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年下研究

『けいおん!!』トンデモコジツケ連鎖中!涼宮ハルヒの憂鬱の謎解きコジツケの履歴保管庫。

周防だぁ

2007-04-17 00:17:53 | 涼宮ハルヒ
暗黒すぷー絵描き歌ネタ。ああついに3ページ引っ張ってしまいました。楽しかったです。
22日のサンクリ、ア65avolunteersスペースでまとめて折り本ですよ。乾パンと野菜ジュースとコーヒーと緑茶と水と睡眠の円環が完成したー!?健康そのものですよ。
ハヒルの消失というエロDVDが5月に出るそうですね。大変だ。前のが好評だったのでしょうか。なんというか、キャラのほとんどが娘のような年齢なので、どうもハルヒエロのハードルは高いですね。困ったものです。
ハルヒと佐々木はライバルですが、変革と調和の両立のために戦って欲しいです。いや、暴力は使わなくてもよいのです。克己心はライバルとの競争で支えられるのですよ。
これを面白いと思う「私」が、どのくらい変われるか問われると痛いですが、そんなことを考えているだけ、まだ救いがあると割り切って頑張ります。
ハルヒ同人は、「天勾践を空しうする莫れ、時范蠡無きにしも非ず」の意気で頑張りましょう!

ハルヒの分裂について和歌との関連で思い付きを2、3

2007-04-16 11:50:27 | 涼宮ハルヒ
去年出したハルヒオフ本、「ビッグバン」から再録。
佐々木団とSOS団の争奪戦の対象はキョンなんでしょうね。青春ですな。
そういえば、日本人に多い姓は源平藤橘らしいですが、
佐々木団で、
佐々木源氏、
藤原、

は確認してたんですが、百人一首と百人秀歌に選ばれていて、鶴屋さんが引用していた歌の作者に「周防内侍」という人がいます。周防九曜の名前の元?
この人、周防守の娘で、平仲子が本名です。
周防九曜が平氏なので、源平藤橘が揃いましたね。
さらに、源俊頼はたしか宇多源氏で佐々木氏と同族、しかも俊頼は橘家の養子だったような記憶が。
佐々木と橘の縁は愛憎半ばする微妙なものなのかも。
歌学でも、歌は「たわぶれあそび」だとへらへらしてたと言うし、マジメにやれ!と同人を叱るプロ作家の批判を飄々とかわして楽しんでゆく同人サークルの情報遺伝子上の先祖みたいで改めて好きになりましたよ。佐々木さん。
佐々木高氏つながりで連歌の確立者として、佐々木さんは「元ネタ雪だるま式発展遊び」の祖、パロディ同人の情報遺伝子上の母だと思ってましたが。
生みの母ではない、育ての母ですね。佐々木氏ら宇多源氏達は。
オリジナルが一番良い、というプロやアマの意見が該当しない領域もあるということですね。パロ遊びはパロしないで満足するのは難しいです。
藤原定家の子孫、京極為兼の、万葉集研究等を踏まえた「観察対象に触れた感動を歌にしろ」という非技巧的歌学(?)は、変則4コマや文科系SFという器や形式に内容を充填する指導理念に使えそうです。てゆうか、今日の創作の共通前提ですが。
藤原氏も同人の情報遺伝子上の先祖ですね。
新しい知識を仕入れるたびに書いてることが変わってゆきますが、転がる石は苔むさないそうですので、ジジイが頑張ってゆくですよ。折角、ハルヒにはまったおかげで、疎遠だった領域に興味が湧いたのですから、生涯学習の一環だと思って勉強します。

