伊万里市の住宅で母娘が切り付けられて死傷した強盗殺人事件で、佐賀地検は17日、女性(40)に対する強盗殺人などの罪で、ベトナム国籍で技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者(24)=同市=を起訴した。女性の母親(70代)も首などにけがを負っていて、殺意があったとして強盗殺人未遂罪で起訴した。
起訴状などによると、7月26日午後4時20分ごろ、同市東山代町の住宅に強盗目的で玄関ドアから押し入り、在宅中の女性と母親を包丁(刃体の長さ約13・5センチ)で脅して現金1万1千円を奪った上、2人を2階に行かせようとした際に抵抗され、母親をかばった女性の首などを包丁で数回突き刺すなどして殺害し、母親には首や腕に約1カ月のけがを負わせたとしている。
地検は住居侵入と銃刀法違反の罪でも起訴した。カン被告の認否は明らかにしていない。
県警は事件が発生した翌日の7月27日、強盗殺人と住居侵入の疑いでカン被告を逮捕した。8月17日までに銃刀法違反容疑と強盗殺人未遂容疑で追送検していた。捜査関係者によると、カン被告は任意同行した際には容疑を否認し、逮捕時は「何も話したくない」などと供述していた。
カン被告は2023年12月に来日し、伊万里市内の食品加工工場に勤務していた。現場から約50メートル離れた一軒家の寮でベトナム出身の同僚7人と共同生活を送っていた。住宅は母親が1人暮らしをしていて、殺害された女性は中国江西省の景徳鎮陶磁大学で日本語学校の講師をしていて、夏休みに合わせて帰省中だった。(取材班)