白兎が怪人になるのは間違っているだろうか


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作:白米は正義
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悪夢の序章


怪物祭(モンスター・フィリア)で起こった騒動は管制組織(ギルド)によって闇派閥(イヴィルス)の残党によるものだと発表された。

 

事態はそれを皮切りにオラリオは戦々恐々としている。

 

その日の夜、管理機関(ギルド)から各有力派閥の招集がかかり【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】【ガネーシャ・ファミリア】【ヘファイストス・ファミリア】、そして僕達【ヘスティア・ファミリア】にも招集がかかった。

 

「都市の一大事だ」

 

そう言葉を発したのはロイマン、アルフィアお義母さんが言うには「管理機関(ギルド)白豚(ブタ)」らしい。

 

「あぁ、事態は理解しているよロイマン」

 

ロイマンの言葉に言葉を返したのは【ロキ・ファミリア】団長のフィン・ディムナ。

 

「一掃したはずの闇派閥(イヴィルス)がまだ息を潜めていたことに驚きを隠せない」

 

「せやなぁ、彼奴等しつこすぎるわ」

 

フィンの言葉に答えるのは主神である神ロキ。

 

「それにしても、今までどうやって活動してたのかしら?」

 

神ロキの後に言葉を続けるのは【フレイヤ・ファミリア】主神・神フレイヤ。

 

「俺がガネーシャだ!!」

 

自身の名を叫ぶ神ガネーシャ。

 

「民衆の子供達も不安がっている、また七年前の凄惨な悲劇が繰り返されるのではないかとな」

 

さっきまでのふざけた雰囲気が消え真面目な姿を見せる神ガネーシャ。

 

いや、そう振る舞えるなら最初からしてもらいたいと内心思ってしまった。

 

「ガネーシャの言う通りね、このまま手をこまねいている暇はないわね」

 

そう神ガネーシャの意見に賛同するのはヘスティア様の神友でもある神ヘファイストス。

 

「・・・・・・」

 

そして、場の空気が重苦しくて何も言えないヘスティア様。

 

「それとなんだが、先の闇派閥(イヴィルス)の一件と連動してあるモンスターが地上に現れた。それは花のようなモンスターでLv.5の打撃ならものともしない耐久力を持つモンスターだ」

 

「それは【ガネーシャ・ファミリア】が祭り用にと連れ出したモンスターではないのか?」

 

ここで口を開いたのは【フレイヤ・ファミリア】首領・オッタル。

 

「いや、そのモンスターについてだが我々【ガネーシャ・ファミリア】も認知していない」

 

「未知のモンスターということか」

 

そのモンスターに関して全員が頭を抱える中、僕も情報という名の爆弾を投下する。

 

「僕からもいいか?」

 

「なんだい、今は情報はいくらあって足りないくらいだからね、教えてくれ」

 

「都市を襲った闇派閥(イヴィルス)の中に()()()()()()()()()()()()

 

『!?』

 

その場にいる全員の空気が凍った。

 

それもそのはずだ、現最強(Lv.9)と渡り合える存在(けつぶつ)など現在のオラリオには存在しない。

 

「それは本当なのかい?」

 

「あぁ、本当だ」

 

フィンは僕が問いに答えると、神ロキに嘘かどうか眼で確認する。

 

答えはYES.

 

それは僕が嘘をついていないという決定付けるものだ。

 

「だが、僕の戦った闇派閥(イヴィルス)は首輪をしていた」

 

「首輪?」

 

僕の言葉にフィンが食いつく。

 

「あぁ、その首輪を嵌めている者だけが渡り合ってきた」

 

「つまり、その首輪が関係しているということか・・・」

 

「そうなってくるな」

 

フィンの言葉に同意する僕。

 

「そんなもん使っとるっちゅうことはそれなりの代償が必要やろ。実際、器以上の力を得るわけやし」

 

神ロキの言葉に全員が同意する。

 

「間違いなく代償は使用者の「命」だろうね」

 

