「天覧試合」実況の越智正典さん、長嶋さんより先に亡くなっていた 徳光和夫さんら育てる

元日本テレビアナウンサーの越智正典さん
元日本テレビアナウンサーの越智正典さん

元日本テレビアナウンサーの越智正典(おち・まさのり)さんが4月16日、老衰のため東京都の自宅で死去した。96歳だった。今月3日に死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんと親交があったことから報道関係者がコメントをとろうとしたところ、越智さんが先に亡くなっていたことが分かったという。

越智さんは東京都出身。早大卒業後、NHK札幌、釧路放送局でアナウンサーを務めた後、日本テレビが開局した昭和28年に入社。翌年、プロレスの力道山、木村政彦組対シャープ兄弟戦の実況を担当したほか、34年に長嶋さんがサヨナラ本塁打を放った天覧試合を実況するなど、戦後日本を代表するスポーツアナウンサーだった。

「ミユキ野球教室」の司会や「NNNワイドニュース」のキャスターを務めた。ミュンヘン五輪のNHK・民放共同中継では閉会式を担当。運動部長などを務めた後、50年に退社。野球評論家となり、夕刊フジに「ゴンドラ球談」などを連載していたこともある。著書に「実況長嶋茂雄」「ジャイアンツの歴史」「明日を見よ―王貞治のすべて」など。

日本テレビの後輩であるフリーアナウンサーの徳光和夫さんは著書「企業内自由人のすすめ」で、ミユキ野球教室の現場で越智さんから長嶋さんを紹介されたときの感激を回想。越智さんから「野球アナウンサーになりたかったら、目にうつる光景をすべて言葉にしろ」と指導され、通勤電車の中で外の風景を声に出して実況していた思い出をつづっている。

所属事務所によると、徳光さんは長嶋さんと越智さんの死にショックを受けており、7日午前5時から放送のニッポン放送の番組「徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー」で心境を話す予定という。

元日本テレビアナウンサーの越智正典さん死去 96歳 長嶋茂雄氏の天覧試合を実況

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