全然詐欺! 全然と言われると許されると思ってしまう
何か問題が起きたする。
たとえば、寝坊して待ち合わせに遅れたとか、持ってこないといけないものを忘れたとか、買ってきて欲しいと頼まれたものを買い忘れたとか。そのようなことが起きた時は、当然のこととして謝る。
「すみません」
「全然」と相手は言う。
全然という言葉を聞くと、「全然」だけでその後に続くのは「大丈夫」が来ると思い込んでいる。つまり相手が「全然」と言っただけで、その問題はクリアされた、許されたと思ってしまう。
全然大丈夫、全然問題ないなど、全然のあとは、会話の流れにもよるけれど、口には出さないけれど、許されるものが続くと思い込んでいる。「全然」とは許しを与える言葉なのだ。それは長く日本語を話し、長くコミニュケーションを取って来た経験がそうさせる。
いつだったか、知人に買い物を頼まれた。
私はそれをすっかり忘れていた。駅前のスーパーに寄ってそれを買ってから知人と会わなければならなかった。買う物がなんだっかは、今となっては全然忘れている。全然思い出せない。ただそのようなことがあったことだけは全然覚えている。
「ごめん、買い忘れた」と私は謝った。
知人は「全然」と言った。
私としては知人の「全然」という言葉を聞いて、買い忘れたことは全然大丈夫だったんだ、全然問題なかったんだ。全然気にしなくてよかったん、と安堵した。しかし、知人は続けた。
「大丈夫じゃないよ」と。
繋げると「全然大丈夫じゃないよ」
買い忘れた私が悪いのだけれど、私は聞き間違えかと思い「え?」と強めに言ってしまった。
「だから全然問題あるよ」と知人は言った。
全然間違いではないのだ。
全然には別に「大丈夫じゃない」や「問題ある」が続いても全然問題ないのだ。全然使っていいのだ。全然とはそのような使い方で全然可能なのだ。つまり知人は全然間違っていないし、全然正しいのだ。全然悪いのは私なのだ。だって買い忘れたから。
ただなのだ。
全然って全然そうじゃないじゃない、と思う。全然の使い方としては全然間違っていないし、全然いいのだけれど、上記のような会話の中で全然が出てきたら、全然大丈夫や全然問題ないになると全然思うじゃない。全然詐欺と言っても全然問題ないように全然思うのだ。
結果私は「なんかすみません」と謝った。
知人は「全然」と言った。
その全然のあとは何が続くのか、もう最後まで言って欲しかった。全然詐欺に遭いたくないから。



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