307日目 すごくケツが痛い【鼻に詰めたものリスト】
307日目
朝からおっさんたちが吐いている姿を見てしまった。最悪の気分。
最悪の気分のまま馬車は走る。周りの迷惑になるからしょうがなく水魔法で流してやったけど、俺なら二度とあの場所で休憩はしない。
おっさんたちはだいぶグロッキー。馬車の揺れもひどいからか、ずっとゲーゲーやっていた。たいそう不快な気分。何が悲しくてゲロ臭いおっさん三人と道中を共にせねばならぬのか。
なお、ちゃっぴぃはパタパタと飛んで屋根の上に避難。エッグ婦人もヒナたちもそこに逃げ込む。だけどさすがに動いている状態で俺が上に行くわけにもいかない。
ちゃっぴぃとはいえ女の子が全くいないのは思った以上にキツイ。しかも乗り物酔い&二日酔いのおっさん三人と密室状態で一緒とか、新手のいじめだろうか?
そんなおっさんたちに辟易していたら、屋根の上からリンリンとなにやらいい感じの音色が。どうやら暇を持て余したちゃっぴぃが異界の門鈴を鳴らして遊んでいるらしい。その心地よい音色にちょっとだけ気分が良くなる。
が、いい気分だったのに、なんか馬車が見慣れぬ森的なところに迷い込んでしまう。明らかに植生がおかしい感じで、そもそも空気がさっきと全然違う。すんげえ奇妙な感じがしてちょっと不気味。
なお、そんな状態でもちゃっぴぃは『きゅーっ♪』って鈴を鳴らしまくっていた。安心する音色が響き渡るのと対称的に、周りの景色はどんどん……うまくいえないけど、なんか普通じゃない感じのものになって行った。見た目は一応普通なんだけどね。
で、『お嬢さん、ちょっとその鈴を止めていただけると……』って御者のおっさんが申し訳なさそうに言うのでやめさせる。鈴の音が鳴りやんだら途端にさっきと同じ普通の道に戻った。何だったんだアレ?
なお、異常事態っぽかったのに御者の影の薄いハゲかけたおっさんは『ちょっと予定変更して町によります』と告げただけ。『ちょっと心配なので隣に行ってもいいですか?』って聞いたら、『美少女ならやぶさかでもなかったのですが……』とやんわりと断られた。
ガチハゲの呪をこっそりかけておいた。どうせすでにハゲかけているし、遅いか早いかの違いだ。
昼頃に補給(?)のために立ち寄った町にて、新たな乗客が。これまたきれーなおねーさんで、肌がめっちゃきれい。動きやすそうな、ズボンのめっちゃ短いやつを穿いていて、スポーティかつボーイッシュな印象を受ける人だった。しかも嬉しいことに隣に座ってくれた。ちょっとだけ触れたふとももがマジセクシー。
すごく健康的でとてもとても分かっている感じだったので、心の中で拍手喝采を送っておいた。ああいう人が増えればいいのにと願わずにいられない。
どうも女の人の『かわいい』は男のそれと違うらしく、俺には女子界隈でもてはやされる『かわいい』女の子はガリガリに痩せ細った死にかけの鶏にしか見えない。可愛いどころかアンデッドみたいで不気味にすら覚える。足とかマジでスケルトンだし。あれ栄養失調引き起こしてるんじゃね?
やっぱり健康的な肉付きは必要だということを彼女らは認識するべきだと思う。なお、非常に残念なことにそのおねーさんは『この馬車臭いんですけど。あと視線がきもちわるい』って途中で別の馬車に乗り換えてしまった。ちくしょう。
おっさん三人には悪酔いの呪をかけておいた。後悔なんてあるはずがない。
だいたいこんなもんだろう。途中でゲロ臭いおっさん三人が酔いに耐え切れず降りたため、再び乗客は俺だけになった。ケツがブレイク寸前なのは相変わらずだけど、ちょっとは体が伸ばせるようになって嬉しい。
あと、微妙にボーイッシュおねーさんの残り香があるような気がする。香水でもつけていたのだろうか?
予定では明日の午後にはマデラさんの宿につくはず。こんな窮屈な思いもあと少し。今日もちゃっぴぃ&エッグ婦人&ヒナたちのベッドにされながら眠るとする。おやすみ。
※今回は今までギルくんの鼻に詰めた魔法材料をリストとして載せてみます。記載漏れがあるかもしれませんがご容赦ください。
バロメッツパウダー
ピクシーグラス
小炎魔の牙
ノームの爪
セイレンの鱗
泡気石
魔胆石
ムーンフェアリーの涙
バンシーの涙
光蛾の鱗粉
サン・ドロップ
クラウドストーン
イビルニードル
アルラウネの小枝
炎鬼の指骨
レイニーエッグ
ギルの涙の欠片
オーガのひげ
ブラックアイズの貝殻
鏡魔の笑涙
クラウドファンガス
死霊の魂石
メロディアリーフ
マンドラゴラの根足
スプリングフラワー
目覚めの響石
オーガの鼻毛
セイレンエイルの翅
かまいたちの抜け毛
アンジェロディスペット
ペーニュアルケニーの艶糸
エンシェントワームの不朽糸
ゼロ・レイの月美針
ミルキーフィーロ
邪魂の悪泥
熾天使の愛炎晶
化けイノシシの毛玉
ビートラッパーの角
悪魔の粉末
ドリアードの頭花
バグ・スネークの舌
フロウウィングの羽
ギル・コーン印の特製調整餌
コメットテールの鱗
エッグ婦人の抜け羽
ギルの杖の破片
貴婦人の欠伸
妖精の葉星屑
ジオルドの天使の羽
禁晶蜘蛛の毛
巨人のまつ毛
サイレントシープの綿毛
太陽の目玉
氷魔の爪
ノームモールの尾
人魚の悲涙石
悪魔の良心
プリズムフィッシュの鱗
聖女の慈愛
活性宝珠
祝福の清流
旅立ちの響実
インビジブルスタッグの角
ティラニア・コーダの骨
悪夢祓いの葉
ギルのスネ毛
ちゃっぴぃの爪
ヒナたちの餌
ドッキリパックンチョの花弁
カエルの舌
ジミトカゲ
流星水晶
稚児の夢
ちゃっぴぃの髪の毛
闇の涙
喜びの欠片
コメットテールの卵
善人茶
豊穣結晶
恐るべ木
恐慌の邪念樹
風の歌声
ドラゴンエッグの殻
ピクシーの羽
壊れた人形
祝福の結晶
ヴィヴィディナの鱗粉
ヴィヴィディナの触覚
快癒の光石
沈音石
復讐の刃
煉獄の雫
ウォータースライムのぷるぷる
平穏の琥珀
マーマンの爪
記録の実
癒魔の果実
カタストロフィコクーンの欠片
夢の氷
サイレントティアーズ
眠りの砂
悲しみの花のつぼみ
お日様の微笑み
宵闇の風香玉
火暖石
メロディストーン
スプリッドスネークの牙
知恵の角
ヴィヴィディナの抜け殻
アビススライムのぷるぷる
夢見がちな心石
星の光砂
王の尾
マンドラゴラの腕根
ヘルドングリ
笑いの爪
ネズミの尾っぽ
ネトネトスライムのネトネト
三の悪魔の三重三角角
火精の涙
颶風の落とし子
虚空の闇
聖夜の祈り
虹の氷
幻惑の粉
浄化の牙
忘却の炎晶
晴天の砂
朝焼けの薫風
冬の右手
金の欲望
草の肝
虚無の瞳
勝利へのカギ
ちゃっぴぃのヨダレ