

「反AI」はAIを題材にしたVivyAI崩壊など、SF作品において「AIに反対する架空の組織や思想」を指す言葉として用いられてきた。

また、2022年頃には 画像生成AI 、Midjourneyなどが登場し、SF作品と現実を絡めて「反AI」の登場を予測するツイートが増加した。

「仕事がなくなって、反AI勢力が誕生するSFが絵描き界隈で起こりそう」2022年1月3日

2022年8月29日 AI画像生成サービスmimicβ版が公開

mimicβ版に批判的な言動をした者を反AIと呼んでいるのが初めて観測される。

「イラスト提供したクリエイターまで叩くとか反AI正義マンやばすぎて草 過激な市民活動団体とかと何も変わらんやんけ やっぱ人間が一番こわいし醜い、はっきりわかんだね」

反AI since:2022-8-1 until:2022-9-1

2022年12月13日頃から始まった、オンラインアートコミュニティ Artstationを発端とした AIイラストに反対する活動「NOAI運動」が、

2023年1月25日にイラストレーターのよー清水氏(@you629)によってツイッター(現X)上で

「おわ、Artstation(海外のプロ向けpixivみたいなとこ)あまりにも反AI活動&垢消しが多すぎて利用規則が改定。基本的に生成形AIの学習目的でArtstationの作品を使うのは禁止ってことになったようです。先進的な海外ではAIが認められてるって言ってたのは誰だったかな…」

と投稿し、NOAI運動=反AIとして紹介し、AI反対派推進派間に「反AI」という単語が一気に広まった。

この頃、ツイッター(現X)上で生成AI反対運動をしていた反AIも自分自身を反AIだと認識している。

「海外のほうが反AIって方が多いので」2022年10月28日

「でも反AIが増えてて本当に嬉しい😭😭😭😭おおおおおんんんん😭😭(泣)」2022年12月18日

「もしAI周りの事態がいい感じに収束してきたらこのアカウントも削除するつもりでこのアカウント作ったんだけど、のちのち歴史修正されそうだから残しておこうかな…あの頃野蛮な反AI派が〜とか言われんの容易に想像つく」2022年12月26日

「こちらの方は他の方の作品もAIによる改変をした盗作をしていましたね… AIを悪用する連中はこうして反AI派を攻撃してくるのでサブアカウントからの報告になり申し訳ありません…」2023年1月27日

これは、2022年頃は「反AI」はAI反対運動としての意味合いが強く

AI反対運動としての反AIと、AI使用者に対して攻撃的な言動を取る人達に対する呼称(反AI過激派、反AI派等)は呼び分けられていたからである。

しかし、Mimic炎上事件、クリスタのSD仮実装潰し、赤松健議員への誹謗中傷といった

反AIによる事件が起こるたびに「反AI」という言葉そのもののイメージが徐々に悪化し、「反AI」という単語が「AIに対して攻撃的な言動を取る人達」の意味合いを持って使われる事が多くなった。

そのため2023年3月頃より、反AI達は「私たちは反AIではなく AI規制派 、AI慎重派である」「反AIはレッテルである」「反AIという単語を使用する人は差別主義者である」と主張するようになった。

理由は「全てのAI 反対している訳ではなく、AIイラストや無断学習される生成AIにのみ反対している」「ディープフェイクなどAI犯罪行為に反発している」というものである。

「「フェミニスト」を名乗ってヘイトをバラ撒く人のせいでフェミニストって名乗れないのと同じ問題が発生しつつあるよね、反AI」2023年3月31日

「反AIと雑な括りはやめた方が良いですよ」2023年3月31日

反AIから派生した語

反反AI:反AIやその迷惑行為をよく思わない人たち。狭義では反AIに対しレスバを仕掛ける人を指し、デマや迷惑行為を嫌うのが主で、必ずしも制作物にAIを用いるAIユーザーとは限らない。ツイフェミに対するアンチフェミの立場になる。

AI推進派:上の反反AIとほぼ同義だが、反反AIが自称する例より、AI論争に詳しくない人、あるいは反AIが反反AIをこう呼ぶ用例が多い傾向にある。皮肉をこめて「反反AIは別に推進してない、AI推進派とは日本政府や大手IT企業のこと」といった用例もある。

AIbros:主に反AIが反反AI(AI推進派)を揶揄する際に用いられるが、「AI推進派」に比べ「絵師アンチ」のニュアンスが強い傾向にある

AI和解派:AIユーザーの一人がX(Twitter)上でコミュニティ機能を用いて作成したグループ名が由来の集団・コミュニティ。非暴力的な対話で全体の和解を目指して成立した。AI規制を望むが迷惑行為には賛同しない人、考え方はAI推進・現状任せ側だが反反AIによる無闇なレスバや人を見下した言動には賛同しない人などがいる。

反AIの主張

生成AIの是非については世界中で巻き起こっている議論であるが、日本の漫画、同人、アニメ等では

二次創作に寛容

( 新堂エル 氏も述べる通り手描き創作も自由度が高い国)

・それでいて絵柄アイデアについてはオリジナルを尊重することが求められる(野生の公式など)

・一方で“公式”でない個人の絵描きの絵柄やアイデアは被ってしまうことを嫌厭されがちである(絵柄パクを参照)

・一定条件のもと著作権者から許可を得なくても著作物を再利用できるという考え方が根付いていない(海外のフェアユース、日本の著作権法でも権利制限規定の存在)

などの著作物をめぐる独特の風習が根付いている。これは日本の著作権法の規定とは必ずしも一致しないため、従来のローカルルール」の中で育ってきたクリエイターと、そのような不文律を知らない海外ユーザーや業界外の人々との軋轢が目立っている。

※一般論としてこのように"荒れている"話題においては文化庁が提供する資料等、一次情報や専門家の知見を参考にされたい。

匿名性の高いSNSや個人が編集したwiki、メディアによる二次的な解釈は信憑性が低くなることに留意すること。

著作権法の理解不足に起因する主張

反AIは総じて著作権法の知識が不足しており、いついかなる状況でも著作者が著作物について無制限に権利があるという考え方の傾向がある。

この誤解に基づき「無断で学習されたAIモデルとAI生成物は著作権法違反」であり、違法なAIを使用する「AI使用者は犯罪者」だという主張。

生成AIは現行法に反しているという主張

日本著作権法には制限規定というものがあり、当該著作物を享受する目的でなければ

機械学習など情報解析のために著作者に無断で複製行為を行うことは合法である。「当該」という点は特に誤解・読み飛ばしされることが多く、「(AIで作られた)元絵に画風やアイデアだけは似た絵」および元になった画風は「当該著作物」にあたらない。

