遠征の準備を整えて僕はダンジョンへ向かっている途中背後に気配を感じ取り振り向き様に跳んで距離を取る。
すると、そこには緑と白の給仕服を着た鈍色の髪の少女が立っていた。
「ごめんなさい、驚かせちゃいましたね」
「いえ、こちらこそすみません」
そう言って来る少女に対して謝罪すると、少女は自己紹介をしてくる。
「私はシル・フローヴァです、この『豊穣の女主人』で給仕をしています」
「これはどうもご丁寧に…、僕はベル・クラネルといいます。【ヘスティア・ファミリア】所属の冒険者です。それで何か御用ですか?」
互いに自己紹介を済ませると、僕はシルさんに話しかけて来た訳を聞く。
「それはですね、少しでもダンジョンで疲弊している冒険者さんの為にですね英気を養ってもらおうと思ってお店への客引きをしているんです」
「そうでしたか、後ろから話しかけるのは止めた方がいいですよ。襲撃者と勘違いされてたら大変な事になりますよ」
「そうですね、以後気を付けますね」
そう言ってからうふふと笑うシルさんに僕は大丈夫かと思った。
すると、店の方から怒声が聞こえて来る。
「シル、いつまでくっちゃべってるつもりだい!!」
その言葉を聞いてシルさんは店に戻りながらこう言って来る。
「それじゃあ、ベルさんもいらして下さいね!!」
そう言ってシルさんは店の中にへと入って行きその姿を見届けた後、ダンジョンに向かうのだった。
ダンジョンへと潜り、五階層まで降りて来ると目の前に上層では見る事の無いモンスターが現れる。
「ミノタウロスがなんでここに…?」
「ヴモォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
疑問に思っているとミノタウロスは
「ヴヴォッ!?」
あり得ない光景にミノタウロスは呻き声を上げるが、僕が間髪入れずに下顎を蹴り砕くと魔石と
「なんで
「あの…」
その疑問に頭を巡らせていると、後ろから声を掛けられて振り返るとそこには金髪金目の少女が立っていた。
「何か用ですか」
「この辺でミノタウロスを見ませんでしたか?」
「それなら倒しましたよ、はい魔石と
「!! ごめんなさい」
少女の問いに対して答えると、いきなり謝罪をされた。
「なんであなたが謝るんですか?」
「そのミノタウロスは私達が逃がしてしまったから…」
「そう言う事ですか」
突然の謝罪に驚いた僕の問いに少女の答えを聞き納得をする。
「まぁ、僕には実害が無かったので別に構いませんよ」
「でも・・・」
「
「!?」
「それじゃあ、僕は先を急ぎますんで」
「待って…」
僕は何か言って来る少女を無視して走り出すのだった。