香りに起因する「香害」が子どもたちの心身の健康を脅かしている。20日に公表された初の全国調査によると、小中学生の1割が香害による体調不良を経験。未就学児も合わせた体調不良経験者の4人に1人に登園・登校を嫌がる傾向があった。衣料用洗剤や柔軟剤に含まれる香料の人工化学物質が原因で、識者は「教育現場の早急な対策が求められる」と警鐘を鳴らす。(西田直晃)
◆「下校時には何もかもに臭いが移っている」
「『そんな人はいない』と言われがちだが、実際にわが子は香害で学校に行けなくなった」。20日の衆院議員会館での院内集会で、小学1年の男児を連れた母親は語った。親子ともに身に着けた防毒マスクを外出時に手放せないという。
小中学生の2人の子を持つ40代の母親は「症状として湿疹や鼻血が出るようになった」と説明。「柔軟剤を身にまとう30〜40人の児童が同じ教室で過ごせば、下校時には服や髪、ランドセルなど何もかもに臭いが移っている。子どもが苦しむ声を受け止めてほしい」と語気を強めた。
◆「すでに多くの児童生徒が被害者」
調査は、日本消費者連盟などでつくる「香害をなくす連絡会」と超党派の地方議員による「香害をなくす議員の会」が2024年度に実施した。9都道県の21市区町村で、約8000人の小中学生、約2000人の未就学児が対象。全体の8.3%が柔軟剤などの香料が原因で、腹痛や下痢、吐き気や頭痛、関節痛などの症状が出たとしている。このうち4人に1人が登園や登校を嫌がっていた。
学年が上がるほど体調不良経験者の比率は増し、小中学生の合計は1割を超えた。目立つのは「給食着を何とかしてほしい」という声。児童生徒が共有し、家庭の対策が難しいためだ。
調査に携わった明治大の寺田良一名誉教授(環境社会学)は「体調不良とまではいかなくても、不快に感じている子はさらに多く、す...
残り 778/1555 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
-
ともちゃん 14 時間前
みんなのコメント1件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。