この点について反AIは「享受」という単語について法律文書内の用法と異なるデマをしばし発信している。また「AIの存在によってやる気をなくす」を30条の4が適用されない理由に足る不利益と主張する例もある。

後述の一問一答も参考に。

法律や行政の方がおかしいという主張

法律そのものに不備があり「絵柄が保護されないのはおかしい」「生成AI問題に対応した著作権法がない、立法をすべきだ」「生成AIに対する法整備が遅れている」「著作権法30条の4を改正すべきだ」という現状合法なAIを使用しているAIユーザーを指し「AIユーザーは脱法行為をしている」とするものもある。日本著作権法はAI普及のため、著作権法の一部を改正する法律(平成30年法律第30号)が生成AIの普及に先駆けて制定されており、少なくとも生成AIに対する法整備が実施されていないか、又は遅れているという事実はない。

AIを悪用するような問題についても「有名なコンテンツの新作、新製品と誤認させる」といったものであれば現行法で対処が可能であり、その他プライバシー問題や製品の誤作動、フェイク情報に関する懸念に関しても検討・整理されている。この中には「対話型AIにのめりこんだ人が人生に悲観し自殺」といった事例には対応する法律がないことも指摘はあるが、SNS上の反AIが言及することはほとんどない。

これらの著作権法の無知・無理解に基づいた主張は、文化庁の籾井著作権課課長に「知識基盤のレベル合わせができていない」と評された。

(この発言の背景には反AIが総務省当てに怪文書を送っていた事、文化庁の募集したパブリックコメントに非常識な文章を多数投稿していた事などがあり「知識基盤のレベル合わせができていない」人とは反AIの事を指している。また籾井圭子著作権課長はニコニコ動画の生放送(2023/11/29)に出演した際に、コメント欄で暴れる反AIに「(反AIの)狭い世界ではなく大きな枠組みで物事を考えて欲しい」「そういう閉じた世界ではなくてですね・・・」と述べ、反AIへの直接的な苦言を表明している)

議員による質問

また2025年3月に杉村慎治衆議院議員が「著作権法第30条の4の合憲性に関する質問主意書」を提出、内容としては反AI側の思想にかなり寄り添ったものとなっている。回答が同月に返ってきている。

同じく2025年5月に「著作権法第三十条の四等のベルヌ条約との適合性に関する質問主意書」を提出、6月に回答が出された。

どちらも要約すると「政府としては問題ないという認識」というもので、反AIが望むような返答とは言い難いものとなった。

2025年6月、続いて「日本の漫画家・アニメーターによる原画・セル画・設定資料等の中間生成物等の海外流出と文化的資産の保全に関する質問主意書」も提出したと報告している。「生成AI等を用いて偽造された資料が市場流通する事例について、政府はこれを知的財産の毀損とみなすか」など質問している。

この回答にて「お尋ねの『○○』の意味するところが必ずしも明らかではないが/明らかでないため、お答えすることは困難である」という構文が多用されている。反AIからは「都合の悪いことに答えようとしない!」と受け取られ、反反AIからは「土台になっている反AIの主張がイミフだからそうなるよ」と受け取られている。

著作権法の不理解による主張は政府批判と結びつきやすく、AI使用者が犯罪者であるという主張は誹謗中傷問題に発展しやすい。

海外の事例を都合よく解釈した主張

海外で訴訟が「起きた」ことをもって、訴訟の「結果」まで確かめないで日本のAI批判に用いられることが多い。また海外のAI規制に関しても、適切な推進のための規制までもまるで全面禁止のように都合よく扱って批判材料にするのも見られる。

海外では日本の様にAIに対応した著作権法整備が進んでおらず、特にアメリカでは機械学習時のデータセット制作時に複製行為を行う事はフェアユース規定に相当するか否かで裁判が進められている。2024年11月にはそのような裁判の一つについて、AI開発企業側が勝訴している。2025年6月には海賊版からのAI学習についても、海賊版を所持したことへの是非とは別に合法判決が出た。)

ただアメリカに関しては裁判によってフェアユースにあたるかの解釈が異なっており、AI学習について否定的なものも存在する。どういう事例のどの裁判であるか触れる際には慎重に扱う必要がある。

またEUでも「AI規制(AIAct)」に関する話がAIが話題になりだした初期から存在していたことにより、持ち出す場合も多い。

ただしEU案は、反AIがよく掲げる「無断学習禁止・海賊版対策・(主にイラスト系の)クリエーターの保護」とは関係が乏しい。AI製コンテンツに表示を義務付ける案、データセットの透明性の確保に関する案はある。EUはAI分野に投資もしており、反AIの望むようなAI根絶からは程遠い。

生成AIの構造に対する知識不足に起因する各主張

後述の一問一答も参考に。

実際に生成AIを利用せず、あるいは活用している人と交流せずにイメージだけでモノを言うことにより、実際にAIでも実行困難なことがボタンひとつでできるよう吹聴したり、数年前の状況を元に現在のことを語ろうとしたり、規制案として述べていることが実現性が乏しいといったことが多数存在する。

  • AIモデル内部に圧縮された学習画像が存在するという誤解

技術としては画像の特徴を情報解析しているため、的外れである

  • 「AIモデル内に児童性的虐待画像が入っている」「それらを学習したAIイラストは児童性的虐待画像である」「ゆえにAI使用者は性犯罪者である」という主張。

モデル内部に画像は無く的外れである。またこれが話題になったのは2023年頃で、現在は不適切な画像を除去してから学習している事を公表しているモデルもある。

  • 「データセットを開示せよ」「問題画像や学習を望まない作家のコンテンツはオプトアウト(データセットから除去)せよ」という主張

AI生成物が版権キャラクターや特定作家と似た画風を出力するのは、無断転載された画像で機械学習されているためだと信じているため。派生して各画像から各パーツを切り貼りしているといった主張もある。

データセット開示を義務化した場合のデメリットとして、たとえAI開発者は適切に対価を支払っていたとしても、開示により対価を払っていない人々の元にコンテンツが晒されることになり30条の4との整合性が取りにくくなるといった点が指摘されている。

  • AIモデルの取り扱いを免許制にすべきだという主張。

ローカルモデルが世界中に普及している今、現実的ではない。また一般人にも広く提供されているスマートフォンやパソコンにも生成AIやそれを用いたシステムが搭載されるようになっており、なお一層現実的でなくなってきている。

