僕は英雄になりたかった・・・。
おじいちゃんがいつも話してくれる英雄譚に出てくるどの英雄達も物凄くカッコよくて心惹かれる程に心躍った。
だからこそ、僕は【英雄】に憧れた。僕自身が【英雄】になりたいとも思った。
お爺ちゃんも僕の背中を押してくれた。
だからこそ、一念発起で迷宮都市オラリオに来たはずだった。
オラリオに着いたその日の夜に訳も解らず拉致されて、
英雄と呼ばれる人達とは真逆の道を進んでいる、そんな気がしてならなかった。
「何やってるんだろ・・・、僕・・・」
そんな事を考えながら通路を歩いていると、反対側から白装束を身に纏った奇妙な二人組が歩いてきた。
「何だ、貴様は!?何処から入ってきた!?」
何処から入ってきた?ふざけるな、お前らの仲間がここへ連れてきたんだろうが!!
その言葉を聞いた瞬間、僕はその二人組に向かって走り出した。
「「!?」」
ただの子供と思っていたのか逃げるものと思っていたようで二人組は向かってくる僕に対して体を硬直させる。
硬直した瞬間を狙って僕は回し蹴りを放ち、二人纏めて行動不能にさせる。
「ぐはっ!?」「ぐげっ!?」
回し蹴りをまともに受けた一人がもう一人を巻き込んで通路の壁に激突し、痛みで立ち上がること無く地面に蹲る。
そんな二人組に僕はこう話しかける。
「ここから出るにはどう進めば良いんですか?」
そうやって問いかけるも返事がない。
気になった僕は二人組の首を触って脈があるかどうかを確認する。
そうした所、脈は完全に停止していた。つまり、二人組はあの回し蹴り一発で命を落としたということになる。
こうして見ると、本当に僕は
そんな存在に
これからどうしようか、そんな事を考えながら二人組の死体を放置してその場から離れるのだった。
十分程歩くと新たな部屋の扉を発見した僕は息を殺して近づき、そっと扉を開いた。
その部屋は保管庫になっていて、その中には僕が口にした紫紺の結晶もとい魔石が大量に置かれていた。
それを見た僕はこう思った。
"あぁ、美味しそう"だと。
ハッとなって僕は口を抑える。
今、僕は魔石を見てなんで美味しそうだと思ったんだろう・・・。
そうか、僕はもうとっくに化け物になってしまったんだと否応でも理解せざるを得なかった。
だったら、僕はこのまま化け物のままで前に進んでいこうと覚悟を決めたその瞬間、僕は保管庫にある魔石を
僕、ベル・クラネルは