「若者から選択肢に映っていない」 立憲が不調の参院選の総括原案

大久保貴裕

 立憲民主党の7月の参院選の総括文書の原案が19日、判明した。獲得議席が横ばいの22議席にとどまった結果を「勝利することができなかった」と認め、立憲の現状を「『新規投票者層』と『若者世代』から既存政党と見なされ、魅力と期待値のある選択肢に映っていない」と分析した。総括は月内にも正式決定する方針。

 原案は「与党が議席を大きく減らし、投票率が大きく上昇した中、獲得議席も比例得票も伸び悩む厳しい結果となった」と指摘。現職6人が議席を失ったことを「痛恨の極み」とも記した。

 目標としていた非改選を含む与党の過半数割れについて「現実のものとなった」としつつ、「事実上の政権選択ともされた選挙の中で、立憲は受け皿としての評価を得られず、野党第1党としての存在感が低下する選挙結果となった」と総括した。

新規投票層は自己利益追求…ブレずに「中道」重視

 参院選全体の状況については「既存の政治と政党への強い忌避感と、身近な生活不安に応える主張への共感が、『ネット地盤』を通じて普遍化し、投票率の上昇による『新規投票層』の大きなうねりとなった」と分析。「その有権者層からすると、立憲は既存政治の枠に組み込まれている」との認識を示した。「ネット地盤」への対応をめぐっては、先進的に取り組んできた政党と立憲の間で「格差は拡大したと受け止めざるを得ない」と認めた。

 次期衆院選に向けては、「他の野党も擁立作業を加速化することが見込まれる。野党競合区も増えると想定される」と指摘。「地域で党の旗を掲げて活動する候補者の発掘は優先事項であり、その中で複数野党を相手に、後手にならない擁立と交渉が求められる」と強調した。

 原案は「既存政党への拒否感・忌避感」や「野党がまとまることが政治を変えるとの期待感の薄れ」といった立憲にとって厳しい状況に触れつつ、「新規投票層」について「自己利益追求、短期争点に集中しがちだとの分析がある」と指摘した。

 立憲の今後の基本戦略については「固有の立ち位置からはブレずに、生活者の不安に寄り添う政策と期待感に応えるメッセージを、分極化に対してはむしろ中道の層へと全力で発信、浸透させていくことが、取り組むべき重要な課題」と記した。

 立憲執行部は22日にも両院議員懇談会を開いて所属議員から意見を聞き取り、月内にも総括文書を正式決定する方針。

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    中北浩爾
    (政治学者・中央大学法学部教授)
    2025年8月19日18時54分 投稿
    【視点】

     私は昨日の夕方、立憲民主党の本部で参院選総括のヒアリングを受けました。今日も別の有識者のヒアリングが行われていると聞きます。なのに、今日、党の正式の会議に11ページもの原案が出たとは、どういうことなんでしょうか。自民党は8月6-7日に有識者のヒアリングをして、月末に取りまとめです。立憲民主党の党運営のあり方に疑問を感じざるを得ません。ただただ残念です。  内容についても、「厳しい結果となった」と書くだけで、決して敗北とは認めず、最後の「今後の課題と取り組み」の項目でも色々と書いているものの、基本的に現状維持で、「ネット地盤」なる言葉を用いて対策をしっかりやりましょうという程度。これで立憲民主党の厳しい現状を打開できるとは思えません。

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    木下ちがや
    (政治社会学者)
    2025年8月19日20時36分 投稿
    【解説】

    中北浩爾さんのコメントにあるような事実からは、立憲民主党が敗北した真の原因がみえてきます。立憲民主党は「経営不信の責任から逃れたい経営陣が、保身のためにコンサルを雇い、そしてなにも改善しない」企業そのものです。そんな企業に気前よく投資する人はいません。人々はそんな企業よりも、多少危うくても風通しがよくみえるベンチャー企業に投資するでしょう。立憲民主党は、党改革も刷新もなされることなく、「馬糞の川流れ」のように無気力なままに散り散りになっていく予感がします。個別には優れた議員はいますし、地方議員や党員も愛すべき人はたくさんいます。でも彼らが活かされない党組織が生き残れるはずがないですから。

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参院選2025

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