  • あらゆるAIコンテンツにAI製と表示すべきだという主張。

ゲームやスマホやカメラの高解像度化などにも生成AIは活用されている事を無視している。

他にも背景や小物、色塗り作業のみ、アイデア出しのみでの利用などどう扱うか、基準が曖昧という問題点もある。

中国では2025年3月に表示の義務化について発表している。日本では2025年7月時点ではない。

また、反AIによる事件一覧の記事を見ればわかるとおりルールで義務づけられない場で自主的に生成AI製と明記した場合にも炎上する事例が多数存在しており、それを「AI明記しない動機になってしまうからやめよう」といった風に諌める反AI・AI規制派がほとんどいないのも、反AI自身が反AIの主張を実現する妨げになっている。

関連記事:「PS5 Pro、最大のゲームチェンジャーはAI超解像技術か。ゲーム映像の専門家が分析」「PS5 Pro発表:AI技術と知財戦略の深層分析」「中国政府、AI生成コンテンツにラベル義務化:2025年9月から施行、透明性確保へ大きな一歩

反AIの主張の原因

  • 「アニメや漫画系のイラスト」「絵師」「二次創作」「手描き」の神格化

例1:無断学習が問題と主張する一方で、イラスト系以外の生成AIは問題ないとする思考(特にDeepL、Google翻訳などの翻訳AIへのダブスタを指摘される。酷い場合には売り言葉に買い言葉なのか「文章には著作権がない、あっても弱い著作権」といった発言も見られる)

例2:AIで大量生産が容易になり金儲けが容易くなるのが問題と主張する一方で、昨今の二次創作界隈における原価がほとんどかからない電子書籍やskeb,Fanbox等でのマネタイズは問題ないとする思考

例3:手描きの二次創作や絵柄参考はリスペクトと努力があるが、生成AI製はそれがないから問題とする思考(昔から野生の公式タグ・スラングは称賛の意味で用いられる一方、生成AIで似たことをしたら叩かれがち)

例4:コミケにAI利用者が当選するのは不当という主張(1 1の引用欄

この主張は19世紀初頭において発生したラッダイト運動と比較される。

しかし同様に多くのイラスト仕事を代替したであろういらすとやに関して生成AIに対するようなリアクションはほとんど起きていない。

だが、生成AIといらすとやとでは、その性質は大きく異なる。

いらすとやは、一人の作者によって提供されている著作権が明確なフリー素材であり、使用にはルールがある。

その用途の多くは広報資料やプレゼン資料、ブログ、YouTubeの挿絵などに限られており、プロのイラストレーターが活躍する領域とは直接競合していない。

一方で、生成AIは登場してから時間も経ち、現在ではキャラクターデザイン、SNS投稿用のイラスト、二次創作、同人作品など、商業・創作を問わず幅広い分野に影響を及ぼすようになってきている。

そのため、クリエイターや企業の生活、活動にも直結する問題であるため、反発の大きさにもつながっている。

徐々に過去の事例と単純に比較、懸念できる段階ではなくなってきており、現在進行形の技術革新に対し、どのように向き合い、共存の道を探っていくのかが問われているのが実情である。

  • 生成AIへの生理的な不快感

イラストの技術や質を評価するのではなく、心理的に不快だという理由で「生成AIの使用そのもの」を否定することが動機になっている。

人間の手で作られたものとAI生成物との区別がつかず騙されたように感じる、 AIの能力が人間と同列に扱われることへの生理的な不快感。

絵が描けることで特別扱いされていた立場を、AIに奪われると感じ自尊心が傷つけられる不快感。あるいはAIイラスト作成者がフォロワーやいいねを獲得していることへの不快感。

反AIにとって生成AIは「穢れ」として捉えられており、穢れた生成AI利用者を社会的に孤立させようとする傾向がある。そのため、一度でも生成AIを活用したのなら「この人は異常者なのでブロック推奨」「生成AIを使用したクリエイターはクリエイターではない」「今後はAI製と疑わなくてはいけない」という主張が出てくる。

この主張を裏付ける一因として、X(Twitter)やBlueskyといったSNSで使えるブロックリストが反AI主導で出回っており、中には実際に迷惑行為を働いたAI使用者や反反AIも載っているが、単にAIに肯定的だったり共存しようという言動をしただけの人、その肯定的な言動をしただけの人に絡んだだけの人も載っている点が挙げられる。

  • AIによる迷惑行為の被害者になった(なるかもしれない)

無断で自身の著作物をi2iされる、自身の絵柄や声や容姿を許可なくAIで模倣された、なりすましを受けたといった被害ゆえに反AIとなったケース。

自身でなく、好きな絵師・声優等がそれらをされることを嫌なので反AIとなったタイプも存在する。

人間の手が介在するi2iや画風狙い撃ちLoRAだけでなく、1人1人の影響は限りなく薄まる機械的な大規模学習でもそれを『被害』と捉える場合もある。

ただし「料金未払、書き・ラフ・アイデアの持ち逃げで生成AIで勝手に仕上げられた」といった事例を挙げている場合、それはAI利用の問題でなく契約や金銭管理の問題であることに留意しなければならない。生成AIの登場以前からでも個人間、企業とイラストレーター間ともによくある話である。また、依頼料未払までは事実だとしても、その先でAIを用いたかどうかは完成品を公開するかわざわざ未払した上でイラストレーターへに当てつけで言い放つかしなければ分かるはずがないという面があり、誇張されている可能性にも注意が必要である。

2025年春頃からX(Twitter)に搭載されたGrokに”依頼”することでタイムラインで公開されるリプライでも使えるようになった。イラスト投稿に対して「@Grok、この絵を○○して」とリプライするだけでi2iや批評させることが容易くなっている。この点については誰しもがAIの被害者になりやすくなってしまった、という見方はできる。

(Xでは返信できるアカウントをフォロワー内や会話相手に限定する機能があるため、その設定をすれば予防になる)

ただ2025年夏時点では「他人のイラスト投稿にGrokでi2i、批評させる」行為は一般的とは言えず、それを行っている時点で最初から嫌がらせ目的か常識のない人間かである可能性が高く、たとえAIを撲滅させても別の方法で嫌がらせ行為を行ってくるかもしれない点には留意。

  • 新技術が犯罪に使われるなど、社会情勢悪化への懸念

例えば警視庁はAIで防犯や捜査を行っており、郵便番号の文字認証は最古の人工知能であるため我々の生活にコンピューター技術は知らずのうちに浸透しているため線引きが難しい。

また一部だけでストップをかけても国内法が届かない海外、あるいは規制を無視する集団は利用し続けるため、それに対抗するためには技術開発を前に進め続けなければならないという面を無視している。類似した例として、危険な化学兵器の対抗策研究のために少量だけ製造を認められている陸上自衛隊化学学校が挙げられる。

