東京ダービーの事件を振り返る
先日4/2にヴェルディとFC東京の東京ダービーが行われたが、試合後も双方のサポーターが応援やパフォーマンスに対する揶揄や批判を繰り広げている。
直後の岡山戦では、FC東京サポーターが桃太郎チャントのアンサーソングで緑が嫌いな東京ですと歌ったことで、これに対しても批判やネガティブな反応があった。(なお自分も批判的な側)
ここまで双方嫌い合ってるのは同じ都市のダービーだから、同じスタジアム使っていて商圏が被るから、(FC東京目線では)川崎から自分たちのホームに侵略してきた連中だから、(ヴェルディ目線では)サポーターの茶化しや揶揄にイライラするから・・・等色々あるが、過去に一線を越えた事件が何度か起きているのも要因だろう。
ネットバトルの中で、過去に起きた出来事の揶揄や蒸し返しも時々起きているので、その事件がどんな出来事だったのかについてここに書いておきたい。
クラブハウス落書き事件
2005年、ヴェルディグラウンドで行われたユースの東京ダービーの際に、FC東京サポがクラブハウスの柱に落書きを行う事件が発生した。
後日行われた塗り直し作業はFC東京のユースの選手が手伝うこととなった。
柱には選手へのメッセージが書かれていたが、それを塗りつぶすこととなってしまった。更に何の罪もない選手達がサポの狼藉の尻拭いを行うという、誰も得をしない事件であった。
商店街サーバー荒らし事件
これは同時期に京王線の布田駅前(調布駅の一駅前)にある商店街のHPで起きた事件である。
まとめwikiの記載をそのまま引用する。
“FMCのひとつ調布市にあるということで当初は東京のバナーフラッグを掲揚していたが、ある時、緑の営業の誘いにより緑バナーに入れ替えた。それを知った東京サポ(もしくは他サポ工作員)が商店会HPの掲示板に抗議の書き込みを多数行い、それにより掲示板が閉鎖された。”
調布に限らず、東京各地でヴェルディのフラッグを掲げた商店街にFC東京サポが苦情を入れたという話はこの当時ネット上でよく見かけた。
なおそれ以降もヴェルディとは関係があったらしく、10年ほど前まで商店街の祭りに出展していた。
灰皿事件
この事件は2005年の東京ダービーで起きた最悪の事件であり、今なお古参サポの間では語り継がれる出来事である。
FC東京は長らく勝ち無し、ヴェルディは2戦連続8失点の守備崩壊状態という双方にフラストレーションが溜まった中での激突であった。
この試合前に両サポーターがコンコースの柵越しに睨み合いとなり、その中でFC東京サポの1名がヴェルディサポ側にアルミ製灰皿の蓋を投げつけ、3人の負傷者を出してしまった。(被害者は観客1名、ヴェルディスタッフ、警備員)
加害者は現行犯逮捕され、後にFC東京はJリーグより1,000万円の制裁金を課されている。
この時に被害を受けた方のブログは今も残っている。
更に裁判の傍聴記録も残っている。
未だに「灰皿事件」と検索すると関連ワードでFC東京と出てくるような語り継がれている大事件であり、FC東京側へのヘイトを高める要因の一つとなった出来事であった。
ゴール裏突撃事件
ヴェルディが3年ぶりにJ1に復帰した2008年はナビスコカップでも対戦があり、年間4試合のダービーが行われた。
このナビスコカップの2戦目は国立で行われ、FC東京が4-2で勝利した。
そしてこの試合後に、ヴェルディサポ1名がFC東京のゴール裏に突撃し暴行を加える事件が発生した。
当時のブログによれば、ダービーチャントを歌うFC東京サポに腹を立てたという構図のようである。
突撃したサポーターは当然ながらヴェルディから無期限入場禁止処分を受けている。
警備員小競り合い事件
2011年、FC東京のJ2降格で2008年以来のダービーが実現。
5月にヴェルディ側のホームゲームでダービーが初開催されたが、掲出する幕を巡ってFC東京サポーターと警備員の間に小競り合いが発生。警備員が負傷する事態となった。
この出来事に対し、FC東京からサポーターへ厳重注意が行われた。
看板生卵投げ&打ち上げ花火事件
ここまでは10年以上前の話で、過去の出来事として片付けることも出来なくはない。
だが2023年の天皇杯での出来事によって、現在のサポーターにもネガティブ感情が植え付けられることとなってしまった。
