白兎が怪人になるのは間違っているだろうか


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作:白米は正義
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独白


「なんだこれは・・・?」

 

轟音(おと)と衝撃が止んだと思えば炎雷の柱が天へと昇った。

 

そして、各派閥の冒険者達と共に柱の中心部に着くとそこにはあり得ない光景が広がっていた。

 

かつての最強(ゼウスとヘラ)の眷族と炎雷を纏う一人の少年が対峙している姿だった。

 

【ゼウス・ファミリア】"暴喰"のザルド

 

【ヘラ・ファミリア】"静寂"のアルフィア

 

かつての最強(ゼウスとヘラ)の中でも上位に君臨する実力者が闇派閥(イヴィルス)に所属していることに驚きを隠せなかったが、それよりもその二人を相手に一人の少年が戦えている事の方が大きかった。

 

すると、死角から闇派閥(イヴィルス)の集団が少年を害そうと矢を射かけようとしている動きを見せている。

 

「全冒険者に告ぐ、あの白髪の少年を援護しろ!!闇派閥(イヴィルス)に邪魔をさせるな!!」

 

咄嗟に叫んだ指示に対して冒険者達は闇派閥(イヴィルス)から少年を守るように戦いを展開する。

 

 

本来であるならばかつての最強(ゼウスとヘラ)と対峙するのは因縁深いロキとフレイヤ(僕達)のハズなのに・・・、超えなければいけないはずなのにそれが出来なかった。

 

その時、フィン()いやディムナ()の胸中はとても穏やかとは言っていられなかった。

 

そう、怒りに満ち満ちていた。

 

ザルドとアルフィア、第一級冒険者二人を相手に折れること無く戦いを挑み食らいついていく少年のあの姿を見て憧憬を抱いてしまった自分に対してだ!!

 

「くそっ、くそっ・・・!!」

 

そんな感情は捨てたはずだろう、あの時に・・・!!

 

何を今更縋ろうとしているんだ!!

 

「畜生・・・!!」

 

激しい戦闘の轟音(おと)によって掻き消されていることに安堵しながらも忸怩たる思いを胸に抱きながら目の前の敵を討つのだった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

滑稽、まず最初に今の俺に対する浮かんだ言葉がそうだった。

 

雑兵を片付ける中でかつての最強(ゼウスとヘラ)を相手に刃を交えている兎とも思える少年を見やる。

 

まるであの場所に俺の立つ場所は無いと言わんばかりに近くとも遠く感じてしまっている、

 

ギリッ!!

 

本来であればゼウスとの因縁を断ち切らねばならないのは俺だ、俺なんだ!!

 

しかし、運命はそれを許さずあの子供に一任させる。

 

なんたる脆弱!!なんたる惰弱!!

 

こんな所で俺は止まるわけにはいかない!!

 

俺が浴びるは敗北と屈辱の『泥』ばかりだ。

 

だからこそ俺は浴びてきた『泥』を全て『礎』に変える!!

 

『超克の礎』に変えてのける!!

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