二十五階層の戦いは正に死闘そのもの。
僕が剣で切り裂くも瞬く間に傷が癒えてしまう上に目が光ったと思えば炎がそこから吐き出される。
身震いを起こすだけで地形を変えてしまう。
「あぁ、鬱陶しいなぁ」
そう悪態を付いたところで状況が好転する訳ない為
弱点を探るべく攻撃の手を緩めることなく攻めたてていく。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
すると、突然モンスターは雄叫びにも似た叫び声を上げた。
その瞬間、ダンジョンの壁からモンスター達が出現してくる。
「チィッ!!」
舌打ちしたところでどうこうなるわけでもないのは解って入るもののしたくもなる状況だ。
襲いかかってくるモンスターに集中すれば神殺しが一撃を見舞い、神殺しに集中すれば他のモンスターが隙間を塗って襲ってくる。
しかし、この状況に対して僕はある意味好機ではないのかと考えた。
そう思ったら行動あるのみと僕はブルークラブ数体を魔石に変え喰らう。
すると、少しばかりではあるが体力が回復したような感覚があった。
これならば長期戦になろうとも戦えるような気がしなくもないが・・・、魔法を使うことにした。
『幾ら喰らえどもこの
僕は
平行詠唱、それは魔導士であればなんとしてでも身に付けておきたい技能である。
それは魔法使用の際に動きを止めてしまう魔導士はそれこそ格好の的になってしまうからだ。
しかし、平行詠唱は魔導士の
軽減できるだけであって無くなることはなくむしろ高くなっている可能性すらある。
何故なら、詠唱と同時に移動、モンスターへの対処など守られていた頃よりも思考を一つ二ついや三つ増やさなくてはならないからだ。
だからこそ、平行詠唱は熟練の魔導士でも身に付けている者はそう多くはない。
しかし、多対一のこの状況で
しかも、神殺しという規格外の化け物の前でだ。
普通であればイカレていると誹りを受けるだろうが、そんなことはどうでも良かった。
だから、失敗したとしても何度でもやってやる!!
『既にこの身は穢され
救恤
いすら
そう、僕はこれからも全てを喰らう。
『暴悪に喰らい尽くす原罪の一角たる暴喰の
【グラトニー・サーベラス】
その瞬間、僕は身体と剣に燃え盛る
神殺しまでの進路を塞ぐモンスターを一撃で屠り魔石は捕食していき力の向上を図る。
すると、神殺しの左腕が膨張したと思ったらそのまま振り下ろしてくる。
僕はすぐさま後ろに跳び回避しようとしたが振り下ろされたその一撃は周囲を吹き飛ばす衝撃と轟音が
「ぐぁっ!?」
それと同時に砕けた地面の一部や巻き込まれたモンスターが衝撃によって飛んでくる。
「邪魔だぁっ!!」
そう叫びながら僕は衝撃に耐え飛んでくるモンスターは斬り捨て、瓦礫は躱していくことで前へと進んでいく。
すると、神殺しが追撃と言わんばかりに目から炎を吐き出してくる。
「ぐぅあああああああっ!!?」
その炎が右腕に被弾し、苦痛に僕は叫んでしまう。
その様子を見て神殺しはニタリと気持ち悪い笑みを浮かべているのが視界に入ると怒りがこみ上げてくる。
「クソッタレがぁああああああああああああああああああっ!!」
それは神殺しに対してではなく自分自身に対してである。
僕は
「僕は・・・"英雄"になりたい・・・。僕を信じてくれる人達のために、想いを果たすために・・・。だから、お前らの命を喰らい尽くす!!」
そう言い切った瞬間、ある変化が起こる。
背中に刻まれた
すると、ただ纏うだけだった炎雷は集束されまるで鎧のように纏まってみせ、剣には刃に集束され炎雷によって剣身が延長され大剣の様になる。
そして、共鳴するかのように
「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
その光景を目にした神殺しは吠えた、目の前に居る危険を滅ぼすために
神殺しの咆哮に従って襲いかかる無数のモンスターに対して僕は一撃を振るった。
その瞬烈の剛閃はによって迫り来る無数のモンスターは灰と化し魔石に姿を変えた。
「!!!?」
神殺しは目の前で起こった光景に明らかな動揺を見せる。
自分は神を殺すために産まれたはずなのに目の前にいる小さき存在に臆してしまっていると言う事実を受け止めきれていないのかそれとも、純粋に目の前の小さき存在に恐怖しているか・・・。
そのどちらかはどうでもいい、しかし神殺しの取った行動が逃亡だった。
「逃げられると思うなよ」
その一言と共に駆け出し逃げ出した神殺しを背後から蹴り飛ばすとそのまま
しかし、流石は神殺しというべきだろう。
滝壺に叩き付けられた程度では魔石に変わることはなかった。
「生きていたか・・・、じゃあ喰われて死ね」
その言葉と共に僕は神殺しの懐に飛び込むと、剣で腹へ突き刺し下から上へと斬り上げた。
「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・ッ!!」
最期道連れにしよう拳を振り下ろしてきたが手首から両断してそれを防いだ。
それを最期に神殺しは灰と化し魔石
「いただきます」
神殺しの魔石は補給のために喰らい、
もう一つの眷族の物語は終わりを告げ、そして上階の戦いも終わりを迎えることとなった。
「終わったんだね、ザルドさんアルフィアお義母さん・・・」
その言葉と共に僕の目から涙が溢れてくる。
過去であったとしても愛する家族が死ぬことになるのは悲しい。
だからこそ、僕は誓いを守る。
そう考えていると、僕の身体が光に包まれ始める。
どうやら僕が介入を許されているのはここまでらしい。
「ザルドさん、アルフィアお義母さん僕は絶対に"英雄"になるから見守っていて下さい」
その言葉を最後に僕の意識は遠のいていくのだった。
意識を取り戻すと、僕は
つまり、僕はさっきまで夢を見ていた・・・?
