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 すご腕の住宅検査員・長井良至氏が欠陥住宅を防ぐポイントを解説します。今回は、基礎の天端を水平に整える仕上げ材(レベラー)の施工不備の問題を取り上げます。日経ホームビルダー2019年6月号「現場で役立つ欠陥防止の勘所」を再構成しました。

 大手ハウスメーカーに自宅の建て替えを依頼したA氏は、仮住まいが現場の近くだったこともあり、工事中の様子を見ることが日課になっていた。

 基礎が完成したタイミングのことだ。いつものように現場を訪れたA氏は、水平に整えるために天端へ施工していた仕上げ材(レベラー)に、ひび割れが生じているのを発見。側面を見ると隙間があり、剥離していることに気がついた。

レベラーの厚みがメーカーの推奨値よりも薄い場合や、施工時にゴミ・油が残っている場合、表面の水分が不十分な場合などは、施工不備が生じやすい。剥離したレベラーは割れてしまうこともある。写真は冒頭の事例とは異なる現場。このような不備は珍しくない(写真:カノム)
レベラーの厚みがメーカーの推奨値よりも薄い場合や、施工時にゴミ・油が残っている場合、表面の水分が不十分な場合などは、施工不備が生じやすい。剥離したレベラーは割れてしまうこともある。写真は冒頭の事例とは異なる現場。このような不備は珍しくない(写真:カノム)
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 心配になったA氏は、基礎をくまなく確認。すると、全体の約6割の箇所で剥離が生じていた。A氏は、すぐに現場監督に電話をして、内容を伝えた。ハウスメーカーが状況を知れば、当然、補修をしてくれると考えたのだ。だが、期待は裏切られた。工事は剥離を補修しないまま進み、躯体(くたい)が施工されてしまった。

 後日、A氏は現場監督に詰め寄った。すると、現場監督は「レベラーは躯体に挟まれて動かないため、剥離していても構造的に問題がない」と言うばかり。この対応を「施工不良を放置して開き直っている」と感じたA氏は腹を立て、工事を中断して建て替えること、もしくは契約を解除することを申し出た。

 ハウスメーカーの担当者はA氏と何度か話し合いの場を設けたものの、話は平行線をたどった。工事を止めるわけにもいかないハウスメーカーは、工程を進め、住宅を完成させてしまった。

 さらに怒ったA氏は、建物の引き渡しを拒否した。その後、約半年間にわたって話し合いが続けられたが、進展はなく膠着状態に陥った。第三者の意見を聞きたくなったA氏は筆者の所へ相談に訪れた。