“破竹の快進撃”隠ぺい・捏造…なぜウソは膨れ上がったのか 映像は戦争をどう伝えた
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テレビのない時代、唯一、映像で戦争のことを報じていたのが、映画館で上映されていた『日本ニュース』でした。それは国民に何を伝えていたのか。14日は、1941年の真珠湾攻撃から1942年のミッドウェー海戦までを取り上げましたが、2日目の15日は、その先、終戦までをたどります。隠ぺい、水増し、捏造。ウソにウソを重ねていく3年間の記録です。 【画像】“破竹の快進撃”隠ぺい・捏造…なぜウソは膨れ上がったのか 映像は戦争をどう伝えた 太平洋戦争開戦以来、戦いを有利に進めてきた日本。それを一変させたのが、1942年6月の『ミッドウェー海戦』です。大本営は、戦果を華々しく発表しました。 朝日新聞(1942年6月11日) 「米空母2隻撃沈。我が2空母に1巡艦に損害。太平洋の戦局、この一戦いに決す」 しかし、事実は、日本の大敗北。戦闘に参加した空母4隻は全滅し、多くの熟練パイロットを一気に失いました。ミッドウェー海戦は、戦局を大きく変えるとともに、軍とメディアが一体となって、国民にウソをつく、きっかけとなりました。 当時、戦争のニュースを、唯一、映像で伝えていた日本ニュースは、一切、報じていません。空母が沈没し、フィルムが失われたこともあり、“なかったこと”にしました。 その沈黙をやぶったのが、8月に勃発したソロモン海戦。勢力範囲を広げていった日本が、ソロモン諸島・ガダルカナル島の飛行場をめぐり、アメリカと激突した戦いです。
隠ぺいに水増し メディアのウソ
『日本ニュース』126号 「ソロモン海戦の全期間を通じて、撃沈破せる敵艦船65隻、撃墜破せる敵機は実に800機に及んで、ここに敵米英総反攻の夢はむなしく敗れ去ったのであります」 ソロモン海戦の初期のころには、日本がアメリカを打ち負かしています。しかし、最終的には、当時の主力艦である戦艦を2隻も沈められたうえ、またしても多くの航空機とパイロットを失い、日本の戦力が大きくそがれた戦いでした。 そして、開戦から1年。 映像の中では依然、破竹の快進撃を続けていました。 『日本ニュース』130号 「帝国無敵海軍、北洋に、インド洋に、はたまた太平洋に、米英撃滅の陣を敷くこと既に1年、全将兵の意気は火と燃える」 ただ、このころになると、国内では、多くの人が苦しい生活を強いられるようになります。そんな国民を鼓舞するのも、日本ニュースの役割でした。 『日本ニュース』131号 「戦い抜け大東亜戦争。決戦第2年目へ、町々に米英打倒。戦い第2年をも必勝の信念もて、勝ち抜かんとする決意みなぎって、この日、帝都は感激のるつぼと化す」
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