曖昧でいたい佐々木さんとハッキリさせたい橘さん

2007-04-16 01:05:21 | 涼宮ハルヒ
暗黒すぷー絵描き歌ネタ続き。私の周防さんは登場に3ページかかるという「ギャラクシー的」(?)キャラになりつつあります。
3ページには訳があります。
児島高徳は別名三宅三郎だったそうです。
先に記したとおり朝比奈三郎ですし、
佐々木にも佐々木只三郎がいました。新撰組のライバルですね。
橘にも橘孝三郎という515事件の共犯がいました。3月に再版したToHeart2本の「身は鴻毛の軽きに比し」で引用した人ですね。
藤原定家の子孫で残っている冷泉家は二条、京極に次いで3番目の家ですね。
周防と長門の毛利家の紋は三曜星が入ってますし。
佐々木さんがキョンと一緒だったのは中学3年生ですから、
まあ、ふと、このマンガを描いてるときに3つながりで行こうと思ったわけです。偶然が好きですから。
ただ、3年前の事件が1年経って4年前になったので、4尽くしに頭の中が変わってゆくのだと思いますが。また4つながりで色々だらだら考えます。
今回の事件も、分裂、驚愕の前後編でなく、3部作、4部作になっても私は構わないと思っています。あっさり幕引きは嫌です。佐々木団の詳細が判る可能性が高まるし。長くお付き合いできるし。
サークルは世界を盛り上げる為に存在しているようなものですから、リアルSOS団なわけです。これに佐々木団も引照基準に加わってくれれば、まあ気分だけでも盛り上がるでしょう。
佐々木、橘、周防の活躍を描いてゆきたいですね。無論、長門も活躍させたいです。
繰り返しますが、ハルヒ同人は「天勾践を空しうする莫れ、時范蠡無きにしも非ず」の意気で頑張りましょう。

自治

2007-04-15 12:38:42 | 涼宮ハルヒ
2月に出したハルヒ既刊「アンサンブル」より再録。
自分が支配者であり、奴隷でもあるという状況。いかにしてそれを手に入れるのか?という問いへのハルヒが出しそうな、常識的な解決編。
「問題解決を外部に依存しないこと。」
まあ、社会分業や得意技はあるでしょうが、何でも丸投げはいけないと。
分裂から驚愕への展開で、空想人文社会科学的に問題となるテーマですね。
そういえば他人に優しく、自分に厳しく、と言う意味の四字熟語
「滅私利他」「利他自制」「克己利他」があります。仏教用語らしいですね。
滅私奉公では無いことがミソですね。「公」は「オオヤケ」で「大きな家」。昔の権力者は大きな家に住んでたわけですが、今、大きな家に住む人の為に滅私して死んでしまったら、悲劇です。
公共性の中にすらオオヤケが忍び込んでいる。「空想人文社会科学マンガ」の思考実験の課題の一つです。
だれですか「空想社会主義」呼ばわりするのは?
谷川さんや私が生まれた頃は、沖縄は占領下、ベトナム戦争や中東戦争の頃。浅間山荘の銃撃戦の寒い冬が私の生まれた辺りです。
思いついたので更新しました。散漫。

ハルヒの分裂から驚愕まで

2007-04-15 12:19:03 | 涼宮ハルヒ
以前アップした漫画の再録です。
「与えられたものは失った時に手に入れ方がわからないので、取り戻せない」
私の考える分裂の行き着く先の不吉はこれに尽くされています。
SF考証も思考実験としては面白いのですが、socialscience-fictionというのも面白いと思います。もちろんhumanscience-fictionも有りです。
変則4コマが器とすると、内容において私の進む道は、
「空想人文社会科学マンガ」です。
スキマ商売?
分裂の和歌ネタ、大歓迎です。
谷川さんの「科学」と「歌学」の駄洒落だと思ってます。

