飲酒運転事故で3児亡くした母、19年ぶりの事故現場で祈り…「つらい場所。当時の光景がよみがえる」
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福岡市東区で2006年に起きた飲酒運転事故で我が子3人を亡くした大上かおりさん(48)と事故後に生まれた4人の子どもたちが19日、25日で事故から19年を迎えるのを前に事故現場の「海の中道大橋」を訪れた。3児の笑顔を重ねたヒマワリの花を献花し、冥福を祈った。 【動画】飲酒運転事故で我が子3人亡くした大上かおりさん講演「飲酒運転で命を奪わないで」
事故後に生まれた次女・愛子さん(17)、三男・真寛君(15)、三女・ひかりさん(13)、四男・寛彬君(8)が事故現場に足を運ぶのは初めて。
06年8月25日夜に発生した事故では、大上さん家族が乗った乗用車が、飲酒運転する市職員(当時)の男の車に追突されて橋の欄干を突き破り、約15メートル下の海に転落。長男・紘彬ちゃん(当時4歳)、次男・倫彬ちゃん(同3歳)、長女・紗彬ちゃん(同1歳)が亡くなった。
5人はこの日夕、欄干の近くに、それぞれヒマワリを1本ずつ置いた後、紘彬ちゃんも歌っていた子ども向けの賛美歌を合唱。真寛君が海に向かって「19年前のような事故で苦しむ人が生まれませんように。(3人に)会える希望をもって生きられますように」と言うと、愛子さんらは涙を浮かべ、正座になって祈りをささげた。
大上さんは事故後に離れていた福岡に今春戻り、この現場に約19年ぶりに足を運んだ。事故直後、何度も潜って我が子を助けようとした海を橋の上から眺め、「つらい場所。当時の光景がよみがえる」と声を絞り出した。愛子さんは「こんなところで……。色んな思いがこみ上げ、言葉にならない」と語った。
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