チート騒動について思うことと今後の対応

経緯

2025年4月9日、とある動画投稿者がMHWildsの正規プレイの範囲を超えた疑いのある動画をYouTubeに投稿し、X(旧Twitter)を中心に炎上、Yahoo!ニュースにも取り上げられる騒動になりました。

その翌日、過去にMODを使っていたと思われる人のリストがXで拡散され、そのリストに自分の名前が掲載されました。

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自分に関しては2023年7月にYouTubeのコミュニティ投稿にて、MHRiseのPC版でMODを使っていたことがあるという旨と該当動画削除の報告、及び今後はMODを使わない意思表明をしています。
今回の騒動はこの過去の投稿をソースに巻き込まれた形になります。

(2023年7月の投稿↑)

この騒ぎを受けて4月11日、YouTubeのコミュニティ投稿とXのポストにて、過去の報告について再度説明を行いました。

過去について

過去の投稿
2023年7月の投稿は、今回の騒動のようにMOD利用の疑惑が上がったから報告したわけではありません。
当時のMODに対する認識を改め、元々公開していたMOD動画を自主的に非公開するにあたり、登録者の方々に一部の動画はもう見れなくなることを報告する目的で投稿しました。
非公開にした動画は、"討伐した瞬間にクリア演出がスローモーション"になっていたり、"小型モンスターを非表示"にしているなど、正規のプレイで再現できない内容が含まれるもの10件程度です。

削除対応を行った2023年7月時点で、これらの動画は平均して1年ほど公開してましたが、公開している間に今回のような騒ぎになったことは一度もありません。
今では考えられないかもしれませんが、これは当時のMODに対する価値観が、現在とは大きく異なるものだったからだと認識しています。

当時のMODの風潮
当時(2022~23年)はMOD動画に対する風当たりが現在ほど強くはなく、YouTubeには当たり前のようにMOD動画が公開されていました。
例えばネルギガンテをトーマスにするMODがバズっていたり、MODの導入解説や紹介動画、また海外の公認チャンネルでさえタイトルにMODと入れて投稿する、そのような風潮がありました。

当時有名だったMHRiseの非公式TA集計サイトも、PC版は全て参考記録とした上で、攻撃力の改ざんなどはもちろん厳しく審査するものの、小型モンスターの非表示程度であれば集計対象にする、というような文化でした。

このような風潮の中、自分も他PCゲームにMODを導入するのと同様に、特に後ろめたい気持ちもなく使い始めたし、視る側もMODだと理解した上で視聴していた人が多かったと思います。
もちろん導入は自己責任で、オンラインで見知らぬ人に迷惑をかけたり、著作者に損害を与えるような使い方はダメ、というのは他PCゲームと同様に当然の認識です。

風潮を変えたきっかけ
これらのMODに対する認識や風潮が大きく変わり始めたのは、2023年10月26日にカプコンの研究開発チームから投稿されたこの動画だと記憶しています。

これはカプコンの技術カンファレンスの講演内容で、チート・海賊版対策の開発部門からの発表ですが、動画の13:40辺りから、MODに対していくつかの見解を示しています。以下は動画内の実際の発言です。

「チート・海賊版対策においてはMODはすべてチートと定義します」
「公式にゲームがMOD対応していないMODは、内部的にはチートと変わらない挙動で実装されています」

「大多数のMODというのはゲームに良い影響も与えることがありますが、一部の悪質なMODに関しては会社に損害を与えます」

「一部の悪質なMODの中には公序良俗違反なMODも多数あります。これらが流布されると、製品のイメージが損なわれることで、ブランディングに影響が出ます」
「公序良俗違反なMODが正規の実装と勘違いされ、製品に悪いイメージをつけられ、風評被害を受ける事もあります」

この動画を機に、界隈全体として「MOD=チート」という説が大きく拡散され、ユーザー間の認識も変わり始めたと理解しています。

カプコンが一定のMOD文化に理解を示している発言も含まれますが、風評被害や業務妨害などを引き起こす悪質なMODには強い懸念を示していることが伺えます。
実際に、MHRise:SBではオンラインで流行した改造クエストに対するパッチ対応であるとか、直近のMHWilds闘技大会の不正記録に対する報告など、明らかに会社に損害を与える事例も発生しています。

