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Danbooruはフェアユース?

PixivやTwitterのイラストがたくさん無許可で転載されていることで有名な、「Danbooru」ですが、これってフェアユースなんでしょうか?


まず結論です

Danbooruはフェアユースかどうか「未確定」です。


なぜ未確定なの?

Danbooruは、訴えられて裁判になった記録がありません。フェアユースかどうかが争点となった判例が存在しません。なので、「未確定」というのが現在の正しいステータスです。


じゃあ、訴えられてないなら、問題ないってことじゃ?

「訴えられていない=フェアユースである」というわけではありません。

そもそも、Danbooruの防御にはフェアユースは用いられていません。Danbooruは、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)を防御に用いています。
DMCAについては以下のリンクを見て見るとわかりやすいですよ。

DanbooruはDMCAに基づいて、著作権者から申請があった場合、いったんすぐに削除しているので、責任を問われないんですね。

Danbooruはホスティングサービスの建付けになっています。イラスト画像を無断転載しているのは、あくまでDanbooruのユーザーです。Danbooru自身が無断転載しているわけではありません。

Danbooruはホスティングサービス

Danbooruにアップロードした画像は、Danbooruのサーバー(CDN)上に配置されます。元画像を表示しているだけではありません。

Danbooruは、ざっくりいうとNoteとかYouTubeとかTwitterとか2chと同じ建付けなんですね。YouTubeにも、たまに権利関係が怪しい動画が上がってたりしますが、それはユーザーが勝手に著作権侵害してアップロードしたのが悪いのであって、YouTubeの責任は限定的なのです。YouTubeとしては著作権者から申請があった場合に、対象動画をちゃんと削除すればやることはやっているので問題無しとなります。

もし、Danbooruを著作権侵害で訴えることも可能だとは思いますが、アメリカで裁判を起こす必要もあり裁判費用的にかなり大変です。Danbooruは画像を削除してしまえば責任はほとんど無くなりますので、訴訟は和解に終わってしまうでしょう。それがDanbooruに対する訴訟はこれまでない理由です。また、Danbooru全体を著作権侵害で訴えることも難しく、あくまで自身の作品が無断転載されたことについてのみ訴えるだけとなります。

悪いのはDanbooruのユーザー

著作権侵害で訴えるとすれば、無断転載したユーザーを訴える必要があります。この場合はフェアユースだから問題ない、と無断転載ユーザーは抗弁することになります。しかし、誰が無断転載したかを突き止めて訴える必要がありますので、非常に大変そうです。

DanbooruにはPixivやTwitterのイラストが大量に転載されていますので、Danbooruが自動的に無断転載しているように思われがちですが、実際は有志ユーザーが作った自動的に転載するスクリプトが動いていて、自動的に無断転載が行われています。これもユーザーがやっていることになります。

なんとなく、日本のぱちんこの「三店方式」みたいですね!ぱちんこは感覚的には賭博なんですが、「ぱちんこ店」「景品交換所」「景品卸問屋」と3つに分けることで、賭博罪になることを回避しています。

Danbooruはホスティングしているだけ、ユーザーが無断転載しているだけだよ、著作権侵害で訴えるならユーザーを訴えてね、Danbooruはユーザーはどこのだれか把握していないけどね、削除対応はするよ、という構造で、Danbooruの画像は99%無断転載なのに「上手く」持続できています。
(Danbooruの画像で、作者自身の投稿を示すself_uploadタグ付きは0.1%程度しかない)

以下に、Danbooruの大量アップローダーのソースコードが置いてあります。


「引用だからフェアユース」は誤り

よくネットで『Danbooruはイラストを「引用」しているだけだから、フェアユースである』という意見を見かけますが、これは誤りです。
日本の著作権法には「引用」を定めた条項がありますが、アメリカの著作権法では「引用」を定めた条項はありません。著作権者に許可を得ずに著作物を利用する場合は、フェアユースに該当することが必要です。

ですので、Danbooruはソースを示しているので「引用」だから問題無しとするのは誤りなんですね(そもそも、Danbooruでソースを示しているのは全体の半分程度のようです)。


でも、Danbooruの無断転載はフェアユースかというとまあまあ怪しい…

裁判をやってみないことにはフェアユースかどうかは確定しません。
しかしながら、Danbooruの無断転載をフェアユースの4因子に当てはめて考えてみると、フェアユースとなる確率は低めと考えられます。

以下はDanbooruの無断転載がフェアユースに該当するか4因子を検討してみた内容です。
(なお、DanbooruをデータセットとしてAI学習に用いた場合は、また違った結果になると思います)

フェアユース因子1 目的・性格(変容性/商業性)

イラストにタグ付けして検索性を高めている点については、検索エンジン的な変容性があると言えそうです
しかし、Danbooruの画像の用途は閲覧・観賞用なので、原著作者と同一目的なので、変容性が低いと言えそうです。
(どうなれば変容的になるかですが、例えば、転載した画像を使ってニュース等の報道に使うのであれば、高度に変容的と言えます)

また、DanbooruにはGold/Platinumアカウントが存在しており、有料です。Danbooruは営利目的と言えそうです。こちらも因子1を否定する方向に働きます。

画像
Danbooruは有料アカウントにアップグレードできる


フェアユース因子2 対象作品の性質

アニメ/マンガ系イラストは典型的な創作的な著作物ですので、フェアユース否定する方向に働きます。


フェアユース因子 3 量と質

作品全体をまるごと格納して配信していますので、フェアユース因子3で不利となります。作品の核心部分を100%複製していますので、きわめて不利です。

検索エンジンを相手にした裁判で画像検索がフェアユースと認められたのは、縮小したサムネイルだけ表示し、クリックすると元サイトへ遷移する仕様だったためです。Danbooruはフルサイズ画像をそのまま表示しますので、フェアユース的に不利です。


フェアユース因子 4 市場への影響

Danbooruは無料閲覧・DLを許可して、転載元と同一クオリティの画像ですので、転載元と競合し得ると思います。ただし、もともと無料で公開されていたイラストですので、市場影響は小さめだと思われます。ただし、近年の判例傾向では無料で公開されていた作品でも、閲覧数や広告収益による代替市場への影響を重視する傾向があります。無料公開=市場影響ゼロとは限らないようです。

まとめ

Danbooruはあくまでホスティングサービスであり、無断転載したのはユーザーなので、Danbooruを相手にしてフェアユースを争った訴訟は起きていいません。そのため、Danbooruの無断転載がフェアユースかどうかは未確定です。フェアユース4因子を検討すると、フェアユースに該当する可能性は低そうです。


結局のところ「無断転載はフェアユースか?」という問題に帰着するよね

拾ってきた画像をTwitter等に投稿した人が訴えられて、フェアユースを認められず著作権侵害として負けた例はけっこう出てきます。

以下の例だと、被告ブランドが写真をダウンロードして Twitter/FB に再投稿。4 要素すべてが反対要素とされフェアユース否定されました。


以下の場合、ネットミーム化した画像を政治広告に使ったそうなのですが、フェアユース抗弁は退けられて敗訴しています。

https://www.reuters.com/legal/litigation/ex-us-congressman-steve-kings-campaign-loses-appeal-meme-copyright-case-2024-06-07


無断転載はアメリカでも裁判になったら普通に負けている

アメリカでもフェアユースだからOKじゃないんですね。無断転載しても多くの場合は何も問題になってませんが、単に著作権者が見逃してくれているだけという状態なんですね。ですので、Danbooruの無断転載もフェアユースとして認められる可能性は低そうですね。

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