旧日本軍がアジア太平洋地域で3千万人を虐殺したと主張する米国書籍『Japan’Holocaust』(日本のホロコースト)に対する反論書『「ジャパンズ・ホロコースト」の正体』(ハート出版)の出版記念シンポジウムが11日、東京都内で開催された。新しい歴史教科書をつくる会顧問の藤岡信勝氏や米ハーバード大のマーク・ラムザイヤー教授ら著者が登壇した。
23人の有識者が検証
『日本のホロコースト』は米国の歴史学者、ブライアン・マーク・リグ氏が、先の大戦中の日本軍による大量殺人やレイプの歴史をテーマに昨年3月に発刊した。日本について「1927年から45年の18年間に『劣等民族』を絶滅させようと、少なくとも3000万人の大量虐殺を行った」と指摘している。
一般社団法人「国際歴史論戦研究所」は、「日本と日本人の名誉を深く傷つけることを目的とした悪意あるプロパガンダ本だが、世界の学会・言論界に悪しき影響を及ぼす可能性がある」と声明を発出。23人の研究者やジャーナリストに委嘱し、同書の内容を検証した。19人の著者が名を連ねる形で『「ジャパンズ・ホロコースト」の正体』として8月1日に発刊した。今後、英訳版の出版も検討している。
ラムザイヤー氏「米国の日本理解、浅い」
シンポで、ラムザイヤー氏は、『日本のホロコースト』が発刊された背景について、「米国における日本の理解があまりに浅い。米国内の大学は日本の学者もいるが、韓国の学者が圧倒的に多く、雰囲気は韓国寄りになってしまう」と指摘した。
ラムザイヤー氏は2020年、慰安婦制度は性奴隷ではなく年季奉公契約に基づくものだとする学術論文を学会誌に発表しており、慰安婦問題について「米国の左翼のフェミニストの間で、戦争は女性に対して残酷なことだという研究が行われており、『慰安婦は性奴隷』が好ましく、信じたい話だ」と語った。
シュラー氏「日本兵の規律は割と良かった」
ドイツ系アメリカ人の歴史研究家、マックス・フォン・シュラー氏は、自身の海兵隊時代を振り返り、戦争の残虐さに言及し、「軍隊の存在は(国家にとって)必須だが、戦争は良くない」と強調した。
先の大戦での主な戦争犯罪としてナチス・ドイツのユダヤ人虐殺と米軍の日本空襲を挙げ、「日本に焼夷(しょうい)弾をかけておじいちゃん、おばあちゃん、女性でも子供でも犬でもネコでも殺しましょうというもの」と指摘し、1937年の南京事件について「戦争犯罪といえない」と語った。
フィリピンで米軍捕虜を長距離を徒歩移動させ、多数が死亡した「バターン死の行進」を挙げて「もちろん大変なこともあったが、休憩の所で捕虜を励ましている(場面もある)」と述べた上で旧日本軍の規律に言及し、「日本兵は割と戦争で一番良かった。天皇陛下から軍人勅諭があり軍の威厳を守ることでも頑張った。日本の誇り、持ちましょう」と訴えた。
大高氏「仕掛けられた認知戦」
ジャーナリストの大高未貴氏は、リッグ氏の書籍が発刊された背景について、「皇室をおとしめるプロパガンダが本の本質だ。天皇陛下の命令でジャパンズ・ホロコーストが行われた虚構が書かれている」と語った。
同書について「数字のウソや引用文献のウソが散見されるが、日本の若い世代も知らない中、どうして欧米の人が大東亜戦争の歴史を分かるか。細かく反論しないといけないが、こういうキャッチフレーズで強烈なインパクトを与える本は、日本に仕掛けられた情報戦、認知戦の一環として、国を挙げて対処しないといけない」と強調した。
他の著者は以下の通り。
近現代史研究家の田中秀雄、阿羅健一、溝口郁夫各氏、ジャーナリストの池田悠、丸谷元人、東郷茂彦各氏、評論家の茂木弘道氏、著作家の宇山卓栄氏、歴史学者の笠谷和比古、長谷亮介各氏、元陸将補の矢野義昭氏、教育学者の高橋史郎氏、元外交官の山上信吾氏、日本史研究者のジェイソン・モーガン氏、ブルガリア出身のジャーナリスト、ミロスラフ・マリノフ氏、政治学者のロバート・エルドリッヂ氏。(奥原慎平)
日本軍の残虐性喧伝の米国本に反論「徹底論破!『ジャパンズ・ホロコースト』」