三十階層では二体の未知のモンスターと僕が静かに睨み合う。
そして、最初に我慢の限界が来たのは三つ首の巨獣だった。
左前足を振り上げ押し潰そうと振り下ろしてくる。
それが戦いの合図となり、僕は迫ってくる左前足を一刀両断し巨獣の機動力を奪う。
「グギャァアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」
この一撃で終わると思っていた巨獣は思わぬ反撃に悲鳴を上げる。
それとはお構いなしに肉食恐竜が尻尾を横薙ぎに振るってくるのを後ろに跳び躱した。
すると、痛みに慣れた巨獣の額の赤い珠が輝く。
それを見た僕は背筋が寒くなる感覚に襲われた。
その瞬間、巨獣の真ん中の口が開くと炎が吐き出されてくる。
それに対して僕はその炎の中に飛び込んだ。
それには理由がある、それは二つ。
つまり、戦いが長引けば長引くほどに無制限に強くなるのだ。
そうして、僕は炎による新たな傷を負い【ステイタス】を激上させる。
「死ね」
端的に発した言葉と共に三本まとめて断ち切るために双剣を振るうも巨獣の反応が勝ったようで浅く切り込みを入れる程度にしか当たらなかった。
「チッ!!」
それに対して悪態をついている僕。
「グルゥオオオオオオオオオオオオオッ!!」
そこへ巨獣の咆哮が響き渡ると同時に噛み砕こうと真ん中の首が大口を開いて襲いかかってくる。
「煩い、黙ってろ!!」
そう言って左の剣で牙を受け止め、返す踏鞴に右の剣で上顎を切り落とす。
「グギャァアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」
思わぬ反撃に悲鳴を上げる真ん中の首に構うこと無く左右の首が僕に襲いかかって来る。
「チィイイッ!!」
更に背後から肉食恐竜が大口を開いて襲いかかってくる。
更に巨獣の左右の首の額にある宝玉が同時に輝きを放つ。
それに対して僕に焦りは無かった。
何故なら、便利な肉壁があるから。
そうして、僕は体制を低くして肉食恐竜の懐に飛び込んだ。
目標を見失った肉食恐竜はそのままの勢いで巨獣に突っ込んでしまうと共に左右の首から放たれた風と雷の攻撃をまともに食らってしまう。
巨獣の方も肉食恐竜の牙が自分に食い込み悲鳴を上げる。
『グルゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』
『グギュリュリィアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』
更に肉食恐竜の牙が深く食い込んでいるのか中々離れることが出来ないようだ。
攻撃を受けた肉食恐竜の肉体は風で切り刻まれ、雷によって焦げた匂いが鼻につく。
「臭い」
そう言いながらも現状を好機とみて仕掛けようとした時、肉食恐竜の黒い鱗が輝き始める。
それを見ると背筋が凍る感覚に襲われた瞬間、僕の身体は動き出していた。
しかし、それよりも早く鱗に蓄積されていた光が解き放たれた。
「くそっ!!グハッ!?」
解き放たれた光は全方位に散弾のように放ち、僕も打ち落とそうと双剣を振るうが数が多すぎた。
散弾のように飛んでくる光が身体を焼いてくる。
「がぁあああ・・・」
身体に走る激痛に思わず膝を付きそうになるが、それだけは御免被る。
「これで・・・決めてやる・・・!!」
そう言いながら二体のモンスターを睨み付け走り出した。
「一気に片付けるには喰らうのみ」
ぼそっと呟いた僕は肉食恐竜と巨獣の肉を喰い千切り飲み込んだ。
その瞬間、【ステイタス】が激上する感覚を感じながら二体を軽く飛び越えた高さまで跳んだ。
そして、僕は双剣に炎雷を纏わせて振るう。
その瞬間、二体のモンスターから魔石と
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・」
息絶え絶えになりながらもゆっくりと魔石の前に立った。
そして、二体のモンスターの魔石を完食し【ステイタス】が上昇するのを感じた。
そして、