類は友を呼ぶ。宇宙の法則だ。自分を生きていると、自分と似た人たちが現れる。自分を誤魔化して生きていると、ゴミのような人たちが現れて、やがて自分自身のことをゴミだと感じるようになる。自分の好きを見失い、自分の嫌いを見失い、頭の中がゴミでいっぱいになる。ゴミとは、自分ではない人の声。自分ではない人の声が、こんなことをやっても金にはならない、そんなことをして何になる、もっと他にやることがあるだろう、誰もお前に興味はない、お前は無力だ、お前は無価値だ、何をやっても無駄だ、と、頭の中で囁き続ける。人間がダメになると言うことは、頭の中がゴミでいっぱいになってしまうと言うことだ。

東京在住の女性Ｍ様から「会いたい」とご連絡をいただいた。結婚と離婚を経験して、様々な職種を転々として、今は仕事を休んでいる。ちゃんとしなきゃと思う気持ちと「もう嫌だよお」と思う気持ちの両方がある。心を殺せば仕事もできる。ゆるやかな自殺みたいだなって思った。好きなことをやって死ぬのか、死んだように生きるのか。最悪電車に飛び込めばいいのかと思うと心が落ち着く。自分が何を望んでいるのかがわからない。人がして欲しいことはしてあげられるけど、自分がして欲しいことを口にすることができない。解像度が低い。Ｍ様は、そのようなことを言った。

私は「解像度が低いと言うより、呼吸が浅いんだと思う」と言った。呼吸が浅いと、頭の声に占領されて、心まで意識が届かなくなる。常に焦り、常に怒り、常にビビっているような状態になる。他人とぶつかることや失敗することができなくなり、うまくやること、ちゃんとやること、失礼にならないことだけが優先されて、人と繋がることができなくなる。Ｍ様は、怒りを抱えていた。過干渉な母親や職場の上司に怒りを抱えていたが、一番の怒りは「自分がいたくない場所に自分をいさせてしまった」と言う、自分に対する怒りだと思った。他人と揉めたくないと言うＭ様は、本当はぶつかりたいんじゃないのかなと思った。ちゃんとするとは「ぶつからないこと」ではなく、ぶつかり合った後に「あれはちょっと言い過ぎた」と、あとからフォローをできることだと思った。

百万人に一人という表現がある。逸材を意味する言葉だが、百万人に一人と言うことは、百万人に一人の孤独を持つと言うことだ。私たちは、生まれた瞬間から「百万人に一人」の逸材なのだと思う。それくらい価値があり、それくらい孤独だ。自分を生きると言うことは、世間的な「普通」から白い目で見られると言うことだ。それは、とても孤独な時間だと思う。孤独に耐え切れなくて、自分から宝であることを降りてしまう人もいる。百万人に一人でいることよりも、九十九万人に寄せた方が、生き苦しさから解放されて、楽に生きられるように感じられる。だが、それは表面の話で、心の奥底では「こんなんじゃ生きているとは言えない」と叫ぶ、魂の悲鳴を聞くことになる。自分が好きな人と生きることを諦めると、どうでもいい人といるようになり、自分のことを「どうでもいい」と、ゴミのように感じるようになる。

それではどうすればいいのかと言うと、やりたいことをやり続けることだと思う。やりたいことをやり続けていたら、類は友を呼ぶの法則で、自分が出会いたいと思っていた人に必ず出会える。あなたの話を聞きたいと言う人が現れたり、あなたと一緒に何かをやりたいと言う人が現れる。約束する。いまはまだ一人きりだとしても、百万人に一人の孤独を生きていると、同じ孤独を生きてきた仲間に、必ず出会う。その瞬間の感覚は、言葉にすることなんてできなくて、体が震えたり、涙が流れたりする。すべてが報われる喜びがある。やりたいことをやり続けると、必ず孤独になる。こんなことをやっても金にならないとか、何になるのだとか、他にやることがあるだろとか、お前は無力だとか、お前は無価値だとか、誰もお前に興味はないとか、いろいろな声が聞こえてくる。だけど、それは、全部外野の声なのだと思う。外野の声に自分の声がかき消されてしまわないために、死ねとか消えろとかその歌をやめないとぶん殴るぞとか言われても、それでも自分の歌を歌い続けることだと思う。やりたいことをやり続けることだと思う。そうじゃないと、出会えない。孤独になるほど純粋になる。純粋になるほど、出会いは近くなる。自分みたいな人間に出会える瞬間が必ず来るから、宝であることをやめないでくれと思う。やりたいことをやり続けてくれと思う。