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山手線のモバイルバッテリー発火事故、原因は「セル内部の短絡」も直接要因は特定できず cheeroの調査報告

» 2025年08月21日 11時27分 公開
[ITmedia]

 「cheero」(チーロ)ブランドでモバイルバッテリーを販売するティ・アール・エイ(大阪市)は8月21日、JR山手線で7月20日に発生した同社製のモバイルバッテリー「cheero Flat 10000mAh」の発火事案について、原因は「セル内部の短絡(ショート)」だったと発表した。外部専門家を交えて調査を行った結果、充放電を制御する基板には異常がなく、燃焼はセルのみで確認されたという。

photo ティ・アール・エイの発表より引用

 ティ・アール・エイは、「セルが発火に至った直接要因は特定できていない」としつつ、高温環境での使用・保管による熱暴走や、製造過程での異物混入、圧迫や曲げ、落下などの衝撃による物理的損傷が考えられるとしている。

 同社は2019年12月から21年8月にかけて、cheero Flat 10000mAhを計3万9300台販売。当該事故の発生時点で、すでに16件の発火事故が確認されており、23年からリコール対象となっている。山手線車内の事故では乗客5人がけがを負い、7月24日に同社が自社製品であることを認めて謝罪していた。

 発表によると、このモバイルバッテリーは当時需要が高まっていた急速充電規格「Power Delivery(PD)」の対応製品として、中国のShenzhen Blue Times Technologyから仕入れて販売していた。現在同社が販売している他のモバイルバッテリー製品は全て別の委託先で製造したもので、「安全性に問題がないことを確認している」としている。

photo リコール対象となっている「cheero Flat 10000mAh」(型番とカラー一覧)

 同社は「モバイルバッテリーは熱のこもりやすいポーチや袋に収納せず、通気性のある環境で使ってほしい」と注意を呼び掛けた上で、リコール対象品を持っている場合は使用を控え、窓口から連絡するよう呼び掛けている。

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