いやでも、アルフィアお義母さんの魔法やザルドさんの大剣の一撃、神殺しの攻撃を受けてたときの痛みは本物だった。
それが夢だと言い切れるのか、あれは間違いなく現実のハズ・・・。
「ただいま~、あっベル君今日は帰りが早かったんだね」
「お帰りなさい、ヘスティア様。はい、今日は早めに切り上げてきたんです」
バイトから帰ってきたヘスティア様の問いに答えると、あることに気付く。
それは
これを身に付けていると言うことはあれは現実だったという証拠だ。
「ヘスティア様、【ステイタス】の更新をお願いしても良いですか」
「いいぜ、とは言っても君のことだからいきなりバカ高い数字を叩き出すのは目に見えてるから少しは安心して見られるよ」
そう言った話をしながら僕は【ステイタス】を更新して貰う。
その結果・・・。
ベル・クラネル
Lv.8
力I0→SSS20796 耐久I0→SSS21804 器用I0→SSS18696 敏捷I0→SSS18696 魔力I0→SSS10039
幸運EX 怪人EX
【
・
・
・
・
【
・
・
・
【
・
・
【
・超早熟する
・
・
【
・
・
・
・
・
【グラトニー・サーベラス】
・
・炎属性・雷属性
・
・
・
・
・詠唱式『幾ら喰らえどもこの
【アウレー・エウアンゲリオン】
・回復魔法
・詠唱式『奏でられるは堅琴の音色』『その音色は優しき魂の平穏へと導く静寂の園へと通ずる』『静寂の園で響き渡るは聖鐘楼の福音』『
「って、何でもう
「実は・・・」
流石に僕も
そして、ヘスティア様の質問に正直に話した。
「まさか、ベル君がゼウスとヘラの眷族の隠し子だったなんてね・・・」
「それをアルフィアお義母さんから聞かされたときは穏当に驚きました。でも良かったです」
「お爺ちゃんしか居ないと思っていた僕の家族はまだ居るんだって知れたんですから」
「そっか」
僕の言葉にヘスティア様は優しい笑みを浮かべながらそう言ってくる。
「それでヘスティア様
「あぁ、うん解ったよ」
そう言って僕はヘスティア様に【ステイタス】を更新もとい
ベル・クラネル
Lv.9
力I0 耐久I0 器用I0 敏捷I0 魔力I0
幸運EX 怪人EX
【
・
・
・
・
【
・
・
・
【
・
・
・
【
・超早熟する
・
・
【
・
・
・
・
・
【
・
【
・
・
【
・
・
【グラト二―・サーベラス】
・
・炎属性・雷属性
・
・
・
・
・
・
・詠唱式『幾ら喰らえどもこの
【アウレー・エウアンゲリオン】
・回復魔法
・解毒魔法
・解病魔法
・詠唱式『奏でられるは堅琴の音色』『その音色は優しき魂の平穏へと導く静寂の園へと通ずる』『静寂の園で響き渡るは聖鐘楼の福音』『
「なんだいこれは・・・」
僕の【ステイタス】を見てヘスティア様はドン引きしていた。
「そうですね、既に発現しているスキルや魔法に効果が追加されるとは思いませんでしたよ」
そう、言葉通り既存のスキルや魔法に効果が追加されていたのだ。
それに関しては心当たりがある、それはザルドさんとアルフィアお義母さんが関係していることは確かだ。
恐らく二人の血肉を食べた結果が効果が追加されたと考えた方が妥当だ。
しかし、こんな事なら魔法が発現したときから一緒に有ってくれたら二人のことを助けられたかも知れないのに・・・。
どうしてもそんなたらればを考えてしまう。
それは命を賭して壁として立ち塞がった二人への侮辱だと解ってはいるけれどもそう思わざることを禁じ得ない。
「もっと強くならないと・・・」
そう呟くと、ヘスティア様が僕の頬に触れてこう言ってくる。
「君の気持ちは解るんだけどね、焦りは禁物だよ。それに失いたくない気持ちはボクだって一緒だよ」
「ヘスティア様・・・」
ヘスティア様の言葉に僕は心が少し軽くなったような気がした。
「さて、今日はもう休もう。君には少し休息が必要だ」
「・・・はい」
そうして、僕とヘスティア様は食事と入浴を済ませ眠りにつくのだった。