変わり続けるということ

2007-04-15 00:13:38 | 涼宮ハルヒ
暗黒すぷー絵描き歌。こういう「2つの元ネタの合成ネタ」は、
相乗効果で、どちらのファンにも喜ばれる「ハイブリット」ネタ、
元ネタ不明でどちらのファンも見捨てる「キメラ」ネタ、
とに分類されると思います。
プロは、物語の本題に手っ取り早く受け手を引き込むために、説明が必要になるような設定は嫌うといいます。雫、痕、ToHeartのシナリオの高橋龍也さんにイベント会場で質問した時も、同様の答えが。
同人でも、こうした「ハルヒを知ってるだけでは判らないネタ」は振るべきではないと考えた時期も有るのですが、私自身は、判らない事は、人に尋ねたり、自分で調べたりするので、我ながら矛盾してるな、と反省し、考えを改めました。
謎々みたいに地球儀を解き明かす事でしか得られない自由も有るのだと思います。
プロがやらないことでも同人はやって構わないのです。某ショップの同人担当の方は、「何百万部も売れてるジャンプに載ってるような漫画を描けば、同人誌も沢山売れるのだ」と仰っていたそうですが、そういう技法だけでもないと思うので。
佐々木団はもう少し衝動的に、SOS団はもう少し理性的に、接近してゆくのかもしれません。滅びの美学も大事ですが、刺激しあうことで自己変革が進むと考えると、一方に他方が敗北、吸収されてはならないと思います。
積極的効果として、変革を持続できる仕組みを制度化することが可能だと思います。二つの焦点を持つ楕円、もしくは一つの中心を軸に対になる二重惑星みたいになると良いと思います。
また、消極的効果として、外部があるということは、亡命先があるということです。自由が危機の時には選択肢は多い方が安全だと思います。外部の制度化で即死リスクに備えるのです。
今回の敵は魅力的ですから、これをあっさり倒してしまうと、竹熊健太郎がさるまんで指摘していた、敵のインフレに陥るかもしれません。じつは、インフレの防止法も存在してはいて、竹熊の分析も必ずしも完全ではないのですが、この論点については次の機会に。
ハルヒ同人は「天勾践を空しうする莫れ、時范蠡無きにしも非ず」の意気で頑張ってまいりましょう。

なんとなく時駆けのノリ

2007-04-14 00:28:46 | 涼宮ハルヒ
先に書いた藤原定家の子孫、冷泉家は、維新のときに東京に移らなかったため、関東大震災と東京大空襲で被災せず、貴重な文書が残ったのだそうです。江戸時代以前のモノが貴重なのはこうした滅失の時代を乗り越えられないモノが多かったという事情があります。
細田監督の時駆けでは、結局、キャッチボール止まりで野球チームも作らず、見たかった絵も見られないまま、未来人君を未来に帰らせることになっています。
やりたいことが何でも出来ないのが青春時代なのかもしれませんが、未来人が可愛そうなので、藤原には貴重な体験をさせてみました。まあ、泣きはしないかも。
子供のうちに何でも出来て、大人になったら我慢、という人生を平均的人生とすると、思い出に生きる大人とニートが出来ると思います。新入部員を受け入れられないなら、SOS団はこうなります。試金石ですね。
子供の頃は無力で、早く大人になりたい、稼ぎで好きなもの買いたい、と思うように社会設計すれば、卒業や成人式が待ち遠しくなると思います。昔のハルヒや今の佐々木さんにはそれが有るような気が。
私自身はハンナアレントの「創設」のイメージが強いので、新しい共同空間が成立する時の緊張感にみなぎる状況が佐々木一派にはあって、ドキドキしながら読みました。まあ南北朝よろしく現人神がいるのが引っかかりますけど。
私も既存の学漫に入った後で、自分のサークルを立てた訳ですが橘の興奮は判りますね。自分で決めたことを自分で守るのですよ。法制史の授業で読んだ松浦党の掟の自治精神に感動したわけですが、佐々木もハルヒも、是非、この感動を生きて欲しいですね。
ひぐらしの「部活」が、雛見沢の大人の権力に対する子供の正義の実現手段、というか、反逆の土台になったように、
SOS団も佐々木団も、内ゲバを超えて、今ここに在りながら彼らが理想に生きられる空間になっていってもらいたいものです。高揚した気分の中に生きるのです。
もっとも、部活シーンは削れ、というひぐらしファンのクレームは有ったそうですし、ハルヒでも新キャラ登場は「テコ入れ」とまず笑われるところでしょうか。まあ、自然状態からノモスが立ち上がる瞬間を幻視するのは霊媒並みの痛さかもしれません。
前に書いた朝比奈三郎ですが、千葉県にいた人なんですね。ついに同県人にたどり着きました。
児島高徳子孫の真田家臣で小田原攻めの時戦死した人がいるそうで、真田郷は隆山温泉の青木さんの取材旅行について見に行ったことがありますし、小田原攻めの時に落城した北条氏照の居城は、小学校の遠足で行ったことがあるので、何やら懐かしいですね。
ハルヒ同人は「天勾践を空しうする莫れ、時范蠡無きにしも非ず」の意気で頑張りましょう。

