幾度目かの剣戟の最中、周囲から猛り声が聞こえてくる。
「やっと来たか、冒険者」
「遅い、遅すぎる。事態が佳境を迎えるにも拘わらず何をしていたというのだ・・・」
ザルドさんとアルフィアお義母さんが呆れた声でそう言った。
そう、他の場所で戦闘をしていた冒険者達が徐々にこの場に集まってきていた。
更に
「まぁ、現状に胡座を掻いていた奴らはどうとでもなる」
「あぁ、問題はあの子だ」
ザルドさんの言葉にアルフィアお義母さんが答える。
「まだまだぁっ!!」
そう叫びながらも剣を握り振るう一撃をザルドさんの大剣が防ぐと同時に轟音と衝撃が走る。
そして、それと共に間髪入れずにアルフィアお義母さんの蹴りが放たれ、僕の脇腹に刺さる。
「ぐぷっ!?」
Lv.では僕が上でも対人戦闘の経験では二人の方が格上、徐々に押し込まれていく。
「どうした、俺達を止めると言っていた割には勢いが無くなったぞ」
「最初から出来もしないことを口にするな。もうお前の奏でる
そう言うとアルフィアお義母さんが詠唱を始めようとしたとき、吐血した。
それも血の塊としてだ。
その光景を見た僕は思わず身体が固まってしまった。
「アルフィア、今はここまでだ。俺の身体も限界のようだ」
「ザルド・・・、退くとしよう」
「待って!!」
【
その言葉を最後にアルフィアお義母さんが地面に魔法を打ち込み土煙と共に姿を眩ませたのだった。
「くそっ!!」
悪態をつきながら僕はこの場を他の冒険者に押し付けて身体を休めるために移動するのだった。
そうして、足を休めるために訪れたのはヘスティア様と出会った廃教会ではなく用水路の中だった。
そこで僕は腰を下ろし休息を取るのだった。
「アルフィアお義母さん、大丈夫かな・・・?」
休息を取りながら考えることはアルフィアお義母さんのことだった。
吐血するにしたってあの量は異常だ。
身体を壊していることは確定として原因は何だろう。
そこで僕はあることを頭に過らせた。
それは先天性の死病という言葉だった。
僕の実母がその死病で死んでしまったけど、あり得なくはない。
「アルフィアお義母さんもその死病に罹っている・・・?」
もしそうだとすれば、いままでどうやって生き延びられたんだ?
神々の恩恵の力なのか、それとも・・・。
「病の症状を緩和させる方法があるか・・・」
そう考えるのが妥当だと判断した僕は少しでも身体を休めるために眠りにつくのだった。
「ゴホッ・・・ゴホッ・・・カハッ・・・!!」
思わぬ限界を超えた戦闘時間により病の進行が進み発作が激しい。
何度も口から血の塊を吐いた、もう鉄の味しかせん。
私いや、私とザルドには時間が無い。
しかし、まさか
しかも【ゼウス・ファミリア】団長の
いや、経験での話であれば
あの子の口から
エレボスがそのような指示を出すとは思えんしな。
あぁ、もどかしい!!七年後の
私の大切な実妹の忘れ形見を穢したからには相応の報いをくれてやろう。
そんなことを考えているとザルドがやってくる。
「アルフィア、身体はまだ動けるか?」
「今は難しいだろうが最終決戦までには回復させる」
「そうか」
そう言ってザルドは椅子に身体を預けるように座る。
「ザルド、お前から感じた
「それは構わんが・・・急に如何した?」
「・・・・・・只の気紛れだ」
「そうか」
私の言葉にザルドはあの子のことを話し始めた。
「まずはそうだな、『家族』というものに餓えていることだな」
「そうか、やはりな・・・」
そう、その事に関しては私も感づいてはいた。
私達が死も厭わないと宣言した時、あの子は拒絶した。
ハッキリと私達のことを『家族』と呼んでいた。
「二つ目は英雄への憧憬」
「これに関しては
「あぁ、俺もそう思う。全くあの爺は何を考えているのやら」
「よせ、今更あの狒々爺の好々爺のことで悩んでいても仕方が無い」
「そうだな」
本当にあの糞爺はこんな時でさえも私達をかき回すのだな。
「三つ目が強さへの渇望」
「何?」
「これに関して俺は黒き終末に向けての物だと考えているんだが・・・、アルフィアお前の考えはどうだ?」
「そうだな、私は・・・」
そうして、ザルドと共にベルのことを話している内に夜が明けるのだった。