18日の閉店が迫る盛岡市緑が丘のアネックスカワトク。1989年の開店に合わせて川徳(同市、斎藤英樹社長)に入社した社員は、常連客と共に歩んだ記憶を懐かしむ。「隅々まで思い出がある」店が最後の時を迎える寂しさと感謝の気持ちを抱きつつ、最終日まで売り場に立つ。
「寝る以外の時間で最もいた場所。建物のデザインも好きで愛着があった」。開店当初、子ども服売り場を担当した府金克典さん(55)はアルバムの写真を見ながら思いをはせる。
開店初日の89年10月7日、大勢の客が押し寄せた。「とんでもない人だかり。お客さんがレジの周りを囲むように並んでいた」。食料品担当だった関勉さん(64)は当時を振り返る。オープンから数年間、創業祭やえびす講などの売り出し時期は、岩手大の近くまで車が並ぶこともあり、苦情の電話がくるほどだった。
閉店を惜しむ客は多く、人気レストラン「シェーキーズ」は連日長い列ができる。別れの日まで残りわずか。「お客さんたちがいて自分たちもやってこられた。感謝の気持ちを込めて応対したい」と府金さん。「ありがとう」の思いを胸に、最終日までお客さんを出迎えるつもりだ。
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