歌物語の系譜

2007-04-13 07:49:43 | 涼宮ハルヒ
6月発売のハルヒの驚愕で、九曜への私の偏見も正されてしまうでしょうから、遊べるのも今のうちかと。
正確な歌物語の形式は踏襲していないのですが。昔やってたオリジナルファンタジー同人漫画ではよくやってました。
こういう2重パロは、volunteersの漫画としてはあまりやれてないので、意識してやりました。ネットは検索力があるので、元ネタの判りにくいパロも許容されるようになってゆくでしょう。
アストロ応援歌です。知人に一通り実写版を見せて頂いたのですが、面白かったです。少林サッカーより先にこれを作れてたら凄かったですね。
先輩に、「昔の子供はアストロ球団をマジメに読んでたんですねえ」と言ったら、
「ギャグだと思って読んでたわい!」と、「昔の子供はダイヤモンドアイやカゲスターをカッコいいと思ってたんですねえ」言った時と同じくらい怒られました。
南朝の忠臣、児島高徳は、宇多天皇子孫説があり、この場合は佐々木道誉と同祖です。天之日槍の子孫説もあって、この場合は但馬と関係が出来て、兵庫の北の方、天蓋領域とも縁ができます。天之日槍とくれば、子孫は忠臣タジマモリで、不老不死の薬、橘の実を中国から持ち帰ったら天皇は死んでたので、陵の前で自殺した、というエピソードが。陵はミササギで、ささきと語源は近いかも。一周。
児島高徳は、架空の人物とされますが、太平記の作者、小島法師と同一視されたりもしてるようで。児島氏は和田姓も名乗ってますが、鎌倉時代の和田の乱で戦死した中に朝比奈三郎がいましたね。この和田は平家だったと思うから、源平藤橘、全て揃いましたね。みくるちゃん、平家なんですか?
楠氏の同族からは能の世阿弥も出ていて、全く南北朝時代は、大分裂してると同時に、新しい文化の誕生の時代でもあったわけですね。
そういえば、甲子園初優勝の常葉菊川高校は、毛利の家臣、吉川家の本貫に有るはずで、長門周防の活躍と重なる偶然。毛利はもともと「森」だったそうですが。
私が大阪のイベントに前日入りしたときに、たまたま甲子園で観戦したのが近江八幡の八幡商業vs常葉菊川戦でした。ここまで偶然なのがハルヒやってて良かったと思う点です。今後、どんな偶然の一致で楽しめるか、楽しみですね。
児島高徳は宗良親王と関東で転戦、北関東に墓があるそうですね。意外と近い人なのかも。桜の幹の十字の詩の故事は、美作の話なのですが、美作には二天一流の宮本武蔵が。ライバル巌流の佐々木小次郎は毛利家の家臣で、細川家に仕えるようになったという話ですね。ガンパレの聖地巡礼で熊本に行ったとき、細川家の廟所で武蔵の墓を見ました。生きてる限り、こうして全ては繋がっていくのですね。
ハルヒ同人は、「天勾践を空しうする莫れ、時范蠡無きにしも非ず」の意気で頑張って参りましょう。

