下水路を進んでいき、ようやく外へと出ることが出来た僕は久しぶりに浴びる事になったのは陽の光ではなく月の光だった。
しかし、今の僕の状態であるなら昼間ではなく夜で助かったと言える。
何故なら、白装束達の返り血によって衣類が血塗れになっているからだ。
「・・・替えの服も奪って来るんだったな。」
過ぎてしまった事を口にしても意味がないと考え、今日身体を休める事の出来る場所を探すことにする。
まず最初の条件としてひと目を避けられる場所であることが前提だ。
それからどこかで服を調達しなくちゃいけない、いつまでもこんな血塗れの服を着てはいられないから。
そんな事を考えていると、数人の男達が僕の事を取り囲んでくる。
「へへっ、おいガキ随分と良さそうな剣をぶら下げてんじゃねぇか」
下卑た声でそう言ってくるのはまさしく冒険者といった風貌の獣人の男。
周囲にいる男達も下卑た笑みを浮かべながら立っている。
「それで、僕に何か用ですか?」
男達の目的が解っていながらそう言った僕に対して獣人の男はこう言ってくる。
「なに簡単な話だ、お前の腰の剣を痛い目に遭う前に俺達に寄越せ。」
やっぱりという感情が僕の中で巡った、こいつらの目的は《ベーゼ・マーレボルジェ》。
見た目的に弱そうな僕がこの剣を持っているからたかりに来たって事か・・・。
そう言ってくる男達に対して僕ははっきりとこう言った。
「断る」
「なら、しょうがねぇな・・・。やっちまえ、お前ら!!」
「「「おおおおお!!」」」
それを聞いた男達はさっきよりも醜悪な笑みを浮かべながら襲いかかってくるが、
しかし、僕は剣を抜かずに拳で迎撃をする。
襲い掛かってきた全員は一撃で倒れる。
僕は男達から迷惑料として一時的に着れそうな服と金を全て貰っていく、その後は一瞥すること無くその場から離れるのだった。
その後、僕は夜でも開いている呉服店に行き、替えの服を数枚購入してから奪った服をゴミ箱に捨てて一夜を過ごす場所を探すことを再開する。
しばらく都市を歩いて見つけたのが、廃れた教会だった。
今日はここで一晩過ごそうと思い、中に入ろうとした瞬間背後から数十人程の白装束の者達が取り囲んでくる。
「まさか、そっちから来てくれるとは思ってなかったな・・・。」
そう言いながら僕は服の入った紙袋を教会の中に放り投げてから剣を抜き、更に言葉を続けた。
「死ね」
「かかれ!!」
そう言ったのを皮切りに僕と白装束との戦いが始まる。
とは言ってみたが、所詮は蹂躙の延長線でありすぐに数十人いた白装束達は全員骸と化した。
「結局、何をしに来たんだこいつら。」
呆れながら骸になった白装束達に一瞥くれずにそう言っていると、教会の方から気配を感じ取り剣を構える。
「誰だ!!」
「うわぁっ!?」
振り向いたその先にいたのは一人の女神だった。
「どうしたんだい、少年・・・。こんな夜遅くに一人で出歩くなんて・・・」
寝ぼけ眼でそう言ってくる女神は僕の事しか認識できていないようだ。
「夜分遅くに騒いでしまって申し訳ありません、名を知らぬ女神様。」
僕はそう言って頭を下げる。
「実は、少々訳ありでして一晩だけ泊めて頂けないでしょうか?」
僕がそう言うと女神様はこう言ってくる。
「う~ん、別に構わないよ。でも、静かにしていてくれよ、ボクはバイトをして疲れているんだ。」
そう言ってくる女神様に対してボクはこう言った。
「感謝します、女神様」
そう言って僕は教会の中に入り、一夜を過ごすのだった。