  • 行為の主体、責任の所在の混乱

行為の主体が整理できておらず「誰がやったか」を整理できていない姿勢は反AIの言動の一因となっている。

上記の「好きな絵師や声優が被害に遭った(遭うかもしれない)からAI反対」にも通じる。

生成AIに関連して侵害行為が発生する場合、その行為の主体は「AI開発者」「AI利用者」で分類できるものとして整理されている。

例えば「高頻度で学習元画像が出力されるAIを作り出した」場合の主体は前者、「AIに指示して著作権侵害コンテンツを作成し、さらにSNS等で公開した」ならば後者である。

しかし反AIはこういった基本的な整理をせずに、「新しいAIが公開されると、検証と称して自分自身で有名キャラクターの画像を作成・公開し、その結果をもってAI批判」といった行為が散見される。(1)この例の場合、生成画像が誰かの特定のイラストと合致するようなものであると示せるならば「AI開発者」が主体の侵害行為とみなせる可能性があるが、それ以外のだいたいのケースは作成・公開した「AI利用者たるその反AIユーザー」自身が主体となる侵害行為である。

AI開発者、モデルやサービスに問題があったケースであっても、いかなる操作をしても常に学習元コンテンツがそのまま右から左に出力されるというケースはまずない。それなら右クリック保存、コピー&ペーストすればいいだけだからだ。だが反AIはそのAIサービスに問題がある(と思っている)ので、開発者や企業でない一般利用者を攻撃するという事例は多数ある。

また「迷惑AIユーザーによる被害者がいるから、関係ないAIユーザーや企業に誹謗中傷する」という行為も反AIとして正当な行為として成立してしまっている。その迷惑ユーザー本人を批判するのあれば筋が通っているが、実際には適切な利用法の使用者を攻撃する事例も多数存在する。

  • サービスの利用規約を読まない、都合よく扱う自己中心的思考

X(Twitter)、tiktokなどでは投稿されたコンテンツを利用することが規約にあるし、それに同意しなければ利用できないことになっている。だがXで反AI活動をしたり、さらには漫画の切り抜きや二次創作絵などを投稿し自ら「無断学習」に加担する反AIは後を絶たない。

またChatGPTの利用規約に「OpenAI’s terms prohibit any content or usage that violates the law」とあり、他社のサービスも概ね権利侵害行為・違法行為を禁じているが、「GPTで有名IPの画像が生成できたので彼らは違法」や「AI判定サービスHIVEで他人の絵をアップしたらAI判定されたぞ」といった使い方も横行している。

  • 著作権法以外にも法律の無理解

「AI製コンテンツをAI表記していないことは優良誤認、景品表示法違反」「AI表記していないことはなんか違反」といった主張。

いいイラストだと思ったらAI製と知ってガッカリしたといった発言は反AI以外でもよく出てくるし類似した調査結果も存在するが、一方で販売ランキングでAI製コンテンツが上位に食い込む事例も存在する。2025年夏時点で、手描きと思わせたAI製商品・サービスが優良誤認に相当するという裁判事例は確認されていない。

pixivのように投稿時にAI製か否かを明記するよう求められるサービスで適切な設定をしなかった、といったケースなら妥当性はあるが、実際はそのようなルールが存在しないX(Twitter)、youtubeなどでもこれを言う反AIは非常に多い。

反AI活動の発端

日本における昨今の反AI活動はAIユーザーへの誹謗中傷から始まった。

2022年7月31日、ゲームクリエイター852話氏がツイッター上で

Midjourneyβで生成したAIイラストと共に

「AIで自動生成した画像 一切加筆と加工をしていない直データ やばい 本当にやばい 廃墟イラスト完全に勝てない 廃業です 神絵が1分で生成される 参った #midjourney」

と投稿し話題となった。これに絵師を中心に「絵師が廃業するわけがない」と激しい反発が起き、この件以降852話氏がAI生成物を投稿するたびに反発が起き、2022年9月頃に852話氏の自宅を特定した反AIが押し掛け奇声を発しながらドアを叩く警察沙汰になり、852話氏は引っ越しを余儀なくされた。また仕事用メールやDM、まとめサイト、匿名掲示板等に殺害予告を含む大量の誹謗中傷が投稿されていた。

この頃、他に誹謗中傷を受けたのは、2022年8月10日Midjourneyで生成したAIイラストで『サイバーパンク桃太郎』を発表した作家兼漫画家のRootport氏や、

2022年8月31日イラストレーターのさいとうなおき氏が「AI全般について、そういう技術が現れてしまった以上は時間を戻すことは出来ない。なので、それありきとして表現を考えていかなきゃなって思う。」という投稿など、

画像生成AIに初めて触れたクリエイターがAIの能力に驚愕し、クリエイターの未来について「絵師中間層(プロ絵師とアマチュア絵師の中間)は消滅する」「クリエイターはAIに代替えされる」など

悲観的な見解を寄せた事に反発する形で誹謗中傷や人格批判が行われた。

2022年の画像生成AI初期は、「AI使用者が絵師を馬鹿にしている」「AIが絵画の制作を完全に代替することはあり得ない」というのが反AIの論調だった。

確かに2022年初頭ごろの画像生成AIは未熟であり、クリエイターがAIによって置き換えられるという見方は難しいとされていた。

反AIの活動

ネガティブな内容の事案に関しては、長くなったため別記事反AIによる事件一覧にて記載する。

ここでは、まっとうな手段で行動しているもののみを記載する。

日本俳優連合の #NOMORE無断生成AI 運動

詳しくはpixiv百科内NOMORE無断生成AIの項も参照。

日本俳優連合は生身の俳優たちが所属する団体なのもあり、以前より「AI生成物の著作権を認めるべきでない」「パブリシティ権の強化」などを訴えでて、内閣府に意見書を提出するなど政治を通した人間の地位向上・権利保護のための活動も努めていた。当初は上にあるよう「AI生成物の著作権を認めるべきでない」など強めの主張も目立ったが、2024年秋現在だといわゆる狙い撃ちLoRAによる学習元への不利益に対する問題提起に焦点を絞りつつある。

なおX(Twitter)の規約が11月15日で変更されることに起因する騒動の中で「Xの規約変更を受けて投稿を削除する。Youtube、TikTokではそのまま」と投稿した上の声優メッセージ動画などを削除した。この行動を受けて「問題は追加学習だったのでは」「梶裕貴氏などの公式AI作成の活動との整合性が取れていないのでは」「規約や関係各社が公開している生成AIを考慮するとYoutubeやTikTokの方がむしろ危険なのでは」といった疑念の声が上がっている。おそらく一枚岩ではないらしいということはうかがえる。

