Sunoという作曲AIで曲をつくって、はっきりとわかった。
AIでの創作は「作る」という感覚よりも、「出会う」という感覚に近い。
入力した言葉から曲が生成される。
それはただの自動生成のように思えるけれど、やり取りを重ねていくと、不思議と「自分が探していた曲」に近づいていく。
その瞬間、「ああ、僕はこんな世界観を求めていたんだ」と、自分自身への理解が深まるのだ。
つまりAIとの対話は、
作品をつくること以上に「自分を知る」プロセスだ。
便利な道具が目の前に現れると、人はつい「どう使うのが正解か?」を考えてしまう。
でもAI時代に本当に問われるのは、「どこを掘るのか?」を決められる自己理解だと思う。
問いが曖昧なままAIを使えば、ただの暇つぶしになる。
けれど、自分の欲望や違和感の出どころを言葉にできるなら、
AIは自分を深く掘るシャベルになってくれる。
そして、自分でも気づいていなかった感情や世界観に出会わせてくれる。
AIが進化するほど、逆説的に「自分の声を聴き取る力」が大事になっていく。
AIは万能ではない。けれど、自分を深く知ろうとする人にとっては、想像もしていなかった出会いを運んでくれる存在になる。
だから、AIで創作と向き合うとは、結局「自分と出会い直すこと」。