「私は迷惑な千の強風になる!!!!」 社会の不正と差別に立ち向かうチャキチャキの江戸っ子 。ハングルでは신숙옥。
1959年1月16日、東京渋谷区生まれ。在日韓国人3世の実業家。ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク(のりこえねっと)共同代表。
幼い頃から、在日コリアンであることによって様々な差別を受けてきた。4歳の頃、それまで一緒に遊んでいた友だちが幼稚園に入園、「幼稚園に行きたい」と父にねだったが、幼稚園と交渉した結果、朝鮮人の子どもは入園できないことを知った。この体験は、自分が朝鮮人であることを強く自覚する契機となったとい う。(Wikipediaより)
その後、小中学校と差別に対して持ち前の反骨心で生き抜いてきた。高校を出てからは様々な職業を経て、起業して実業家となる。これについて、辛は後に「在日 がこの社会で生きていくには、自分で仕事をつくり出すしかなかったのです。就職できなかったから社長になったのです」と述べている。その短いフレーズの中 に闘いに満ちた壮絶な半生が伺える。
「(天皇について)アイツは働かないからなあ」など、歯に衣着せぬ言動から、アンチも多いが、不正や差別を憎む姿勢には揺るぎがない。2013年に野間易通(→のまやすみち) がしばき隊を結成し、路上でのカウンター活動を始めた時には「あたしは、天使が降りてきたと思った」と感想をもらしている。同時に「あんな可愛いらしい坊 やが・・・」と辛でなければ言えない言葉で野間を高く評価している。その野間と始めて電話で話した時には、思わず泣きながら「初めてこの国で生きていこうと思えた」と述べたという。なお、野間易通は40代である。
第9回差別反対都庁前アピール(2013/12/09)においては次のようなスピーチを残している。
私たちはこの街で生き、暮らしていく。でも今、この国では私に対して『殺せ』という声があがっている。この辛さ、猪瀬さんあなたにわかりますか?もう少しまともな地方自治をやってください。あなたに一度でもいいから朝鮮人になって、この街で生きてみろ、と言いたい。
2014年7月には、暴処法の容疑で逮捕された男組(→おとこぐみ)メンバーを擁護する姿勢を鮮明にし、直ちに署名やカンパなどの活動を行った(「のりこえねっとTV」緊急生放送2014/7/25)。
釈放後は次のような公式声明を出している。
蔓延するヘイトスピーチに、国連が、国としての対策が必要だと勧告し、法務大臣も、ヘイトスピーチは「恥ずかしい」「許されることではない」と語っ たとい うのに、現場では反ヘイト(カウンター)の人たちが次々と逮捕される。これはダブルスタンダードである。言っていることとやっていることが違いすぎる。し かも、京都朝鮮学園の控訴審判決が出た後、見せしめのように8名の集団逮捕を行った。これは、「世界が何と言おうと日本の警察は差別者を支持する」と宣言 したことに他ならない。その絶望は深く、日本社会をより暗いものにした。
最後に、辛淑玉の人となりや考えをもっとも的確に説明するであろうスピーチを紹介する。
東京都知事選挙 渋谷フェス 宇都宮けんじ応援演説 辛淑玉
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