返歌

2007-04-12 19:32:15 | 涼宮ハルヒ
ハルヒの分裂の百人一首というか和歌ネタへの和歌返しです。宗良親王は好きな歌人ですね。南朝の歌聖と言われてるひとです。
先に書いた京極氏云々ですが、佐々木道誉は宇多源氏で近江源氏です。
定家の子孫は藤原氏です。和歌の伝統を守った家です。
どちらかといえば佐々木氏は連歌を推進した家系です。連作4コマや掲示板の書き込みでスレが伸びるのの先祖ですね。先祖に会った気分ですね。我々連作4コマ作家は佐々木さんの情報遺伝子上の親戚ですね。妄想。
九曜は細川氏の家紋で、足利源氏です。兵庫から見ると北の大名ですし。
こうしてみると、佐々木一派は北朝方人脈ばかりですね。楠一族でも、橘は裏切った楠正儀だったりして。藤原は京極家か冷泉家ですね。
谷川さんは南朝が勝つ偽史をやるんですかね。私は児島高徳の気分で同人やります。「天勾践を空しうする莫れ」です。

周防九曜さんは男の子?

2007-04-10 08:29:43 | 涼宮ハルヒ
初描き九曜さん。なぜ右前なのか?まあ、それを言い出したら、表紙のハルヒのスカートの後ろもアニメ版と違ってるのですが、のいじさんがオフィシャルなんですからスルーするところですか。
しばらく分裂ネタ。
佐々木さん一派=裏SOS団は南北朝の南朝=吉野朝のイメージです。根路銘さんの郷土、琉球王国も日本の室町から戦国の頃の建国で、南朝とは同世代国家です。
南朝は北朝や足利幕府の侵略で結局流産するわけですが、その「擬似復活劇」に根路銘さんと参加(?)できるとは面白い巡り合わせですね。琉球は北朝の子孫に併合されたわけですから。尖閣諸島問題の始まり。
ジャンル的には、ハルヒ自体が「吉野朝」状態です。ハルヒ同人は同人界の佐々木さん一派。そのためか、分裂読んでいて妙に同情しました。キョンを騙すための彼女らの演技に引っかかってるだけかもしれませんが。
滅びの美は遠ざけておかないと危険だと頭では理解できるのですが、アルコールやアヘンと同じで、なかなか手放すのは難しいですね。
そういえば、今まで自分では暗い話題だと自覚せずに日本の将来とか老後の心配とかの話題を振ってしまっていましたが、気をつけてこの話題は避けようと思います。先が滝でも川下りの楽しさに水を差すのは詰まらないです。
これからも気づかぬうちに話題を振ってしまう危険はありますが。根拠が無くても未来を信じるようにした方がいろいろ発展性が有るだろうと思います。
今は豊かな時代だそうですから、きっと大丈夫ですよ。

