「ワシらの時はこんなもんじゃなかった」 暴力を受けた部員に中井監督が漏らしていた“本音” OBらが明かす広陵高校野球部のパワハラ体質
中井監督が漏らしていた“本音”
実際に91年3月に卒業した元部員の父が言うには、 「中井監督は、怒ったり褒めたりのメリハリがある方でした。練習中に生徒がミスをするととにかく怒り、延々とノックを受けさせていた。当時は監督も若かったから“ケツバット”もありましたし、練習中に水を飲んだ子も怒鳴られていました」 その3年後に卒業した元部員も、こう明かすのだ。 「私たちの代は、事あるごとに『広陵始まって以来の弱小チーム』と中井監督から言われており、特に厳しく指導されました。監督は当時、寮に週2〜3日寝泊まりしていて、スリッパで廊下を歩く独特の足音を聞くと『今夜は泊まるんだ』と恐れたものです。私自身、複数の上級生に暴力を受けましたが、ある時、監督は『お前ら、先輩からどれだけシバかれてしんどい思いしているか知らんけれど、ワシらの時はこんなもんじゃなかった』と漏らしたことがあります。そういう試練に耐えて若くして監督に就き、そのまま広陵の“伝統”を継承していったのでしょう」 その監督の元を訪ねると、代わって夫人が、 「学校の顧問弁護士が対応しており、記事に書かれるから一切お話しするなと言われているのです」 さらに「中井王国」について堀校長に尋ねたところ、 「本校なりの回答をしていこうと思います」 そう言うのみ。当の学校はといえば、 「今般の多くのご指導を受けて、硬式野球部の指導体制の抜本的な見直しを図るべく検討をしております」 先の会見で、堀校長は中井監督について「当面は指導から外れてもらう」と明言したものの、解任となる可能性は低いという。“中井王国”が築き上げられるに至った経緯と、監督の進退については、8月20日発売の「週刊新潮」で詳報する。
「週刊新潮」2025年8月28日号 掲載
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