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【沖縄】沖縄市内の学校で発生したいじめ事案を受け、保護者が求めているいじめ防止対策推進法第28条に基づく重大事態調査を市教委が拒否していることが16日までに分かった。市教委は「事案直後に学校で調査を実施し、重大事態としては認めないと判断しているため再調査は行わない」としている。県教委や文部科学省は、沖縄市教委が保護者に対し、より丁寧に対応することが必要との見解を示している。
事案は2月に発生した。被害児童の保護者は暴力行為や身体への望まない接触があったと訴えている。児童は被害以降、度々の欠席や腹痛、頭痛、鬱(うつ)状態などがあったという。
学校は事案発生直後に把握し、他児童への聞き取りなどの調査を実施。調査結果を受け「重大事態に近い深刻な事案だが認定はしない」と判断し、保護者に伝えている。保護者が提出した重大事態申立書については、市教委内で検討した上で再度の調査を行わないことを決めたという。
保護者によると、事案発生当日以外に学校が被害児童への聞き取りをしておらず、重大事態に当たらない理由も「調査の結果」などにとどまり具体的な説明がなかったという。また被害児童は同事案後も別の児童から物を投げられ、けがをする事案も発生している。
保護者は調査や報告、再発防止が不十分だと指摘し、文部科学省の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」にのっとった調査を求めている。
同ガイドラインでは重大事態の申し立てがされた場合は、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たるとされている。また一般的な調査の流れとして、調査前に対象児童と保護者に調査方法などの説明、報告をすることなどが定められている。
同事案について保護者から相談を受けている法律事務所アルシエンの高島惇弁護士は、学校と県教委に調査委員会を組織し調査することなどを求める通知書を出している。
県教委は「重大事態として判断しなかった理由や対応がうまく伝わっていないところがあるかと思うので、丁寧な対応を指示している。再調査は必要に応じてということになる」と述べている。
文部科学省は「個別の事案には答えられない」としつつ「一般論としては、申立書が出された場合は基本的にはガイドラインに沿って調査報告をするものとされている。事案が重大事態ではないことが明確なのであれば、その理由を保護者に丁寧に説明することになる」としている。
(福田修平、中村優希)
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