つなぎ

2007-04-08 03:14:44 | 涼宮ハルヒ
涼宮ハルヒの分裂読了です。次辺りの更新で分裂ネタ振ると思います。8巻までに徐々に小出しにされてきた要素の集大成な訳ですが、根路銘さんの予想していた様な話になってきたのが個人的には面白いですね。
起承転結に合わせて作画する、と言われると、なるほど、と判ったような気がしますが、実は起と承、承と転、転と結の繋ぎ目はどうするのか?という問題は、簡単ではありません。
この「繋ぎ目」問題は、一般人が漫画を描く時にも、「異能者」の作品作りにも関連していると思います。
「野獣系」作家の驚天動地の展開は、普通なら段取り通りに進む展開を、敢えて飛躍させ、落差で切断し、時間を伸縮させ、崩す事で面白くしている様に思われます。
「天然系」作家のなんともいえない良い感じ雰囲気も、間の活用や、普通は流してしまうような些細な事を強調することで、普通の展開を脱線気味にして面白くしていると思います。
「普通の展開からの脱線」という点で両者は共通している訳ですが、要するに、かなり違う印象を受ける効果を、同じ技法が起こしていると言うことです。
これは何処をいじくることで引き起こされているかと言えば、起承転結の間の繋ぎ目をいじくっているのだと思います。
起承転結は何段階かがあります。
1)何ページかのまとまり毎の間
2)見開きと見開きの間
3)何コマかのまとまり毎の間(1ページに収まらない場合も有る)
4)コマとコマとの間
5)1コマの中のキャラの動きの区切れ
6)1コマの中の背景世界の動きの区切れ
7)1コマの中のネームの区切れ
具体的にどのような繋ぎ目のいじくり方があるかはさらに考えを展開していきたいですが、以前述べた、「1ページ漫画と変則4コマの間の溝は埋められるが、1ページ漫画連作とストーリー漫画の間の溝は埋められそうに無い」という仮説は、この問題に関わってくると思います。
要するにストーリー漫画の区切れ目は4コマ連作では出来ない区切れ方をすることがある、ということだと思います。慣れた人には当たり前かもしれませんが。
何度も書いている様に、従来の自明の方法は崩れつつあり、新しい常識が育ちつつあるのかも知れず、洗い直して見ることに意味はあると思います。
異能者のやり方の中で盗めるところは盗むと言う場合に、「繋ぎ目のいじくりかた」を盗むことは絵をパクるよりは容易かもしれません。
思いつくままに進みます。

キャラ置換法。

2007-04-04 20:36:26 | 涼宮ハルヒ
蜜蜂いないいない病ネタの続き。新刊「ハルヒの分裂」出ましたね。まだ読んでませんが、秋葉原某ショップで3日で数千冊売れたそうですね。それが映画にならないのですから、他が物凄く売れているのですかね。
私の知人の間では夏はコードギアスだという人が増えています。ようやく次のバスが見えてきましたか。
「過去の作品改良法」の続きです。自分好みにカスタマイズする(?)というだけでなく、作品の作り込みに過去の作品を活用する技法があります。
カプコンのとみちんさんが、ゲーメストという雑誌で具体例を出していました。「キャラ置換法」です。
キャラが5人出てきた場合には、例えば「ゴレンジャー」に当て嵌めてゆくのです。例えば、ストⅡのリュウをキレンジャーに当て嵌めたりとかしておられました。
高遠るいさんはしとね名義だったとき、Fate漫画を描くに当たってキャラを動かすのに苦労したので、
一成=志貴(苦労性の眼鏡)
葛木=翡翠(寡黙ないい奴)
キャスター=琥珀(はしゃぐお姉ちゃん)
といったキャラ置換を月姫との間で行うことでキャラを動かせるようにしたと作品集で書いておられました。
まあ、会社ぐるみで商業のハードルに耐えるモノ作りの方法論にまで高めているカプコンは凄いですが、あくまで苦肉の策ですから、自分の欲望に忠実に、理想のキャラ像を妄想しまくった方が幸福ではあるでしょう。
作品内容を参考資料にした例ではないですが、木村裕一さんは、10ページの話を依頼された場合、他人の10ページの作品を見て、ネタのサイズというか、尺の取り方というか展開の配分を参考にしたそうですね。
自分の中に答えが見つからない時は、広い世界に助けを求めよ、ということですか。