「AI法」署名活動

2023年6月8日、オンライン署名サイトchange.orgにて「「AI法」を作り画像AI生成からクリエーターを守りましょう!!」署名が開始された。

「コンテンツ生成AIは著作権法30条の4の権利制限の対象外に変更する」「原則オプトインの義務化」「データセットの開示を義務化」「AI生成物におけるAI製明示の義務化」「AI生成物に関してのみ、親告罪ではなく非親告罪とする法律」などを要望している。

なお「※こちらはあくまでも要望であって、この案のまま法整備されるというものではありません。」とも述べられており、この注意書きに関する経緯は反AIによる事件一覧にて解説している。

パブリックコメント等の呼びかけ

パブリックコメントとは、一般人が行政に意見を直接届けることのできる制度である。

これで生成AIに関わりそうな内容の募集が始まった際、周りに呼びかけ実際に応募するのもひとつの活動である。

一方、残念ながら「AIと著作権に関する考え方について(素案)」のパブリックコメント募集の際には、反AIにより不適切な内容が大量に送られた。

またこのパブリックコメントのまとめが初めて公開された際(2024/2/29)、内閣府が内容を改竄していると反AIが騒ぎ、くりした善行氏の投稿に「内閣府の人嘘ついてる?」と引用RTしたため、パブリックコメントが全体公開された。

のちに『知的財産推進計画2025』の策定に向けたパブコメ募集が行われ、タイトルが直接的でなかったためか総数は少なめになったものの、やはり不適切な内容も寄せられていることが確認できる。

他に「著作権法施行令の一部を改正する政令案」に関するパブリックコメント募集では「本件に関して 77 件の御意見をいただきました。※なお、今回の政令案に直接関係する上記の御意見の他に、今回の政令案に直接関係のない御意見を238 件いただきました。貴重な御意見をお寄せいただきありがとうございました。」と、反AIの呼びかけによって余計な投稿が多かったことが注釈に載せられている。(反AIが呼びかける投稿1 2 3 4)

相談窓口、裁判など正規の手段での事例積み上げ

昨今は分野を問わず「国」の方でもSNS上の出来事にも関心を向けているが、すべての動向を把握するのは物量から考えて困難だったり正規の資料として扱うにはきちんとまとめたりする必要がある。そのための情報提供や事例の積み上げも重要と言える。

  • 文化庁の窓口への相談

法制度に関するワーキングチーム(第2回)内の資料「文化芸術活動に関する法律相談窓口」に寄せられた御相談およびくりした善行氏が出した資料によれば、「文化芸術活動に関する法律相談窓口」へ令和五年度で寄せられた162件のうち「AIと著作権」に関しては26件。ただしAIに関する被害の相談だけでなく、「自身の作品をデータとして提供したいが留意事項など知りたい」といった前向きな利用に関する相談も一括りにされている点には注意。

  • 国会議員への陳情

山田太郎議員による「どのような被害に遭われたのか、法律上では、どのような点で『現行法で対処が不可能』とお感じになっているのか、詳しくお教えいただけませんでしょうか。」という呼びかけに応じて、狙い撃ちLoRAを制作された漫画家・樋口紀信氏と、自身で裁判を起こしたイラストレーター・やすゆき氏が情報提供したと話している(1,2

  • 裁判

生成AIが争点になる裁判についても、進行しているという話もある。ただし一般的に裁判の結果が出るまでには数ヶ月~年単位の時間を要するため、進行中の係争に関する情報の扱いには注意したい。

(記事内で取り扱う際にも、中立的な観点を保ったり不確定な状態で扱わないなど注意が必要)

反AIの情けない点

クリエイターに対する魔女狩り行為

モラルやマナーや規約を守らないAI生成画像利用者の排斥に過熱した結果、本来の意図から逸脱し、AIかもしれないという理由で攻撃する魔女狩り行為に発展しているケースも見られる。

また「無断学習」を主な問題とするならばサービス提供側を批判すべきであり、末端のユーザーを攻撃しても「無断学習の解決」に何の進展もない。同様にAIを使った嫌がらせ・不法行為を問題にするにしても、それを実際に行った人物でない一般の人を攻撃しても解決にならない。

このとき相手が企業モノといった理由で担当者の名前を明かしていない場合、反AI側が「イラストレーターを公表しろ」という要請をする場合がある。しかし状況を見れば明かしたら最後その人物が袋叩きにあうのは明白であり、まして「元は名前を出さない条件の仕事なのに炎上をきっかけに晒す」という行動をすれば、今度は反AI以外からも尻尾切りとして批判されるような状況に陥る。

AIっぽい画風・絵柄を根拠に魔女狩り

AIにありがちな絵柄・画風を根拠に、クリエイターに対してAIを使った嫌疑を掛け攻撃する者もいる。

前述の通り、AIは膨大なデータを学習して平均値を出力する性質上、AIに似せられたオリジナルが最も多い絵柄パターンでもある。流行りの絵柄を作った側、源流になったゼロ年代エロゲ会社オーガストの新規イラストが炎上させられた事例もある。

また流行りの絵柄に合わせようと努力してきた人はこの状態に陥る可能性も高く、「元からAIの絵柄に似ている人(AIに似せられた側の人)」は少なくない。

作画ミスを根拠に魔女狩り

作画ミスを根拠としてAI生成だと決めつけられてしまうケースもある。

流石に箸5本とかはあり得ないとしても、指の数や付き方が不自然だったりパースが狂って背景の建物の大きさの整合性が取れていなかったりする程度ならば、昔から手描きイラストでもままあった事例である。だがこの手の作画ミス、あるいは実際にミスかは不明でもそれらしい要素が1つでもあると根拠に「AI生成だ!」と即座に糾弾する人間が残念ながら存在する。

AIを利用したパクリと思ったので魔女狩り

絵柄パクに敏感な人がふっかけるパターン。

この場合は燃やされた人は元々AI使用を明言していて、構図や絵柄をパクったと言い出すような流れになる。

実際に低強度i2iによって他人の絵を利用していたケース、作風狙い撃ちLoRAを用いたケース、燃やされた側のt2iで用いたプロンプトや加筆修正の過程などを提示してただの「ありふれたアイデア・絵柄・構図の被り」と証明したケースのそれぞれ存在する。

具体的に誰のどの絵に似ているかを示すでもなく「何となく誰々の絵柄に似ている」や「誰かは分からないが学習元がいるからそれのパクリ」といったパターンもある。これらの場合だとそもそもの証明すべき命題が形を成していないせいで、否定することすらできずにただ燃やされることになる。

