帰省のお供に! スマホに苦手意識があるシニア世代を、家族の立場から支えるプロのサポート術を紹介。「教えているとついケンカになりがち」「親が詐欺に遭わないか心配」と悩むお子さん世代に、親子関係がもっと楽になるヒントをお届けします。今回は、親のスマホは何を買うべきかというお話を。(本連載は、書籍『家族みんなが楽になる!親にスマホをもっと使ってもらう本』に収録されている内容から一部を抜粋してお届けします)
せっかくなら、お父さんにだけでなくお母さんにもスマホを使ってもらおうということになりました。息子さんは帰省休みを活用して、ご両親と連れ立って、スマホを買いに近所の大型家電店へとやってきました。
息子:お母さん、iPhoneは使っている人も多いし、いいと思うけどどう?
母親:あなたはなんていうのを使っているの?
息子:僕は、iPhone 15 Plusっていうやつだよ。これ
母親:そうなんだ。お母さん、これが最後のスマホかもしれないから、奮発して良いものが欲しいわ
息子:最後だなんて(笑)。でも、いいやつ買えるならそうしなよ
母親:じゃあこっちの大きいのがいいのかしら。見やすそう
息子:iPhone 16 Plusだね。いいんじゃない? そういえば、お父さんってどんなスマホなの?
父親:お父さんはテレビの通販で買ったやつだ。名前はうーんなんだったかな。4年くらい前だからな
息子:え? そんなに前? もう古くて、使いづらいかもしれないよ
父親:あまり使ってないから、きれいだし古くはなってないぞ?
息子:スマホは見た目が新しくても、中身がどんどん進化しているから、4年くらい経つとだんだん時代遅れで使えない機種になってくるんだ
父親:ほとんど使ってないのに、もう古いなんて、納得がいかないなあ
息子:じゃあ、せっかくだし、お父さんも一緒に新しいのにしたら?
スマホ選びは難しいものですが、お母さんは、「良いものを買いたい」とおっしゃっていますね。これはとても良い選択だと思います。
初めて買うスマホを「どうせ大して使わないなんだから、安くて古いものでいい」と選んでしまう方も多いでしょう。しかし、慣れない方にこそ、性能の良いものを使っていただきたいのです。
親のスマホは何だか知っている?
日本のシニア世代は「スマホを持っていない」「使ったことがない」という人よりも「ひとまず持ってはいるけれど、使いこなせていない」という人が多数派です。まずは、親御さんがどんなスマホを持っているかを確認するところから始めるのがいいでしょう。
スマホのスペックを覚えるのはたいへんですよね。でも、使っているスマホのメーカーやブランド名、機種のバージョンまでは、親子で確認しておくようにしましょう。例えば、次のような具合です。
「お母さんのスマホは、iPhone 16 Plusだね」
「お父さんのスマホは、アンドロイドのアローズ ウィー 2だね」
スマホの種類は、OS(基本システム)の違いによって、大きくiPhoneかアンドロイドかの2つに分かれます。スマホの裏側にリンゴのマークがあればアップルのiPhone、それ以外がすべてアンドロイドスマホと覚えてもらうと簡単です。
新しく買うなら子どもと「おそろい」がおすすめ
Sさん家のように、子どもに付き合ってもらえるタイミングで、スマホを新しく購入しよう、という方もいらっしゃるでしょう。また「買ってみたけれど使いづらかった」などの場合は、親子で相談して、心機一転、新しいスマホでやり直してみるのもおすすめです。
店舗に行くと、さまざまな機種が並んでおり、どの機種を買えばいいのか、決められない方も多いと思います。そこでご提案したいのは、親御さんにも、お子さんと同じ機種を買ってもらうことです。同じ機種ならば、操作にも慣れているので何か聞かれても教えやすく、親子間でのサポート時間も短縮できるでしょう。まったく同じものでなくても、同じメーカーの機種で、型番違いというのでも構いません。
ガラケーに似せたスマホや、シニア向けに特化したスマホもありますが、こだわりがなければ、あまりおすすめはしません。これらの特化スマホは何かわからないことがあったときも調べたり教えたりするのが難しいからです。
シニアこそ、いい機種を使うべし!
「自分に使いこなせるかしら」という不安から、シニアの方もご家族の方も、ついつい安いスマホを選んでしまいがちです。でも、私は「シニアの方こそ性能の良いものを!」と強くおすすめしています。
操作が不慣れな上にスマホの操作も重たいと、スマホを触るたびにイライラします。それが原因で「やっぱりスマホは合わない」となってしまっては、元も子もありません。最高級の機種にする必要はありませんが、少なくとも何世代も前の中古品や、海外仕様の超格安スマホなどは避けてください。携帯電話会社のショップや家電量販店で販売されている「ちょっといいもの」を選びましょう。
増田由紀著/日経BP/1870円(税込み)