白兎が怪人になるのは間違っているだろうか


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作:白米は正義
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行動開始


私、フィルヴィス・シャリアは受け入れられなかった。

 

私と同じ醜悪な怪人(化け物)になっている彼ら【ヘスティア・ファミリア】が堂々と陽の下に居ることに。

 

そして、彼らに捕らえられ尋問が開始されたことだけは覚えている。

 

何を喋ったかすら覚えていない、それだけ私の精神崩壊(ショック)は大きかった。

 

そんな時だ、私があの声を聞いたのは。

 

『自分の物語ぐらい自分で築いてみせろ』

 

その言葉とともに差し出された手を私は無意識の内に掴んでいた。

 

 

 

 

闇派閥(イヴィルス)側の戦力と思われる妖精(エルフ)怪人(クリーチャー)を寝返らせた。

 

これは反撃の一手に他ならない、だからこそ負ける訳にはいかない。

 

「全く、団長は甘いな」

 

「あぁ、敵を助けるなんてよぉ」

 

二人の厳しい言葉を僕は甘んじて受け入れる。

 

「ですが、これは闇派閥(イヴィルス)殲滅に近付きました」

 

「うん。結果的に問題なし」

 

「今後の動きはどうするのです?」

 

好き勝手に言っている団員達は僕の一言を待っている。

 

「フィルヴィス・シャリアの情報から四柱の神の動きを監視する」

 

「待ってくれ」

 

僕の指示にヘスティア様が止めに来る。

 

「ヘスティア様どうかされたのですか?」

 

「ベル君、デメテルは眷族を人質に取られているとフィルヴィス君が言っていただろ!?」

 

「それが本当に真実であれば神デメテルは監視の対象から外しますが今の状況では憶測だけでは動けません。僕達は神々の考えなんて判りませんから」

 

「・・・・・・うん、そうだね」

 

僕の言葉にヘスティア様はそれを最後に黙ってしまう、神デメテルが都市破壊の一端を担っていることが信じられないのだろう。

 

だが、それは警戒を緩めることはしてはいけない。

 

「役割を伝える」

 

フィルヴィスから得た情報で今後の行動について指示を出す。

 

「神ディオニュソスはフィルヴィスと朔夜、神イシュタルはアイラ、神ニョルズはマナ、神デメテルはシャルロット、ヴァルナは遊撃兵として動いてもらう。僕はヘスティア様の護衛だ」

 

『了解』

 

こうして、僕達【ヘスティア・ファミリア】は動き始める。

 

 

まず最初にすることは・・・。

 

「ベル君、本当に行くのかい?」

 

「はい、情報共有は大事です。一つでも怠れば奴らに足元を掬われます」

 

徹底的、その言葉が今のベルには似合うだろう。

 

「でも、急な訪問だから追い返されても仕方ないからね」

 

「そこは重々承知しているので・・・【ソーマ・ファミリア】の神酒(ソーマ)を手土産に持ってきました」

 

「用意周到!!」

 

眷族(ベル)の手際の良さにヘスティアは感心するのだった。

 

そして、【ロキ・ファミリア】本拠(ホーム)黄昏の館の門前までやってくるとベルが門番に話しかける。

 

「すまない、僕は【ヘスティア・ファミリア】団長のベル・クラネルだ。主神と共に闇派閥(イヴィルス)の件では勇者(ブレイバー)に話をしにきた」

 

「しょ、少々おまちっを!!?」

 

門番の一人が吶りながら来客を伝えるべく本拠(ホーム)へと入っていく。

 

「ほら、門番の子だってガチガチなっちゃってるじゃないか」

 

「それはまぁ・・・」

 

しばらくして、門番が帰ってきた。

 

「どうぞ、お入りください!!」

 

そうして、僕達は【ロキ・ファミリア】の中に飛び込んだ。

 

 

 

【ロキ・ファミリア】本拠(ホーム)黄昏の館

 

神会(デナトゥス)が終わり、自身の本拠(ホーム)に帰ってきたロキはすぐさま全団員を招集し会議を開く。

 

「なるほど、まさか神会(デナトゥス)でそんな事が起こるなんてね・・・」

 

ロキの説明を聞いて最初に口を開いたのは団長であるフィン。

 

主神の口から語られる神会での内容に幹部も含めた全員がざわつく。

 

「そうや、闇派閥(イヴィルス)のクソ共はホンマ胸クソ悪いことしかせん。おそらくやが、七年前より前から着手しとったんかは解らんがな・・・」

 

そう言いながらロキは背もたれに体を預けそう吐き捨てる。

 

「しかし、【ヘスティア・ファミリア】全員が闇派閥(イヴィルス)の被害者か・・・」

 

「辛いだろうが彼らに話を聞くのが最善だが・・・」

 

「下手に突付けば向こうの怒りを買ってしまうからのう」

 

フィンの言葉に副団長のリヴェリアとガレスが言葉を続ける。

 

「ねぇ、どうにかして元に戻すことって出来ないのかな?」

 

そう口を開いたのはティオナ、怪人(クリーチャー)達を人間に戻すことは出来ないのかとそう言った。

 

「ンなもん無理に決まってんだろ、アイツ等は全身が既に魔石無しじゃ生きられなくなってやがる・・・ヘタに希望持たせてどうすんだよ馬鹿ゾネス」

 

「なんだとーー!!」

 

その言葉に反応したのがベートで、非情にも突き放す身も蓋もない言葉を放ちティオナと一触即発になる。

 

その言葉には他の団員達も顔を顰める。

 

「落ち着きなさいバカティオナ!でも、ベートの言っていることは否定できないわよ」

 

「なんでさ!?」

 

それを制するのは姉のティオネ、更にベートの言葉に理解を示す発言にティオナが噛みつく。

 

「考えても見なさいよ、魔石はモンスターの重要器官なんだからそれを埋め込まれて適合したってことは魔石を失えばベル・クラネル達の命は無いのよ」

 

「でもさ、こんなのって無いよ・・・」

 

ティオネの説明を聞いて理解は出来ても納得は出来ないティオナと他の団員達も顔を曇らせる。

 

「お前はどう思う、アイズ」

 

そんな中、リヴェリアが無言を貫く一人の少女に声を掛ける。

 

「許せない、人をモンスターみたいにするなんて・・・!!」

 

普段無表情の彼女も溢れんばかりの怒気を放つ。

 

そんな時だった、門番の任に就いていた団員が駆け込んでくる。

 

「ロキ、団長来客です!!」

 

「こんな時に客〜?誰が来たんや?」

 

来客の知らせにロキが顔を顰めながら問いかける。

 

「【ヘスティア・ファミリア】の神ヘスティアとベル・クラネルです!!」

 

『!?』

 

まさかの神・人物達の来客に全員が驚く。

 

「分かったわ・・・応接に通してくれるか」

 

「はい!!」

 

主神の指示を聞いて門番の眷族は行動を始める。

 

「まさか、向こうから来てくれるとはね」

 

「本来であれば我々が出向くべきなのだがな・・・」

 

「それにしても、急な来訪じゃのう。なにか進展があったのやもしれん」

 

三首領は各々そう言うと、来客であるヘスティアとベル・クラネルへの応対に向かう。

 

「ドチビめ、急すぎるわ。あっ、この話し合いは幹部は全員参加やから」

 

悪態をつきながらも普段より五割増しで真面目な雰囲気を出すロキも応接へと向かうのだった。

 

 

 

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