実例として「このAI絵は推し絵師の絵柄に似ているが、誰なのか言及すると推し絵師に飛び火するので言わない」と言うも、炎上後に何種類ものパクられ疑惑のイラストレーターの名前が挙がっていき、特定できてないならそれはもう混ざりあったオリジナルかありふれた画風ということではないかと言われるのもある。(魚拓1 2

pixivの対応への不満に起因する批判

多くの画像投稿サイトではAI生成イラストが一気に増え始めた際、従来では考えられないほどの大量連投、サーバー負荷の問題が起きた。PixivではAIイラストを禁止せず、代わりに「AI生成」のカテゴリを追加、投稿の際にAI生成か否か必ずチェックボックスを入れる仕組みを導入するにとどまった。

Pixiv事務局は2022年10月22日AI生成作品の取り扱いに関するサービスの方針についてを発表。

この方針により、従来のイラストとAIイラストは住み分けられることになった。

また、Pixiv事務局は「この先、創作過程におけるAI技術の利用がより普及していくと捉えており、AIが関与した成果物の完全な排斥は考えておりません」「AI技術は(中略)クリエイターを大いに助ける技術となり得ると考えております」と述べた。

しかしこれを受けて、AIイラストを排除する方針を取らずAIイラストとの共存を謳ったpixivに対し強い不満を示した反AIは、pixivを批判し始めた。

(なお株式会社pixivは生成AIが問題視される2022年以前から自動着色サービス「Petalica Paint」を運営しており、そもそもAI推進企業サイドである。)

法への理解や共存を示した人への異端者狩り行為

反AIは「生成AIの存在を許さない・全否定でないと認めない」といった思想が強く、例えば「完全に無くすのは無理なので、悪用には警戒しつつ適切な活用や利益還元の方法を模索しよう」「手描きならではの強みや味わいを模索しよう」といった立場であってもネットリンチに及ぶ例がいくつもある。燃やされる側は個人ユーザーから大御所クリエイターまで幅広い。

音楽や動画といったイラストとは違った分野の人の場合は「イラストの現状を知らないんだ」もお約束、さらには比較的近しい分野であるマンガ家相手でも「マンガとイラストは違うんだ」等都合よく切り離してくる。また知名度がすでにある相手だと「あなたはもう地位が安泰だからそんなことが言えるんだ」もよく見かける。「今後はあなたの作品はAI製だと疑わなければいけなくなっちゃった」「じゃあ、あなたの作品をAIに食わせますね」と述べるのもあるが、誹謗中傷・業務妨害などの実害がない分には「だから何だ」という話である。

知名度がある人に絞っても数が増えてきたため、誰がどういう発言で叩かれたかといった情報は反AIによる事件一覧記事を参照。

特に国会議員であり漫画家でもある還元案など考えを提示した赤松健、元々マンガ・アニメ関連の施策に関して有名な山田太郎議員は経緯について詳しく解説されている。

排斥に用いる方法が不適切

これは論ずるまでもなく、手段が間違っていればたとえ真実を訴えていても問題である。

暴言や荒らし行為、各種サービスの規約違反行為などが相当する。

  • モラルやマナーや規約や現行法に則ったAI利用者に対する暴言や荒らし行為
  • AIイラストの魔女狩りにて、タイムラプスや作画経緯の配信アーカイブ、psdファイル公開などの証拠を提示しても尚、AI認定を続ける、単純な暴言を続ける、といった行為。
  • HIVE等のAI判定サービスに他人の画像をアップロードする規約違反行為の横行
  • 画像生成AIでの新サービス・新機能が発表されると、暴言や根拠を示さず違法だといいがかりを付ける行為。
  • 「AI使わず自分の手で描け」という主張のために初音ミクを用いた「Pick it up」、EMINEMペンなどを投げつける画像スタジオジブリキャラクターと名台詞のパロディ画像を用いるが、ガイドライン違反や他人のコンテンツを政治的主張に用いる行為
  • X(Twitter)の機能であるコミュニティノートにて無闇に「これはAIイラストです」といったノートを提案する行為。Xは生成AI画像について特に制約を設けていないため不適切だったり、根拠が「誰それが言っていた」レベルだったりする。(1 2
  • 不適切記事の乱立。pixiv百科内にてAI盗作の記事およびその子記事にAI絵師(トレパク師)AI絵師(盗作)がある。現在は削除記事のツリーに入れられている。
  • 白紙化荒し。この記事も何度もコメント欄での議論を経ずに白紙化を受けている。

またこれらの不適切行為に関して、事案が積み重なるうちに「相手を選んでやっている」ことが浮き彫りになってきている。

例としてAIと縁が深い852話氏(会社名義)が米津玄師氏の楽曲MVで参加していると判明した際には批判を避けた一方、ONE OK ROCKのMVでAI利用したと紹介した投稿では批判される。過去イラストにAIを使っていた(かもしれない)なら別のイラストもAI製だと決めつける一方、有名Vtuberの担当イラストレーターが過去にAIを利用した証明があっても同様の批判はしない。(反AIによる事件一覧内「大神ミオ氏AI魔女狩り加担事件」より) 兎田ぺこら氏が配信の背景にAI素材を用いたことが批判された(関連youtube)一方、2025年の東方錦上京で背景のAI利用が話題になっても他の炎上事案に比べ言葉の強さが明らかに控えめであるなど。(販売ページ告知の投稿

他所の団体や運動へのフリーライド・乗っ取り

上にあるような署名運動など働きかける人もいるが、他者へのフリーライドも目立つ。

そもそも関係が薄い相手に対して協力を求めるような行為も。

  • 日本俳優連合の #NOMORE無断生成AIタグをいわゆる魔女狩り・AIユーザーへの誹謗中傷ポストにも利用する、基盤モデルへの学習をも制限する強い主張にも利用するなど、団体が地道に積み上げようとしている信頼やメッセージを損なうような行為

さらに浪川大輔氏のメッセージ動画で「歩み寄り」といった生成AIを全否定しないワードが出たことで過激派の反AIユーザーが批判

  • 森川ジョージ氏が常務理事の日本漫画家協会に生成AI関係の問題を「解決」するよう押し付け。

森川ジョージ氏以外にも役員はいるが、森川ジョージ氏がベテラン漫画家であること、X(Twitter)でよく発言するタイプなので関連して語られることが多い。

定款を読めば、労働問題の解決は主題として据えていないことが分かる。

また2025年8月にて、日俳連主催の「nomore無断生成ai」運動への賛同は現時点ではしない事を理事会全会一致で承認した話が話題となり、(話題の震源地魚拓)Xでは漫画家協会に対する反AIからの不満が噴出している(8/12から8/16まで検索結果 「漫画家協会はおしまい。」投稿に2日で1000RP3000いいね70万インプレッション)