2023年は双方が天皇杯を勝ち上がった結果、12年ぶりに公式戦での東京ダービーが実現することに。
両チームサポ共に直前の試合終了後にダービー専用チャントを選手に向かって歌うなど、久々のダービーへの熱量は高まっていた。
だが試合当日、信じられないような出来事が起きた。
まず最寄りの飛田給駅を降りた所にあるヴェルディの親会社ゼビオが出しているTOKYO♡GREENと書かれた緑色の看板に挑発的なステッカーが貼られた上、生卵が投げつけられる事態が発生。
そして選手入場時には、FC東京ゴール裏から花火が打ち上げられる事態が発生した。言うまでもなく危険な行為である。
これ以外にも、飛田給駅からスタジアムまでの間で挑発的な横断幕を掲げたり、ステッカーが貼られたり、試合前にエンブレム破りのようなパフォーマンスを行ったりとやりたい放題であった。
煽りのみならず器物損壊や危険な行為に及んだことでFC東京には批判が殺到。
後に天皇杯を主管するJFAはFC東京に500万円の制裁金を課すと共に、「天皇杯の試合だけではなくJリーグの主催試合の全てを含めても、我が国のサッカー史上でも類を見ない極めて危険な重大な行為」と非難するコメントを発表した。
なお告知の段階でFC東京公式は、「ヴェルディ」とだけ表記し東京と付けないムーブを展開。
公式のみならずホームタウンの自治体の投稿までも東京と付けない徹底ぶりを披露した。
\本日は「#東京ダービー」/
— 狛江市 (@KomaeCity) July 12, 2023
本日 #味スタ で行われる #FC東京 vs #ヴェルディ は「東京ダービー」‼️⚽️
これを盛り上げ、そしてFC東京の勝利を願い #ホームタウン では応援企画 #ユニフォームデー を実施中✊
次は #小金井市(@koganei_sports)❗️
頑張れFC東京🔵🔴🔥#fctokyo #komae #狛江 https://t.co/o6IMQu5DBF pic.twitter.com/BwVndZIyPm
加えて公式HPまでも東京と付けない表記に変更していた。
FC東京公式、一度は「東京ヴェルディ」と表記した試合結果を「ヴェルディ」に書き直して掲載(Googleキャッシュとの比較より)
— ドメサカブログ (@domesoccer) July 12, 2023
大阪ダービーで似たようなことやってるガンバ大阪は、お知らせとかSNSとかでやってるだけで、公式記録的なものはちゃんと相手のクラブ名表記している。 pic.twitter.com/y6QPetx1P4
上記の通り大阪ダービーでガンバ大阪の公式が「セレッソ」という文字を載せない煽り投稿を展開していた事例もあり、必ずしもFC東京に限った煽りでは無いのだが、公式記録まで東京と書かない姿勢には陰湿との批判が沸き起こった。
ヴェルディ公式は、2日後に清掃風景の写真と合わせて下記のポストを投稿。
この”We love GREEN. What else?”はヴェルディサポの間で今に至るまで広く使われる言葉となっている。
私たちは“緑”が大好きです。
— 東京ヴェルディ(TOKYO VERDY)公式⚽ (@TokyoVerdySTAFF) July 14, 2023
We love GREEN. What else?#respect#verdy pic.twitter.com/EU94LGN8zd
ステッカー事件
2024年はヴェルディのJ1昇格によりリーグ戦では13年ぶりのダービーが行われた。
前年もステッカー貼りが行われていたが、この年はヴェルディサポ側と思われるステッカー貼りがスタジアム周辺で行われてしまった。
【注意喚起】⁰飛田給駅周辺やスタジアム通り、味の素スタジアムの敷地内を含め、公共物などへの貼り紙や装飾物の汚損などは絶対にやめてください。…
— FC東京【公式】 #東京が熱狂 (@fctokyoofficial) April 12, 2024
なおこれとは別に、スタジアムでの「差別的・侮辱的な内容・表現を想起させる掲出物の持ち込みおよび掲出」を理由に1名が無期限入場禁止処分を受けている。
ということで過去に起きた事件一覧でした。
煽り合いは結構だけど、一線を越えたことをすると全てが台無しだから絶対にやめましょう!!
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