映画「国宝」 興行収入100億円突破 実写日本映画では22年ぶり
歌舞伎を題材にした映画「国宝」が公開から2か月余りで興行収入100億円を突破しました。実写の日本映画で100億円を突破したのは22年ぶりで、異例のヒットとなっています。
このニュースの動画は「NHK+」でご覧になれます
映画「国宝」は、任きょうの家に生まれた主人公が歌舞伎に人生をささげ、女形として人間国宝に上り詰めるまでの半生を描いた作品です。
配給する東宝は、ことし6月6日の公開から8月17日までの73日間で国内の観客動員数が747万人を超え、興行収入が105億円余りになったと発表しました。
実写の日本映画で興行収入が100億円を突破したのは史上4作目で、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」以来、22年ぶりになります。
上映時間がおよそ3時間という大作ながら、難しい歌舞伎の演目に次々と挑む主演の吉沢亮さんらの熱演が話題となるなど、SNSを中心に口コミが広がり、異例のヒットとなっています。
また映画の影響で、歌舞伎そのものへの関心も高まっていて、歌舞伎を興行する松竹によりますと、歌舞伎座の公演チケットの売り上げも伸びるなどしているということです。
映画「国宝」の李相日監督は「何度も劇場に足を運んで下さった方はもちろん、一度でも、あるいはこれからでも、『国宝』を浴びるすべての方々に関係者一同、ただただ感謝です」とコメントしています。
また主演の吉沢亮さんは「見てくれた方の人生に寄り添うような、心から大切に思ってもらえるような映画にしたいという思いでこの作品に参加しました。こんなにもたくさんの方に愛していただき、感謝しかございません」とコメントしています。
専門家「日本の映画の歴史が変わった」
実写の日本映画が22年ぶりに興行収入100億円を突破したことについて、映画や配信ドラマなど国内外のエンタメに詳しい徳力基彦さんは「この20年ほどは、テレビ局と組んだ映画でないと売れないと考えられていた中で、『国宝』がテレビドラマとは関係ない映画単品で100億円を超えられることを証明した意義は非常に大きい。関係者がこれまでの常識に挑戦していると見受けられ、日本の映画の歴史が変わったという印象を受けています。今後、海外で公開されることで、さらに伸び代があることを考えると、今までの日本の映画関係者が考えていた市場よりもはるかに大きな可能性をねらえるだろう」と語りました。
その上で、ヒットにつながった理由については「最初は歌舞伎という限定的なテーマだと受け止めた人も多かったと思うが、実際に見てみると、根源的な人間ドラマというストーリーの魅力がある。ひと言では語り尽くせないくらい、語りたくなるポイントがあり、『多重なクチコミ』が起こったことが重要で、従来だと、『泣ける映画』というように明確なポイントを押し出して話題にすることが多かったが、SNS時代の今、いろんな角度のクチコミが生まれることで、『私に関係するかもしれない』と思った人が映画館に足を運んでいるように思う」と話していました。
実写日本映画の興行収入トップ5(2025年8月17日現在)
興行通信社がまとめた、2025年8月17日現在の国内で上映された実写の日本映画・邦画の興行収入の歴代トップ5は、以下のとおりです。
映画「国宝」は、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2」と「南極物語」に次ぐ3位になっています。
▽1位 「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」 173.5億円 2003年7月19日公開
▽2位 「南極物語」 110億円 1983年7月23日公開
▽3位 「国宝」 105.4億円 2025年6月6日公開
▽4位 「踊る大捜査線 THE MOVIE」 101億円 1998年10月31日公開
▽5位 「子猫物語」 98億円 1986年7月12日公開
「『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」最速で100億円突破
一方、公開中の邦画全体では、アニメーション映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の興行収入が、7月18日の公開から8日間で100億円を突破しました。
興業通信社によりますと、8日間での100億円突破は、国内で公開された映画史上、最速の記録だということです。
また、公開から8月17日までの31日間の観客動員数は1827万人、興行収入は257億円余りで、前作に続いて、記録的なヒットとなっています。