面白いことを思いつくこと自体が大変ですよ。

2007-04-02 02:48:03 | 涼宮ハルヒ
3月21日のガタケで出したコピー本の描き直し版。原版はムーンライト越後車内で揺られながら描きました。今描かねばならないと思うと描けるものです。
2月に隆山温泉旅館組合の青木さんと話していた時に、青木さんが問題提起したのが1コマ目の「キョンの問題意識」に反映されてます。こういう問題提起をしてもらえるとハルヒ世界が拡がるので有り難いですね。「消失」直前辺りという設定。
セリフばかりですが、編集さんのネームチェックや没が無いのが個人サークルの気安さですから、思うがままに作成です。言いたい事を無理に4コマに詰め込んでしまいました。昔なら「テーマを物語りに展開すべき」と言われたところですね。
聞いた話では、コードギアスというアニメの中でも、「与えられる自治区より、自力の独立の方がマシ」という主張が有ったそうで、同時代性でしょうか。
イラク戦争や自衛隊海外派兵、憲法改正、といった社会問題への漫画、アニメ、ゲーム、ラノベの寓話的言及はそれなりに有りますし。
さて、一般人作家が「破壊系」作家や「癒し系」作家とどう対決するか、という問題について、
1)「盗める技法は盗む」
2)「凡人にやれる事を頑張る」
という2つの道を提示し、2)について、「ネタ、ストーリー展開、セリフ、コマ割、コマの中に何を描くか、等の各々を2通り以上考えて良い方を採る」という策を紹介しました。
これには、「そもそもネタを思いつかない」場合や「面白いことを思いつかない」場合には無力であるという欠点があります。
この問題について木村裕一がひとつの回答を出しています。
「他人の作品を読んで、こうした方が面白いのに、と不満に思った部分を改善して、より自分好みの作品を作る」という「既存作品改良」法です。
木村先生はこの方法でプロの童話作家として食べているわけでして、著作権法違反に問われてはいません。
木村作品に見えるようになるまで、元作品を改変していると言うことでしょう。元作品の面白かったところは上手く残して改変するわけですね。変更しても構わないような固有名詞や人物関係、日時場所、事件のディテールを変えれば十分?
友達に読ませて「盗作だ」と言われない程度に隠せれば良いのでは。
パクリ、トレスは「劣化コピー」になる場合はダメですが、改良が加えられている場合には存在価値が認められるし、商品価値すら認められる、ということでしょうか。
思い返せば、大学時代の知人の冨田君は、「過去の名作の名場面名セリフをツギハギして、完璧な名作を作りたい」と言ってました。庵野秀明のやり方から学んだらしいですが、してみると木村先生の専売特許にはならないようですね。


異能者と一般人の対決。

2007-03-24 03:11:37 | 涼宮ハルヒ
蜜蜂いないいない病ネタの続き。偶然にも、ギャグ漫画における「破滅系」「天然系」とそうでない作家との対決方法の話題の時に、超能力者と一般人の対決ネタです。ハルヒ効果?
久々に、面白かったハルヒ同人紹介の続き。
ARTRON「708」:18禁になるはずが、偶然寸止めに終わっているらしいですが、本番無しになったおかげで面白くなっています。積極長門にめろめろですよ。本番シーンが売りになるほど独特だったり上手かったりしないと、本番シーンの分だけ平凡な作品になってしまうのが怖いですね。
くま茶づけ「CRAMPDANCE」:18禁本ですが、ラストのギャグ漫画が凄かったので、敢えて採り上げました。読者置いてけぼりでガンガン進むのが良いですね。「乳頭法違反」というセリフが出せる辺り漫画歴長いと思いました。
ち〇こビーム「涼宮ハルヒと雑君」:一気にラストまで読めるエピソードのたたみかけが上手いです。EDの妙な替え歌が歌えるのが凄いです。クラウザーさんのセリフが本物ぽくって良かったです。
以前、あきかんさんが、「最近の天然系作家のギャグは真似できない。自分はオーソドックスなギャグ漫画しか描けない」と仰っていました。異能者は息をするように面白いことを描けるので、同じようにはやれません。ただ、自分の芸風に飽きた時はどうするのか気になるところです。
一般人は、読者として異能者の作品を楽しむにとどめ、自分が出来ないことを残念がっているだけでは芸がありません。二つの面からの考え方があります。
1)異能者のやっていることの中で、理詰めでやれる部分を真似る。
2)今、自分が作れるギャグ漫画を少しでもより面白くしてゆく。
とりあえず、今回は2)について考えて見ます。
1997年に、知人がギャルゲー4コマについて調べたところ、ある作家が10本作品を描いた場合、特に面白い作品は3本位だそうです。
ということは、20本ネタ出しして、面白い順に選べば、10本中6本面白くなるわけで、他人より抜きん出ることも可能です。これは機械的に実行することが可能です。
同様に、ネタを考える時も、最低2本考えて、面白い方を採るようにするのです。
ネタをコマに落とす時も、2通り以上考えて、その中でよりふさわしいものを採用するのです。これも機械的に実行可能です。
1本だけ考えてそれが一番面白い確率、コマの中を一通りだけ考えてそれが最高である確率、低いのでは。母集団が多い方が面白くなる可能性が上がると思いますが。機械的に。
知人の作家は「沢山ネタを出すのが大変だ」と反論しましたが、イベントスタッフの苦労や、地方から上京してまで買いに来る読者の出費を考えれば、楽をしてどうするのですか。ネタ出しの大変なんて遊びのうちだと思いますよ。

