モクモクれん先生が自ら「神回」と仰られていましたが、まさにその通りで神回だったと思います。
光が死んだ夏 第七話「決意」
以下、ネタバレ有で書かせていただきます。
軸はブレてませんが、原作とかなり違ってて驚きました!
アニメの方がかなり詳細に描かれている。
第七話は原作漫画だと3巻の最後あたりのお話で、合唱コンクール当日にヨシキがヒカルを「今日は学校サボろう」と誘うお話でした。
ヨシキがある一大決心をして行動を起こすという大事な箇所なのですが、確かに原作を読んでいて、もうちょっとヨシキの心情を細かに知りたかったな…と思っていたので、アニメのこの改変は嬉しかったです。
学校をサボって二人は映画館へ行きますが、アニメではその道のりが電車移動になっていました。
電車内から見えた、自転車走らせている二人の男子学生を見て交わす、ヨシキとヒカルの会話
「こんな暑い日にケッタ全力疾走って難儀やな」
「いつもの俺らやん」
ここの会話も原作にはないわけですが、なんでこの会話を盛り込んだのでしょうか…。
・ヨシキの父の仕事風景
・ヨシキの母が職場に薫を連れて行くシーン
・ヨシキとヒカルが来ない事を心配する友人たちの様子
・ヨシキがゲーセンでクレーンゲームをし、取ったおもちゃをヒカルにあげたらヒカルが「ありがとうめっちゃ大事にするわ、ヨシキはほんと優しいな」という台詞
・ヨシキが仕事中の母に電話をし、労いの言葉をかけるシーン
・二人が川沿いを歩く場面の台詞が、アニメではいつか一緒に海へ行こうと約束する台詞になっている
↑これら全て原作漫画では描かれていませんでした。
そして描かれていないのは他にもあって、なかでも大きな違いだと思ったのは2か所あります。
一つ目は
合唱コンクールのフル演奏をアニメに盛り込んだ事。
コンクールの課題曲である「日々の影」という曲はどうやらこの作品のために作られたオリジナルのようです。
美しい歌声と共に、ヨシキとヒカルの二人が一緒に居たり、二人を取り巻く人々の日常が映し出される映像を見ていると、涙が出てきました。
気になり過ぎたので歌詞を書き起こしてみました。
いつしか 冬枯れは春に
夜空はやがてまたあした
願いを乗せた 雲の群れを
走らせて知れない未来へと
静かに 夢を見てごらん
ひそかに 探し求めてごらん
過ぎ去った明かりは戻らなくとも
この胸を踊らせる未来こそ 今
うれしさよ友よ かがよう あの日々の影 追いかけ回る
むなしさよ友よ さまよう 心を描いて 忘れず追い続けてゆく
悲しさよ友よ かがよう この日々の影 追いかけ回る
幸せよ友よ さまよう 心を開いて 忘れず追い続けてゆく
パッと見はヨシキの心情が描かれたものに見えますが、「静かに 夢を見てごらん。ひそかに 探し求めてごらん」の部分なんかは、ヒカルの願望のようにも思えました。
また作中だけではなく、第七話のEDではいつも流れる「あなたはかいぶつ」ではなく、ヨシキとヒカルのデュエットで「日々の影」がエンドロールと共に流れました。
30分もないアニメの1話に、わざわざ盛り込んできたのですから、重要な曲なんだろうと思います。
そして大きな違いだと思った二つ目は
ヒカルが中身の半分を取る際に骨の映像が流れた部分です。
ヒカルが自分の「半分」だという、自分の骨をヨシキに渡すのは原作でも同じです。
でもその骨がどの部分の骨なのかってのは、原作を読んでいてもわかっていませんでしたが、アニメで詳細に描かれていました。
みぞおちあたりの胸骨下端にある軟骨性の突起、「剣状突起(けんじょうとっき)」という部分なんですね。
剣状突起について調べてみると、このようなサイトがありました
ここには
胸骨体の下部にある軟骨性の突起で、はじめは1対をなしていたものが結合して生ずる。したがって、その形状にも、孔があるものあるいはサジ状となるものがあって一定しない。老人になると骨化し胸骨体との間に骨結合が行われる。
って書かれてます。
「1対をなしていたものが結合して生ずる」ですと?
なぜヒカルの「半分」が剣状突起なのか理由は定かではありませんが、このあたりがもしかすると関連あるのかもしれません。知らんけど。
余談ですが。老人になると骨化し…って書いてありますが、他のサイトでは40歳頃から骨化するって書いてました。
40歳は老人なんですかね、ははは。
この「半分」をヨシキが受け取った時、血が下に落ちるのですが、次の瞬間落ちた血にケガレ?みたいなのが近寄っていく映像になりました。
そういや、第5話のEDの後、田中が自分の血を鈴に付け、祠に放り投げるシーンがあったな。
その時「こういうケガレはあれに寄っていくはずなんで」と田中が言ったのを思い出しました。
で、その流れでさらに思い出した。
第1話で落ちたアイスに蟻が群がっている映像があったけど、あれはこれの伏線だったんですね
あの蟻。じめっとした田舎の夏の雰囲気が伝わってくる絵面だったけど、ちゃんと他の意味もあった。
面白いです。
「半分」を受け取ったヨシキが言う、第7話の締めの台詞
「あほやな…俺はどこまでもお前に付き合うよ。たとえ俺の何かが壊れても。
でもな、お前ここにおったらあかん存在なんやと思う。
せやけどお前の望みがここにおることやったら…調べよう。
お前が一体何者なんか」
ここ、小林千晃さん渾身の演技だったと思う。ゾクゾクしました。
ということで、次回からはようやく「謎解き編」がスタートです
ここからがミステリーぽくなってくるのよね~
原作漫画履修済であっても、ここまでアニメが違うのだから、アニメ見るのも楽しみで仕方ありません
色々唸ってしまう!ひかなつ!