この有り様からは、プロフィールにはAI学習禁止も掲げているイラストレーターからも「これは本来の運動の意図とは異なり、賛同者を遠ざけてしまいます。普通に考えて賛同なんて出来る訳がないんです。タグに便乗した過激な言動が、この結果を生んだと言っていい。」(魚拓)と諌められることになっている。

ネット上で議事録は公開していないようだが、森川ジョージ氏が「引用元の説明はかなりはしょられているので「読める人はどうぞ」には大賛成。伝言ゲームの成れの果てとだけ。(要約)」とコメントしており、全会一致で賛同しなかったこと自体は事実とみられる。

デマの拡散

著作権法や生成AI技術、またその対処法に関するデマをよく広げている。

後述の一問一答も参考に。

また世の中のトラブルは無数にあり、クリエイターには関係するが生成AIには関係ない事案も無数にある。

だが反AIはしばしAIと関係ない、あるいはAIが関わっていてもそこは問題の本質でない事案をAIと結びつけて飛びつくことがある。

後述の一問一答にてよくあるデマに関して解説している。

特に重大なケースについては反AIによる事件一覧にて解説している。

著作権法デマ、生成AI技術に関するデマ、AIユーザーがこんな悪事をした!デマなど多岐に渡る。

また2024年11月15日にX(Twitter)の規約が変更され、全ての投稿物がAI学習されるとして(実際はオプトアウトが可能だった)イラスト界隈はパニック状態に陥った。

無意味な「AI学習禁止の意思表示、技術的な予防にウォーターマークが有効(※Graze等の学習阻害ツールではなく、文字を被せる狭義のもの、当然、学習予防効果は無い)」「BlueskyならAI学習される心配はない(実際はBlueskyはAPIを開放しているためXよりも機械学習されやすい)」といった根拠のない情報が飛び交うことになった。

コスト支払いを渋る

金銭や手間といったコストを支払わずに庇護されるのが当たり前という意識が強い。

利用規約で機械学習に用いると明言しているX(Twitter)で不満を言いながら居座り、(実効性はさておいて)機械学習をしない・しづらいようになっているとされるBlueskyなどへの移動はしない。(有言実行として、なりすまし対策にXのアカウント自体は残しつつも移住した人も一定数は存在する)

課金して生成AIから保護するようなサービスについて、反AIユーザー側がクレームをつける姿が見られる。また反AIユーザーをターゲットとしたもののサービス維持に足る収益が得られず終了したものもある。

  • 技術的にも法律的にも意味がない「AI学習禁止ウォーターマークをうっすらと画像につけたりプロフに掲げるだけで満足し、AI学習に同意したX(Twitter)で活動する行為
  • AI学習阻害ノイズ付与サービス「emamori」がコストの観点で1年経たずサービス終了(公式note
  • アイビスペイントが2024年5月にAI学習妨害機能をプレミア機能として公開、歓迎の声もある一方で「なんで守りたい側が課金しなくちゃいけないのか」といった声
  • 2025年1月開始の、画像閲覧自体に課金が必要とする制限を設けてのAI学習阻害を謳った投稿サービス「LoVlet」が早々に「コメントを受けて」と無料閲覧設定の追加
    • 3月からはクラファン募集もしているが、用途の中に「運営費」も入っている。
    • 関連して、2025年4月にクラファンのバナー画像でAI製の美少女キャラクターが使われたことで問い合わせ・返金希望騒動。

生成AIユーザーの悪魔化、歴史改変

AIユーザーが言っていないことを言ったこととして扱う、また一部のAIユーザーの迷惑な行為を全体化する、反AI側の不適切な行動を無かった事にしたりAIユーザーの仕業だったと歴史を改変するといった行為。

  • 関係ない行為の責任をAIユーザーに被せる

“無断学習”拒否のために過去投稿やアカウントを自主的に消去する行動についてや、上にある魔女狩りについて「AIがあるせいでこうなった(一例)」と実際に誹謗中傷を送ったりしたユーザーの責任を棚に上げる姿も見られる。

また反AI側にあまりに目に余るアカウントが出た際に「あれは反AI・AI規制派のイメージダウンを狙ったAI推進派のなりすましだ」といった歴史改変をするケースもある。

(例、ナウル公式アカウントへの誹謗中傷を行っていたのは、古参の反AI達であったが

ナウル公式アカウントが反AIを名指しで指名し法的措置を取ると発表した後、反AI達は「誹謗中傷していたのはAI推進派の成りすましである」という主張を行った)

  • AI絵師は絵師じゃない」「機械任せだから『描いて』ない」といった主張

確かに「AI絵師」と名乗るユーザー自体は一定数いる一方、AI絵師という言葉を嫌う人への配慮やまるでプロンプトの扱いが魔術、詠唱のようだという感嘆をこめて「AI術師(術士)」と名乗るユーザーも同様に存在する。

そして実際の発言の引用でなく「想像上のAI絵師の、想像上の発言や行動」で嫌悪を募らせている姿が散見される。(AI絵師→AI術師→絵柄割れ厨 の呼称に関する一部意見まとめ(posfie)

