秩父市から小松へ運ばれた車両。鉄道に関する資料の展示スペースとして活用する計画だ=小松市下牧町

 県内外の鉄道愛好者でつくる北陸急行保存会は、関東で急行列車として活躍した車両を小松市でよみがえらせるプロジェクトに乗り出した。2006年に引退した後、埼玉県秩父市で倉庫として使われていた車両で、小松に移設した。傷みが激しいため修理し、北陸の鉄道に関する資料の展示スペースとして公開する。

 車両は長さ約10メートル、幅約3メートル、高さ約3・5メートルで、国鉄時代の1963(昭和38)~70年の間に製造された。保存会によると、新前橋電車区に所属し、群馬や埼玉など旧国鉄やJRで関東圏内を運行した。その後、秩父鉄道で利用され、引退後は秩父市の民間企業の倉庫となっていた。

 20代を中心に9人が所属する保存会は、活動拠点がなかった。連携して活動するボンネット型特急電車保存会(小松市)の岩谷淳平事務局長(49)=同市下牧町=から車両の存在を聞き、今年1月に秩父を訪れて見学。北陸の鉄道について歴史を伝えるため車両を活用したいと所有する企業に持ち掛けたところ、譲渡を快諾され、8月8日に岩谷さんの自宅近くに運んだ。

 車内には運転席や一部の座席は残るものの、無くなっている部品が多いため、速度計や圧力計などを復元する。塗装し直し、車内には展示スペースを設け、訪れた人が交流できるようテーブルや椅子も設置する。展示スペースには、かつて北陸三県の鉄道で使われた切符をはじめ、時刻表や信号機、非常停止ボタンなど保存会メンバーが集めた資料を並べる。

 メンバーで津幡町北中条の会社員河崎貴也さん(23)は「昔懐かしい車両の記憶を呼び覚ますような空間に復元し、北陸の鉄道の歴史を伝えたい」と話した。

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