フィンの言葉を聞き神々の機嫌が悪くなる。

 

闇派閥(イヴィルス)の連中、胸糞悪いモン作りよってからに・・・!!」

 

「えぇ、子供の尊厳を何だと思っているのかしら」

 

「許さんぞー!!」

 

「許されないよ、こんなの・・・」

 

この話にヘスティア様は僕の事も加味して怒ってる、本当に優しい神様だな。

 

「これ以上闇派閥(イヴィルス)の好きにはさせない」

 

その意志のもと、会議は一時中断となった。

 

 

 

 

僕達【ヘスティア・ファミリア】は更に混乱を招く火種を抱えてしまっている。

 

それは僕に襲いかかってきた十人の怪人(クリーチャー)

 

しかし、五人の怪人は何らかの負荷が大きかったのか耐えきれずに事切れてしまった。

 

残り五人は今のところ無事ではあるがどうなってしまうかは僕にも解らない。

 

「それにしてもベル君、本当なのかい?彼女達が君と同じ怪人(クリーチャー)だって・・・」

 

「はい、ヘスティア様僕には判るんです。僕と同じ化け物に変えられてしまった人の事が・・・」

 

ヘスティア様の問いに僕は即応で答える。

 

「ふむ、これは強い陰謀を感じるね」

 

「はい、こんな無計画に怪人を増やすということはそれだけの戦力が必要な計画なのでしょうか」

 

僕達が頭を悩ませていると気絶させた五人が目を覚ました。

 

「ここは一体・・・?」「わたしは・・・」「んんっ・・・」

「どこここ・・・?」「オレは・・・」

 

「目が覚めたみたいだな」

 

「「「「「!?」」」」」

 

五人とも僕の声を聞いた瞬間飛び退いた。

 

「お前、誰だ?」

 

「僕の名前はベル・クラネル、【ヘスティア・ファミリア】唯一の眷族」

 

「【ヘスティア・ファミリア】・・・?聞いたことがないな」

 

「えぇ、つい最近出来た派閥だからな」

 

五人の内の一人、狼人(ウェアウルフ)の女性が質問してきてそれを僕が答える。

 

「次は私ね、貴方も私達と同じよね」

 

「えぇ、僕も貴女達と同じ闇派閥(イヴィルス)怪人(ばけもの)に変えられたヒューマンだ」

 

「ならば、何故神の眷属になっているのですか。私達をこんな醜悪な存在に変える一端を担った神に・・・!!」

 

「ヘスティア様は最近このオラリオに来られた女神、闇派閥(イヴィルス)に加担する暇などなかった上に邪神の類との繋がりもない」

 

「なるほど、そうですか」

 

二人目に質問してきたのは白妖精(エルフ)の女性、ヘスティア様のことを誤解しているようなどでそれを解いた。

 

「じゃあ、次はヴァルの番。貴方の目的知りたい」

 

「夢はあるけど・・・、優先すべきは闇派閥(イヴィルス)の殲滅一択だ」

 

「夢、なにそれ?」

 

「子供じみてはいる、それは「英雄」になりたい」

 

「そっか」

 

三人目は犬人(シアンスロープ)の少女。

 

「では、私 からもいいか?」

 

「あぁ、いいぞ」

 

「お前は何故その女神に仕える?」

 

「ヘスティア様は僕が壊れそうな時にすくい上げてくれた女神、だからこそ僕はヘスティア様に忠誠を誓う」

 

「ふむ、そうか」

 

四人目は黒妖精(ダークエルフ)の少女。

 

「最後は私ですわね。貴方は全てが終わった時どうされるのかしら?」

 

「それは全てが終わってから出ないと解らない」

 

「それもそうね・・・」

 

最後の五人目は狐人(ルナール)の女性。

 

「僕は貴女達に問う、()()()()?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

その問いの意味は・・・選択。

 

怯えて世俗を捨て孤独に生きるか、武器を取り尊厳を踏み躙った者共に報いを与えんがために戦うか、の。

 

 

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