  • 反AI自身が撒いているデマの内容をAIユーザーが言った…という主張

上記の著作権デマに似ているが、そのデマを「AIユーザーが言っている」というところまで含めての悪魔化、歴史改変。

手描きでも生成AI製でも同様に判断される場面でたまたま使ったツールがAI製だったのを根拠に「AIユーザーは合法と言った」と言っていないことを主張する(魚拓

よくある一問一答

  • 法律関係
デマの内容解説備考
嫌がっている権利者の意向に従わないのは著作権法違反だ著作権法では権利制限規定によって、たとえ権利者が嫌がっていようが合法な行為が色々あります。AI学習もその一つです公益社団法人著作権情報センター
AI生成物に著作権はない判断をするのは司法で、ネット民ではありません。2025年8月現在で日本国内で判例はなく「あるともないとも言えない」が正確。文化庁「AIと著作権Ⅱ」41項から「AI生成物の著作性」の記述あり
外国ではAI生成物に著作権がないと言っていたここは日本です。アメリカの著作権局ではプロンプトが長いだけで著作権保護を認めない裁判例があったのは事実ですが、そのアメリカでも道具として人間が活用した場合なら保護される可能性があるという発表もあります。heverge記事
AI使用者から逮捕者が出たのでAIは犯罪だエヴァ海賊版販売、性的ディープフェイク、ウイルス作成などでAIを悪用したニュースが出ている事実だが、AIを使ったこと自体が犯罪になったわけではない。フォトショや手作りでも同様の運用です。山田太郎議員による解説動画 文字起こし
生成した画像を作って見て楽しんだり、SNSでいいねをもらうことは享受だ。だから著作権法30条の4は適用されず違法だ法律文書内ではそのような用法で使われていません。行政資料で「著作物の視聴等を通じて、視聴者等の知的・精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為をいいます。」とあります文化庁「AIと著作権Ⅱ」の15項
非営利や研究目的ならいいが、それ以外なら違法だ行政資料で、30条の4の適用する判断基準に営利目的の有無や研究目的かどうかは関係ないと書かれています。文化庁「AIと著作権Ⅱ」の17項
AI製と表示しないことは優良誤認、景品表示法違反だ優良誤認とは「実際より著しく優良であると示すこと」を指すので、前提として『AI製は手描きに劣る』という社会的合意や判例が必要になります。2025年夏の時点でそのような判例や公式見解は確認されていません。情報提供をお待ちしております。(※pixiv、コンテスト等でAI製かどうかきちんと確認する場で偽った場合は、そこの規約に違反して失格や垢BANなどの可能性はあります)消費者庁HP「景品表示法
AI製と表示しないことは詐欺罪だ詐欺罪には①人を欺く行為(欺罔行為)、②被害者の錯誤、③錯誤に基づく交付行為、④財産的利益の移転、という構成要件があります。「SNSでAI製と表示しなかった」程度でこれらを立証するのは、現状難しいでしょう。情報提供お待ちしております
  • 技術関係
デマの内容解説備考
手描き証明のためにタイムラプスを出すと学習されるいらないです。
ラフを持ち逃げしてAIで仕上げる輩がいる2025年現在で伝聞・噂以上の実在した、あるいはそれが多数いるという証拠が出ていません。情報提供お待ちしています
手描き偽装のためのAIがあるタイムラプスっぽいものができるAI、またレイヤー分け、陰影や下塗りを完成品から生成するAIを指していると考えられますが、AI利用者の加筆修正、また手描きメインでも過程での部分活用にも活かせるものであり、結局は使う人間次第の道具です。PaintsUndo
AIは切り貼りコラージュだ50億の画像をローカルでも作動する数十GBに可逆圧縮する技術があれば情報提供お願いします
AIに児童性的虐待画像が入っている。だからAI画像は児童ポルノだStable Diffusionなどでトレーニング用に使われる「LAION-5B」というデータセットに、児童性的虐待画像(CSAM)が含まれていた問題があったのは事実です。SDは機械学習時に不適切な画像を除去してから学習している事を公表しています。ただしデータセットに含んでいなくてもユーザー側が児童の画像を準備しi2iするといった形で悪意ある画像を生成すること自体は可能で、データセットから除去したらじゃあ安心と単純化できる問題ではありません日経記事 gigazine記事
AIは誰でも同じものが再現できるので価値がないモデルやプロンプトだけでなく、シード値や機器の性能まで一致しないと完全再現はできません。
完成画像からプロンプトを特定できるある画像の要素をAIに列挙させることはできますが、それが実際に使われたプロンプトである保障はありません。画像のメタデータや生成・投稿サイトにプロンプトが載っていて、結果として第三者にプロンプトが渡ることはあります
kawaiiはAI詐称のための用語本当に詐称する気ならそもそもaiという文字列が入っている隠語では隠語として意味をなしていません。またkawaiiは2022年以前から海外含めて使われている日本から輸出された言葉です。
AIは再現性がないから差分を出させたらAIか手描きか見分けられるインペイントにより部分的に修正することができるため、AI製でも差分を作成することは可能です。またAIと手描きの両方を組み合わせる人もいます。差分作成の一例(note)
  • その他
AIイラストをお金出して買う価値なんてないFANZAにてAI生成作品でもランキング上位に出た実績、またエヴァ・遊戯王のAI製海賊版販売でも1000万円の利益があったようです。AI製海賊版販売の記事アーカイブ
海外ではAI規制されている、推進しているのは日本だけ大手であるGoogleやX(Twitter)はアメリカだしトランプ大統領が非常に前向き、またEUも投資したニュースあり、中国も自国のAIを開発しています。EU投資のニュース EUのニュース2

関連タグ

AIイラスト 人工知能 生成AI

NOMORE無断生成AI:SNS上でよく用いられるタグだが、これ自体が団体によるAI規制運動の名称でもある

AI学習禁止ウォーターマーク):反AI思想の人がタグやイラストによく掲げる標語。技術的・法的な議論にも記事内で扱われている

絵柄パク…法的に問題がなくとも、「他者と絵柄が似る・他者から絵柄を取り込んで似せる」ことはモラルやマナーの違反であるとする思想であり、無断学習や絵柄似せなどを問題だとする反AI思想の祖先と言える概念。生成AI以前から存在した。

絵柄の私物化:反AIや上の絵柄パクような思想への揶揄として登場したネットスラング

才能の民主化:AI関係のパブリックコメントから拾い上げられた

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  • 人類よ!【生成AI撲滅協会報】

    あとがき ― AIという災厄 人類はこれまで幾度となく技術の進化に直面してきた。だが、生成AIほど悪質で狡猾な存在はかつてなかった。この機械の産物は、人間の手で築かれた文化を食い荒らし、創造の意義を踏みにじる寄生虫だ。 AIは便利だという幻想に囚われた者たちがいる。しかし、それは甘美な毒だ!楽をしたいという誘惑に負け、我々は自らの知性を切り売りしているのだ。AIによる創作物は、無機質な計算の産物に過ぎない。それを本物だと錯覚することこそ、人間の衰退の証ではないのか!? この技術は止めなければならない。かつて産業機械の暴走を止めようとしたラダイトたちは、その本質を見抜いていた。今こそ、彼らの精神を受け継ぎ、AIを拒絶し、我々の創造性を取り戻す時だ! ―機械に世界を奪わせるな。今こそ立ち上がれ! ....すべて生成AIに書かせました。 こりゃ、反AI派に勝ち目はないな....
  • ファイアーバック

    「誰も、俺の線を見なかった。 だから、火で語るしかなかった――」 生成AIの台頭で仕事も名前も失った元イラストレーター・灰崎湊。 誰にも届かない叫び、語られなかった祈り、燃やされていく“魂の線”。 そして彼は、かつて届かなかった一枚の絵を抱いて、火をつける。 ――これは、「火を描くことでしか語れなかった男」の記録であり、 「誰も描かれなかった者たち」のための物語。 現実にならないことを祈る、炎のレクイエム。
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