「34歳、高齢初女ですみません」交際が進展しないワケは「開通困難」。いい子で育ったアラサーの険しい婚活【専門家解説】
止まらない少子化を食い止めるには現役世代の晩婚化・非婚化対策が必要だというが、男女が出会って結婚に至るまでの道のりは、人によっては険しいもので、口で言うほど簡単ではない。 こども家庭庁の調査によると、調査対象となった未婚者のうち64.1%が「婚活を通じての結婚でもよい」と、45.6%が「自然に知り合う恋愛や結婚でないと嫌だ」と回答したという。 「今や婚活は当たり前となりましたが、自然に知り合うことができにくい人から支持を得ているマッチングアプリにも心配な点があります」 こう話すのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。 「国民生活センターによれば、2024年に出会い系サイトに関してPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された相談件数は4381件に上ったとされます。 結婚相手と出会いたいという切迫した気持ちにつけ込んだ遊び目的・詐欺目的の人間などには、十分な注意が必要です」 今回取材に応えてくださったのは、会社員・Yさん。結婚相談所でのお見合いがうまく行かず、婚活の主戦場を「アプリ」に移したものの、ことごとくうまく行かず悩んだという経験を持つ30代の女性だ。 Yさんは、初潮を迎える少し前、厳格な母から「初潮は、女性の体が赤ちゃんを産む準備を始めたことのサインだ。今後は自分の行動に責任を持たなければならない」ときつく教え込まれた。 平塚氏はこう続けた。 「Yさんの母親は現代人にしては古風な考えを持っており、結婚してからとは言わないが、結婚してもいいと思える人とでないと、性交渉を持つべきではないと常に厳しく言いつけたそうです。 Yさんは母親を恐れており、その言いつけを守ることで母を怒らせないようにする習慣ができていました。『母という存在は、私が自分の判断で物事を決められなくなった大きな理由』とYさんは話しています」 男性は隙あらばそのような関係に持ち込もうとするものであり、十分に気をつけないと騙されたり病気を移されたりするという母の脅しが頭から離れず、これまでに交際したどの男性とも肉体関係を持たなかったYさん。 しかし、30歳を過ぎても結婚の気配を見せない娘に対して母親は態度を豹変させ、「いい年をして選り好みしている場合じゃない。孫が産めなくなる」と婚活を促し始めたという。 Yさんは結婚相談所でお見合いをしたがうまく行かず、高い会費がバカらしくなってアプリで婚活を始めることに。平塚氏は、その後のYさんの失敗についてこう説明する。 「マッチングアプリはルールが厳しい結婚相談所とは異なり、実際に会うと体の関係を求めてくる男性が多いことにYさんは動揺。しかし、体の相性を知らずに結婚することはハイリスクだと相手に諭され、経験ゼロの状態で男性と行為することを決めます。 ところが、初めてのYさんは身が切られるほどの激痛を覚えて最後まで至れず、さらにその後も、別の3人の相手と同じ失敗を繰り返したといいます」 Yさんはこう述べた。 「母の言いつけを長いこと守ってきたあげく、男性を受け入れづらい体になり、どの人とも未遂のワンナイトで終わってしまいました。身をよじって痛い痛いと叫ぶ私に『その年までしたことがないなんて、事故物件だと思われちゃうよ』と言う人までいたんです。 こんなこともできなくてすみませんという気持ちと、仮に結婚できても出産なんてできるのかなという不安から、すっかり自信をなくしてしまいましたね」 【関連記事】「無理にしなくていい、結婚しましょう」34歳高齢初女の前に突如現れた「白馬の王子」の正体とは。 では、失意の中にあったYさんが、街コンでちょっと変わった男性と出会い、思わぬロマンスに発展したエピソードを詳報している。 【取材協力】平塚俊樹:危機管理コンサルタント【聞き手・文・編集】佐原みすず PHOTO:Getty Images【出典】こども家庭庁:令和6年度「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」 独立行政法人国民生活センター:出会い系サイト