白兎が怪人になるのは間違っているだろうか


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作:白米は正義
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悲しき邂逅


戦火に包まれるオラリオに目の前に居る謎の女性、僕の頭は理解が追い付けていない。

 

「小僧、お前のその顔いやその()か・・・何故だか解らんが無性にくり抜きたくなってくる」

 

「!?」

 

女性の衝撃かつ過激な発言に対して強い警戒心を抱いた。

 

「小僧、貴様の名前は何だ?」

 

「・・・ベル・クラネル」

 

女性の急な質問に疑問を抱きながら僕は名前を名乗った。

 

「なんだと?いや、まさかそんな・・・」

 

僕の名前を聞いた途端女性は驚きの表情を浮かべた後、眉間に皺を寄せ何やら呟きながら考え込み始める。

 

すると、女性の後ろから一本の大剣を携え黒い全身鎧(フルプレート)を纏う大男が現れる。

 

「アルフィア、何をしている?エレボスが動いた、俺達も動くぞ」

 

「ザルド、あの子供を見てみろ。『悪食』を極めたお前であれば見極めれるだろう」

 

アルフィアと呼ばれた女性は後からやってきたザルドと呼ばれる大男にそう言った。

 

「あの子供がなんだと・・・・・・ !?」

 

ザルドと呼ばれる大男が僕のことを視界に捉えた瞬間驚いた表情をする。

 

「何故、あの子供からあのバカとメーテリアの『空気(香り)』と『状態()』がするだと・・・・・・!?」

 

ザルドと呼ばれる大男が言い放った言葉に理解が出来なかった。

 

だが、アルフィアと呼ばれた女性はやはりそうかと納得した様子を見せていた。

 

「いや、待ておかしいぞ。何故、あの子供からモンスターの『空気(香り)』と『状態()』がするんだ!?」

 

「「!!?」」

 

心底驚いてしまった、あのザルドという大男は見ただけで僕の本質を見抜いたのだった。

 

「・・・・・・おい、ザルドそれは・・・どういう・・・意味だ・・・?返答・・・次第・・・では容赦はせんぞ」

 

ザルドと呼ばれる大男の言葉に対してアルフィアと呼ばれた女性の空気を一変させる。

 

しかし、声音は少し震えていたような気もする。

 

「残念だが言葉通りだ、アルフィア。あの子供にはあのバカとメーテリアの『空気(香り)』と『状態()』と共にモンスターの『空気(香り)』と『状態()』がするのは紛れもない事実だ・・・」

 

ザルドと呼ばれる大男の言葉を聞き終えたアルフィアと呼ばれる女性は僕の方にへと振り向き、たった一言。

 

福音(ゴスペル)

 

一言、たった一言。

 

その一言によって轟音と衝撃に襲われた。

 

謎の攻撃を受けた僕は吹き飛ばされ地面に叩き付けられた。

 

「グハッ!?」

 

「メーテリアの子に、あの子の忘れ形見に何故モンスターが混ざっているのだ!?あの狒々爺の好々爺は何をしている!!」

 

激高するアルフィアと呼ばれる女性は誰かに怒りを向けていた。

 

「おい、小僧お前祖父はどうした?」

 

そう言ってくるアルフィアと呼ばれる女性に対して疑問に思いながらも答える。

 

「お爺ちゃんなら僕が14歳の誕生日の当日にモンスターに襲われて一緒に崖から転落死したと村長から聞いた。それがどうした?」

 

僕がそう言うと、アルフィアと呼ばれる女性はこう言ってくる。

 

「バカめ、あのエロジジイがその程度でくたばっているならとっくに天界に送還されている」

 

「天界に送還?」

 

何を言っているんだと思っていると、ザルドと呼ばれる大男もこう言ってくる。

 

「確かにな、意外にもあの神は存外しぶとい」

 

「え?」

 

アルフィアとザルドと呼ばれる二人の言葉が衝撃的すぎて呆けた声が出てしまうと同時にザルドと呼ばれる大男の発した言葉を口にしていた。

 

「あの、お爺ちゃんが神ってどういう事ですか?」

 

「なんだ、あの好々爺から聞かされていなかったのか。お前の祖父は本当の祖父では無く神の一柱(ひとり)でゼウスと言う名前だ」

 

「・・・・・・・・・」

 

嘘だと思いたかった、お爺ちゃんが本当のお爺ちゃんじゃないなんて・・・。

 

でも、それは真実であると現実が突きつけてくる。

 

突如として知らされた己自身の出生の真実を受け止めることは出来なかった。

 

「それじゃあ、お爺ちゃん・・・神ゼウスのことを知っている貴女たちは一体誰なんですか?」

 

「俺の名はザルド、元【ゼウス・ファミリア】所属の冒険者だった」

 

「私はアルフィア、元【ヘラ・ファミリア】に所属していた冒険者でお前の母親の実姉だ」

 

それを聞いて僕はゆっくりと身体を起こしながら問いかける。

 

「それじゃあ、僕の両親は・・・?」

 

「死んだ。父親の方は知らんが母親のメーテリアは先天性死病を患っていてそれの悪化によるものだ」

 

「そうですか・・・」

 

僕の両親はもうこの世界には居ない。

 

それを聞いてうつむいているとアルフィアさんがこう言ってくる。

 

「ベル、さっきお前は十四歳と言ったな」

 

「はい、そうです」

 

「私が知っている限りのベルの今の歳は七歳だったはずだ」

 

「え?」

 

「なに?それは本当か、アルフィア!?」

 

アルフィアさんの言葉に僕とザルドさんが驚きの声を出す。

 

「つまり、この場にいるベルは今から七年後のベル・クラネルと言うことになるな」

 

「嘘・・・」

 

「なんとまぁ・・・」

 

断言するアルフィアさんに僕は思考が追い付いていなかった。

 

すると、アルフィアさんがこんな事を言ってくる。

 

「ベル、私のことはお義母さんと呼べ。お前の選択権は無い」

 

「・・・はい」

 

何故だろう、アルフィアお義母さんに逆らってはいけないというのを感じてしまう。

 

そんなことを思っていると、ザルドさんから同情の眼差しを向けられたのだった。

 

すると、アルフィアお義母さんがある質問をしてくる。

 

「ベル、何故お前にモンスターが混じっているのかを答えろ」

 

「はい」

 

アルフィアお義母さんの有無言わせぬ言葉に僕は一言一句偽りなく話した。

 

質問に答えるごとにアルフィアお義母さんの機嫌が悪くなっていくのが手に取るように解った。

 

「そうか、よく分かったよ」

 

「あぁ、そうだなアルフィア」

 

「?」

 

僕には二人が何を言っているのか解らなかった、次に発せられる言葉を聞くまでは・・・。

 

「やはり終わらせるしかないようだな、この『神時代』を」

 

「そして、『英雄の時代』へ逆行する!」

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