白兎が怪人になるのは間違っているだろうか


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作:白米は正義
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増幅する悪意


迷宮都市オラリオの地下深くに存在する悪意の巣窟人造迷宮(クノッソス)、そこでは怪人(クリーチャー)の製造実験場が再建されていた。

 

「ヴァレッタ様、新たに怪人(クリーチャー)を生み出すというのは本当に宜しいのでしょうか?」

 

「今更何言ってやがる、あんな化けもんに対抗出来んのは同じ化けもんしかいねえんだよ」

 

配下の言葉にヴァレッタは威圧を込めてそう言い黙らせる。

 

「さっさとあのガキを始末しねぇといけねぇんだ」

 

そう言いながら試験管に入っている実験体(人間)達に目を向ける。

 

その試験管の中に入っているのは白妖精(エルフ)黒妖精(ダークエルフ)、獣人、小人族(パルゥム)、アマゾネス、ドワーフ、ヒューマンなど種族は違えども共通している物がはめ込まれている。

 

それは拳大の極彩色の魔石である、更に首には黒い首輪が装着されていた。

 

「バルカの奴に創らせた操り人形の首輪(マリオネット・コラー)人形師の指輪(パペッティア・リング)、これであのガキも操り人形にしてやるぜ!!!」

 

興奮しながら高笑いをするヴァレッタ、その姿は醜悪そのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

七年前のオラリオから帰ってきた僕はザルドさんやアルフィアお義母さん、神殺しの怪物との戦闘で摩耗した愛剣(ベーゼ・マーレボルジェ)を手入れして貰うために椿の工房にやってきた。

 

「椿、居るか?」

 

そう言いながら工房の中に入ると其処には精魂尽き果てて倒れている椿の姿があった。

 

「んぉ・・・、おぉベルではないか・・・」

 

「とりあえず胸を隠せ・・・」

 

椿が起き上がろうとすると胸のサラシが解け丸見え(ポロリ)寸前だった。

 

「すまんすまん、ずっと工房(ここ)に籠もりっきりだったのでな」

 

後ろを向いたまま僕が指摘すると椿はそう言いながらサラシを巻き直す。

 

「それで手前に・・・」ぐぅうううううううう・・・。

 

「とりあえず・・・お前は風呂に入ってこい。僕は飯を買ってくる」

 

「重ねて済まんな」

 

そうして、僕と椿は話の前に食事をすることにした。

 

「ふぅ、食った食った」

 

「ごちそうさま」

 

食事も終えてようやく本題に入る。

 

「それでこんな朝早くに如何したのだ?」

 

「あぁ、こいつの手入れを頼みたくてな」

 

そう言って僕は【ベーゼ・マーレボルジェ】を椿に手渡すと、鞘から抜かれると椿が絶叫する。

 

「なんだこれは!?どんな戦いをすればこんなにも摩耗するのだ、これは異常だぞ!!」

 

ボロボロの剣身を見て目を見開かせながら叫ぶ椿にこう言った。

 

「実はある魔導具(マジックアイテム)が原因で七年前のオラリオに行ってきた」

 

「は、何を言っているのだお主?」

 

僕の説明を聞いて椿は頭に疑問符を浮かべる。

 

「信じられないだろうが、事実だ。そして、暴喰と静寂と神殺しの怪物と戦ってきた」

 

「成る程な、暴喰と静寂か。それに神殺しの怪物が相手であれば納得・・・出来るわけなかろう!!過去へ渡った?そこから訳が分からんわ!!詳細を求めるぞ!!」

 

僕の説明に椿は納得できず早口でそう言ってくる。

 

「解ってる、最初から説明するからしっかり聞け」

 

そう言ってくる椿に対して僕は懇切丁寧に説明をした。

 

そうして、椿はなんとか要領得たようで納得もしてくれた。

 

「成る程、再度詳しく聞いても頭が追い付かんな。過去に行ける魔導具(マジックアイテム)なんぞがあるとはな・・・」

 

椿が顎に手を当てて考え込む姿勢を取る。

 

「実際に体験した僕だって夢だったんじゃないかって思っているくらいだからな。摩耗した剣とこれがなければ」

 

「ん?そういえばその皮は何なのだ、ゴライアスの硬皮のように見えるが」

 

「あぁ、これは神殺しの怪物の怪物素材(ドロップアイテム)だ」

 

「なんと、確かに実際に摩耗した剣とその過去で獲たという怪物素材(ドロップアイテム)が手元にあるのであれば信じる他ないな」

 

「あぁ。それでこの巨王の剛皮(かわ)を・・・」

 

「今お主が注文している防具に使えば良いのだな」

 

「あぁ、頼む」

 

「応とも、満足のいく防具に仕上げてみせる!!」

 

そうして、僕は整備に出していた黒双剣を受け取るとあることに気付く。

 

「そう言えばこの双剣の銘はなんだったか」

 

「そう言えば決めておらなんだな、傑作が出来たと心躍っておったからすっかり忘れておったわ」

 

そう言いながら爆笑する椿を半目で見る僕。

 

「銘は持ち主であるベルが名付けるが良かろうて。その方がその双剣も喜ぶであろう」

 

「そうか・・・、それじゃあこの双剣の銘は・・・」

 

《ベーゼ・マーレブランケ》

 

そう名付けた僕は双剣(ベーゼ・マーレブランケ)を背負う。

 

「《ベーゼ・マーレブランケ》か・・・、中々に良い名前を付けたな」

 

「そうか、名前を付けるのなんて初めてだからそう言って貰えるなら安心した」

 

椿の言葉に僕はそう返した。

 

そうして、僕は椿の工房を後にするのだった。

 

 

 

 

工房を出た僕の行き先は決まっていた、それはダンジョン。

 

Lv.9となった僕は感覚のズレを修正するべくダンジョンへと足を運ぶ。

 

二十七階層を進んでいると希少怪物(レア・モンスター)水馬(ケルピー)などのモンスターが数十体の群れが襲ってきた。

 

それを一撃で両断し魔石へと変え回収する。

 

そうして回収し終えると更に下の階層へ降りていく。

 

 

 

 

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