「はっ...はっ...はっ...」
ただ走る、走る、ひたすら走る。
瞬間、瞬間に意識が飛ぶ。頭に霧が出てるのか現実で起こっているのか分からない。
俺は誰で。僕は何をしていた?...学校は?テストは?何でこんなキツくて走ってんだ?
意識があやふやで、記憶が混濁してる。状況が読み込めない。
あぁ確かそう
誰がこんな事をした...あぁそうだ
「もうッ...もう良いっす!!グレイっ自分を離してくれっス!!そしたらグレイは速く動ける!!」
何言ってんだコイツ?そんな傷だらけのボロ切れで?俺と一緒に逃げれる訳ねぇだろが。
「もう無理っス!!三人を抱えて
背中でうわごとの様に『自分を置いてって』と呟くアリシアと言いコイツらは馬鹿なのだろうか?
ラウルは足を負傷している。アリシアは
「グレイだって...もうボロボロっす...血が止まって無いっスよね!!自分を俺を置いたら二人は助け...」
そんな親友の言葉に目が覚める。
「ふざけんじゃねぇッ!!!!!」
「!?」
’’怒り’’で緩んでいた意識に火が点る!!
曇っていた頭が晴れ。記憶に無い走馬灯を撃ち破る!!
弱った自分達を狙っていた
「ふざけんじゃねぇぞラウル!!俺の辞書に’’諦める’’と’’見捨てる’’は書いて無いんだよッ!!!」
記憶と意識が完全に合わさり咆哮を上げる。
ピースとパーツの様に違和感が無くなる。
この世界に産まれて、あった’’ズレ’’が今この時、極限の中で前世の記憶が覚醒した。
「この’’両手分’’まで失ったら俺は...本当に何で産まれたか分からなくなるッ!!」
分離していた精神と器が一致した事によって前の自分と思えない程に動ける!
髪は灰に塗れ、震えていた手足に力が戻る。目は前より良く見える!
故にその身体は...
「かっ加速してるッ!?」
「ガアアアアアアッ!!!!!
怪物共の肉壁を最高速度で渡って行く。怪物共の手を口を牙を届かせる...それより前に潰す。
先程までの進まない景色とは打って変わって目まぐるしく色を変える。
一層また一層と上へ上と登って。己が何階層上がったか分からない。
そして迷宮の出口らしき門を抜けて。
「...着いた」
バベルの窓から月明かりが入っている。
上層最下層の12階層にて起こった
インファント・ドラゴンの
重傷者3人を担いで
「ほっ本当に...着いたっスッ!!グレイぃ!うぅぅグレイありがとうっス!!.....グレイ?」
ラウルと他二人を下ろして、確かに生きている事を確信し。ラウルが顔を上げて感謝を述べるが上手く口が動かない。
「......がはッ!?」
限界...例え
口から
体から熱と力が抜けて倒れる。意識はその前に消えていた。ただ...最後に友の声を聴いた気がした。
「グレイッッッーーーー!!!!!」