大阪初出展、客の列27時間途切れず…北九州自慢「資さんうどん」の濃いダシは関西でも受けた
出店地域は長らく北九州エリアに限られていたが、大西は「自慢の味を一人でも多くの人に届けたい」との思いも抱き続けていたという。09年頃から福岡県内のほかの地域にも進出するようになり、その後は中国、関西、関東と、東への積極出店が続く。
関西や関東など新たな出店地域では、九州から移り住んだ人が通うケースもある一方で、新たなファンの開拓も進んでいる。
地域社会に末永く愛されるようにしようと、会社を挙げて「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けた取り組みにも力を入れる。キッチンカーを使った子ども向けの食育活動のほか、揚げ物で使った油のリサイクルなども行っている。
マーケティング・広報課長の伊藤典子(41)は、各店舗に出向く際には、顧客の声に耳を傾けるようにしている。「昔、お母さんと行った」「受験が終わった後、自分へのご褒美として訪れた」。ブランドの成長は、大勢のファンたちに支えられていると実感する。通い続けてもらえる店を目指し、これからも挑戦は続く。(敬称略)
「資さん」会社ナビ…半世紀前、北九州に1号店
1976年に大西章資氏が北九州市に1号店を開店した。店名は大西氏の名前に由来する。関西6店舗のほか、九州、中国、関東で計約80店を展開している。2024年に外食大手すかいらーくホールディングスの完全子会社となった。24年の年間売上高は約160億円。パート・アルバイトを含む従業員数は約3000人。本社は北九州市。