【後編】武具製作者の位相文字について(ずんだもん解説)
どうも、ずんだもんなのだ。
後編は、武具製作者の位相文字についてさらに深掘りしてお話するのだ。まだ前編を読んでない人はこちら↓からどうぞなのだ。
さて、前編では武具製作者の中にも位相文字があることや、その具体的な用例についても少し触れながらお話したのだ。後編は、武具製作者の位相文字をいくつかピックアップして、深掘りして話すのだ。
武具製作者の位相文字は、調べた限りでも50種類以上、異体字も含めると60〜70種類以上はほぼ確実に存在するのだ。そして、そのような武具の位相文字を何種類か収録した特殊な節用集も江戸時代には存在したのだ。今回は、そのような武具製作の史料から、特に知名度の低い字たちを紹介しようと思うのだ。
謎の字「⿰金乳」
金へんに乳と書く字が武具製作の資料にはしばしば現れるのだ。
2文字で1語のように用いているものが多く、漢語のようにも見えるのだ。
結論からいうと、これは「胸板」を表わす造字で、日本のみの用法と考えられるのだ。
また、胸板の表記は揺れやすく、3文字で書かれたものや、1文字単体でムナイタと振ったものもあるのだ。いずれの表記にも「金乳」の字が用いられているのだ。
この字は日本製字義と考えられるが、造字意図がよくわからないのだ。「乳」から胸板の連想?とかも考えたけれどよくわからないのだ。
「糸へんに華」と「糸へんに花」
鎧の威毛(おどしげ)の色のことを「毛色」と呼ぶことがあるのは有名?な話だけれど、この毛色に特殊な日本製の漢字が使われているのはほとんどの人には知られていないのだ。
糸へんに華の字をつくるこの漢字は、縹(はなだ)色をあらわす「はないろ」という言葉に当てて用いられるのだ。旁に「華(はな)」を持つ形声風の造字なのだ。
この字は3〜4例ほどあって、異体字には旁に花の字をつくる字もあるのだ。こちらのほうが日本ぽい字に感じるのだ。
また、この字は別の用法もあるのだ。
鎧の威(おどし)方に、「毛引き(けびき)」という語彙があるのだ。この「ケ」の部分にさきの造字を類推読みのように当てることがあるのだ。
また、この用法も異体の「糸花」の字を用いる場合があるのだ。しかし、史料の中でもこの使い分けはバラバラで、気分で「華」と「花」を使い分けていたくらいの軽いノリだったかもしれないのだ。
武具製作資料での「銋」の用法と応用
武具製作資料に多く見られる「銋」(漢字)という字は、さまざまな用法があるのだ。
たとえば、シコロを数える「枚」にこの字を当てることがあるのだ。
枚には「𩊱」の字を当てる用法がある話は前編でしたけれど、基本的には銋の字を当てる場合が多いのだ。
また、シコロに三段ないし五段下りとしておどしつける、鉄板(てついた)にこの字を当てる用法もあるのだ。また、胸板にもこの字を当てる場合もあるのだ(前項参照)。
銋(いた)を応用して、革へんに置換した造字もあるのだ(ただ1例のみなので類化による誤字体の可能性あり)
他にも、銋(まがり)と読ませたものもあったけれど、用法についてはあまりよく分からなかったのだ(馬の手綱の中ほどの部分のことか)。
おわりに
いかがだったでしょうか?
武具製作者にも位相文字は存在したのだ。中には造字をしたものもあり、それぞれに面白い世界が広がっているのだ。
ここで紹介するのに文量が少なくて足りず、書けなかったものもあるのだ。たとえば、鎧の部分の名で、前腰にある草摺のことを指す「キンカクシ」には、陰嚢をあらわす日本製漢字、「⿵門由(ふぐり)」を「きん」と読ませて用いた例などもあったり、
他にも、矢の容器のことを指す「ウツボ」に、さまざまな造字を当てていることなども確認できたのだ。
武具の位相文字は現役のものも多く、いろいろな資料で確認できるので、ぜひ見てみてほしいのだ。
武具の史料はほとんど読み切ってしまったので、また新しい分野の位相文字などについても紹介できたらいいなと思うのだ。
これで、武具製作の位相文字についてのお話は終わりにしますなのだ。それではよき漢字ライフを😌



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