コスプレは著作権侵害か？

内容によって著作権侵害に当たることも当たらないこともある。コスプレのうち、著作権侵害に当たるものは多くないだろう。

コスプレが侵害しうる著作権は「翻案権」である。著作権者は、その著作物を他人に勝手に翻案されない権利を持つ。

翻案とは、元の著作物の表現上の本質的な特徴を持たせながら新たな創造性を加えることで新たな著作物を創作することだ。翻案による新たな著作物を二次的著作物という。
ここでこの表現上の本質的な特徴は、見た人が直接感得できる程度に有する必要がある。

この「元の著作物の表現上の本質的な特徴を」「見た人が直接感得できる程度に」とは……と書きかけたがやめ。そこからの具体的検討は専門家に任せておくれ！
あの複雑怪奇なものをざっくり雰囲気伝える簡単ワンフレーズなど存在しないし、たとえあったとして雰囲気からわかった気になり素人判断が生まれても不幸しかない。
一つ言えるのは「（キャラクタ名）のコスプレだな」とわかる程度ですなわちアウトとかそんなものではない。たとえば元の作品がデフォルメの強いイラストの場合、コスプレがその元の作品の表現上の本質的な特徴を十分に備えるケースは多くないだろう。

特定の他人の行為を「侵害」と主張するリスク

SNS含む公の場で、特定の他人が権利侵害しているなどとの発言は気軽にやってよいものではない。名誉毀損や信用毀損、ビジネスなら不競法系のリスクがある。

コスプレと不競法

不競法の名前が出てきたのでついでに触れると、コスプレをしてのビジネスやコスプレ衣装についてのビジネスは不正競争防止法（不競法）の観点も必要である。
たとえばコスプレ衣装や着用姿がもとの作品の周知・著名な商品・営業の表示（商品等表示）と類似の表示に当たり、その使用が不競法違反になることがある。二次創作関連では作品の人気や知名度を利用して云々の話をときどき見かけるが実は不競法の考えにこそ近い…などの話はまたの機会に。

ついでの話が長くなってしまった。まとめよう。

・コスプレは著作権侵害にならないものも（が）多い
・素人が著作権侵害かどうか決めようとするでない
・決めつけて指摘するでない
・（著作権侵害にならないことと商売に利用できることは別だ、気をつけよ）

おしまい

参考情報　話題元のXポスト

https://x.com/Doutan_xsu/status/1952255916667269158