2024年度の大学、短期大学、大学院、高等専門学校の中途退学は2.10%で、前年度より0.07ポイント減少したことが8月22日、文部科学省が発表した調査結果で明らかになった。これら全ての校種の休学者数の割合は、前年度と同じ2.95%だった。中退および休学の主な理由に「経済的困窮」を挙げている割合は、前年度より減少しているものの、依然として1割を超えた。
調査には、全国の国公私立の大学、短大、大学院、高等専門学校の90.4%が回答。中退者の割合を校種別で見ると▽大学 2.00%(前年度比0.04ポイント減)▽短大 3.95%(同増減なし)▽大学院(修士課程・専門職学位課程) 2.38%(同0.22ポイント減)▽大学院(博士課程) 3.40%(同0.09ポイント減)▽高専 2.08%(同0.01ポイント減)――と、短大以外の校種で減少した。
主な中退の理由を見ると▽退学・進路変更など 22.3%(同0.3ポイント増)▽学生生活不適応・修学意欲低下 16.3%(同0.2ポイント減)▽就職・起業など 14.8%(同0.4ポイント増)▽経済的困窮 13.2%(同0.4ポイント減)――などで、前年度と傾向にあまり変化は見られなかった。
休学者の割合を校種別で見ると▽大学 2.70%(同0.01ポイント増)▽短大 2.23%(同0.06ポイント増)▽大学院(修士課程・専門職学位課程) 3.68%(同0.16ポイント減)▽大学院(博士課程) 11.31%(同004ポイント減)▽高専 1.53%(同0.03ポイント増)――で、大学、短大、高専では増加し、大学院は減少した。
主な休学の理由は▽海外留学 13.8%(同0.1ポイント増)▽精神疾患 13.0%(同0.4ポイント増)▽経済的困窮 11.7%(同0.2ポイント減)▽転学・進路変更など 8.5%(同0.4ポイント増)――で、こちらも傾向にあまり変化はみられなかった。
調査では、専門学校にも同様の調査を行っている。全国の国公私立の専門学校の79.8%が回答した。
結果によると、中退者数の割合は6.05%で、前年度と比べ0.39ポイント減少した。主な中退の理由は▽学生生活不適応・修学意欲低下 25.0%(同0.2ポイント減)▽心神耗弱・疾患 12.6%(同0.6ポイント増)▽就業・起業など 12.5%(同0.6ポイント減)▽学力不振 11.7%(同0.5ポイント減)――などだった。
休学者数の割合は1.54%で、前年度と比べ0.05ポイント増加した。主な休学の理由は▽心神耗弱・疾患 30.1%(同1.6ポイント増)▽学生生活不適応・修学意欲低下 16.6%(同2.8ポイント増)▽学力不振 13.2%(同0.4ポイント増)――などだった。
調査結果を踏まえ、文科省では学生への経済的支援の充実とともに、メンタルヘルスの不調や悩みを抱える学生の早期発見に向けて、学内の相談体制整備や有効な情報発信といった支援を大学などに要請していくという。
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専門学校 大学などと同じ高等教育機関の一つで、大学教育と比べると実践的な職業教育が行われている特徴がある。修業年限は2年としている学科が多いが、1年制から4年制まで幅広い学科が存在している。一定の要件を満たせば、卒業後に大学や専門職大学に編入することもできる。