年収の壁が160万円まで引き上げに。「結局どう働くのがおトク?」FPのファイナルアンサー
今年の法改正で、所得税がかかる「103万円の壁」が「160万円の壁」に引き上げに。今回は、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんに160万円の壁を超えると手取りにどのような影響があるのか、詳しく教えていただきました。年収の壁に関するQ&Aも必見です。 【図解】160万円の壁を超えるとどうなる?
160万円の壁:税金の壁は超えても手取りが減ることはない
160万円の壁を超えた人は、すでに夫の扶養を外れ、厚生年金や健康保険の保険料を自分で負担している状態。支払った分は年収から引かれるので、所得税がかかり始めるのは年収190万円ぐらいからです。 仮に、所得税を支払うまで年収が上がったとしても、所得税で手取りが減って働き損になることはありません。年収160万円を超えると、夫の所得税は増え始めますが、自分の稼ぎも増えているので、結果的に世帯年収はアップします。
●年末調整で払いすぎた税金が戻ってくる!
今年の11月までは年収103万円を超えると、所得税が給与から引かれますが、年末調整をすることで払いすぎた税金が還付されます。
どう働くのがいいの?「年収の壁」Q&A
年収の壁について、まだまだ気になることはたくさん! ここからは年収の壁に対するみなさんの疑問に塚越さんが答えてくれました。
●Q:夫の扶養を外れるとき、パート先の社会保険に入るか、国民健康保険に入るかは自分で選べるの?
A:選べません。勤務先によって決まります。 パート先の会社の社員数が51人以上なら、年収106万円以上でパート先の社会保険(健康保険+厚生年金)に加入。50人以下なら、年収130万円以上で国民健康保険・国民年金に加入する必要が。 ポイント:厚生年金加入と国民年金のみ加入の違い 厚生年金加入者は全員、国民年金にも加入しています。厚生年金加入で、その分が上乗せされ、国民年金のみ加入よりも年金が増額。
●Q:子どものアルバイトの壁も引き上げられたって本当?
A:150万円に引き上げられました。ただし、130万円の壁には注意 子どもが年収150万円(※)を超えると、親の所得税が増額。ちなみに、年収130万円以上で親の扶養から外れ、自分で国民健康保険・国民年金の保険料を支払うことになるので注意。
●Q:結局、どう働くのがトク?
A:できるなら、壁のことは気にせず、思いっきり働きましょう! 106万円や130万円の壁を超えて、一時的に手取りが減っても、さらに年収を増やせば手取りは増えていきます。160万円の壁を超えて所得税が発生しても、手取りが減ることはありません。壁を恐れず、たくさん働くのがいちばんトク! ※ 女性(45歳・横浜市在住)/協会けんぽは神奈川、国民健康保険は横浜市で加入した場合、介護保険、雇用保険に加入で試算。 ※ 対象は親と生計を一にする19歳以上23歳未満の子どもの場合。高校生のアルバイトの場合の壁は123万円。
ESSE編集部