落語様式のギャグ漫画への応用

2007-03-23 04:44:32 | 涼宮ハルヒ
画像は3月21日ガタケット合わせコピー本表紙です。自分でネット検索したり、知人にニュースを教えてくれる人がいるハルヒファンの間では有名な写真ですね。
落語様式の漫画への応用の実例は、実は多すぎて挙げ切れません。作品には、読者に作品世界やキャラの性格を説明する「セリフ」なり「エピソード」が入っていることが多く、そうした機能の一種と考えられて、「落語と共通したギャグの展開形式」「破滅型ギャグ=直線型と違う円環型=反復式ギャグ」と自覚されていないためです。
「あずまんが大王」という「あずまきよひこ」という作家の連作4コマが、電撃大王というメディアワークスという出版社の雑誌にかつてありました。 
その中で、「猫好きだけど何故か猫に襲われるキャラ」「女子生徒、女教師に嫌われてる男性教師」等のキャラ立ちを定義されたキャラが登場するのですが、
一旦、そういう「その作品世界でのお約束」が読者に注入されると、それ以降は特に説明しなくても「そういうお約束」が自明のこととして使えるようになっていました。
あずまんがのパロ同人ですら、説明抜きで「お約束」を引用、活用できたくらい読者に共有させておりました。というより、商業でもこの技法を使わない作家を見つけるほうが困難では。ただ、ギャグの技法に特化して理解されていないだけでしょう。
この、「その世界でのお約束」を踏まえて笑いを発生させると、「類似の笑いの反復」が可能になってきます。自己破壊とは違う、システマチックな笑いが可能になり、破滅できない作家には朗報となります。創作を持続できるのです。
「前にも似たことが有って、何となく先の展開も判っているのに、また笑ってしまう」が起こるのです。これが「落語様式」の判りやすい例だと思います。
この様式の失敗例は、UDOさんが指摘してくださっていますが、私なりに整理すると
「前もって説明しておく努力が足りず、反復の利益を得られない」か、
「そもそも面白くないので、反復する意味が無い」か、
「面白いものでも、反復ギャグのさせ方が悪い」か、
だと思います。反復が上手く行くとサザエさんやドラえもんも可能になるでしょう。普通は作家が飽きてしまって、新しい事を始めたくなると思いますが。
次は、一般人が「びっくり人間大集合的個性」や「癒し系ほのぼの個性」に抗してゆくための「面白さの機械的追求」が可能か否か、という辺りに、現時点で我々に与えられてる道具立ての範囲で考えを深められればと思います。
面白いハルヒ同人紹介もしてゆくつもりです。