騒動に思うこと

以上の背景も加味して、今回の騒動について思うことを綴ります。

報告の反応の違い
2023年7月の報告から現在に至るまで、自分は一度もMODを使ってないと断言出来るし、最新作のMHWildsはPC版を購入すらしておらず、全てPS5 Proでプレイしています。

(余談) PS5だからと言って使ってない証明にはならないという意見もありますが、それは重箱の隅をつつく行為に他ならないですし、逆に使える&使っている証明をして欲しいとも思います。それほどPS5はハードウェア単位でチートに厳しく、さらに一度でもチート行為が確認されたら端末単位でネットワークに繋ぐことができなくなる、かなり堅牢なプラットフォームだと認識しています。

故に前回と今回の報告で、自分が過去に行ったことは何も変わりません。
ですが今回の報告では、前回の報告では見られなかった、誹謗中傷に近いほどの否定的な意見も寄せられました。

これは、界隈で強い認識となった「MOD=チート」という現在の価値観で、当時MOD文化に近かった過去の行為を評価されていることに他ならないと思っています。

実際に、自分の投稿に対して「もう2度と界隈に顔を出すな」のような強いコメントをされてる方でさえ、カプコンの見解以前に投稿された"MODを使ってみた"のような動画に対し、否定的でないコメントを残されているのをたまたま発見しましたが、それほどここ数年で価値観が大きく変化しているということかと思います。

自分は、MODの利用は赤信号の横断に近いと考えてます。
歩行者が赤信号を渡ることは現在でも法律違反に当たりますが、車通りがない短い信号などを渡ることを一々取り上げる人はほとんどいません。
今回の騒動を例えるならば、それが数年後に社会問題となって赤信号を渡る人がいなくなった後に、過去渡った記録がある人を現在の社会倫理で責め立てる、これと同じような行為をされてる感覚があります。

もちろん過去の行いを肯定したいわけではありません。ちなみにこれを知ってから赤信号を渡らなくなりました。

チートとMOD
また今回の騒動では、過去MODを使っていた人たちを、MHWildsの闘技大会のチーターと同様に扱ってる人が多いと感じました。
闘技大会のチート行為のように、ゲーム内で直接的に他プレイヤーに迷惑をかけ、著作者の意図しないゲーム体験を他ユーザーに押し付ける行為は、過去のMOD文化とは似て非なるものだと思っています。

もちろん「MOD=チート」という認識が広まってからMODを使うことはチート行為に他ならないかもしれませんが、少なくとも自分が使っていたのはその見解以前で、使用はオフラインか身内とのマルチに限っていたし、非公式であってもTA集計サイトに自分でPC版の記録を投稿したことはありません。

オンライン対人ゲームのチートのように、ゲーム内でマッチした見ず知らずの人のゲーム体験を壊し、本来のゲームが出来ないからと人が離れ、結果としてゲーム会社に損害を与える。もしそのような行為と同等の行いをしていたら、過去の時点で支持されるはずもなく、また昨今のように著作者が積極的に排除していたはずです。

規約違反
それでも当時を振り返って、規約違反に当たる動画を投稿していたことは事実です。違反を意図してなかったとはいえ、その時期に増えた登録者や得た収益の一部は、違反行為の恩恵を得ていると思う人がいるのは分かります。

実際に2023年11月には、7月の報告時に確認不足で削除が漏れていた数件の動画に対し、YouTubeを通してカプコンから著作権警告を受けたことがあります。
警告の理由は、動画内で"クエストをクリアした際のクリア待機時間が60秒から30秒"になっていたり、"クリアした瞬間の演出がスローモーション"になっているシーンがあり、これらが規約違反に当たるとのことでした。

その当時、MODを嫌う一部のコミュニティが画策し、普段モンハンからは距離のある人間にも声をかけて100人以上協力者を集め、短期間で集団による通報を行いカプコンに対応させる、という活動を行なっていたと伺っています。
彼らは警告数を溜めてチャンネルを削除することが目的だったようですが、自分の警告もその通報が起因だったようです。

自分はこの件をきっかけにカプコンと直接やり取りさせて頂いて、警告された動画を削除するだけでなく、削除漏れを無くすため、PC版の動画を自主的に全て削除することで対応を完了しております。また、チャンネルを閉鎖させる意図はないとも伺っております。

今後の対応

これらを加味し、今後は以下の対応を行います。

1.チャンネルの永久凍結
前述したとおり、自分が規約違反に当たる動画で登録者を増やし、その登録者を今もなお抱えているという意見が出るのは理解できます。

2023年7月に報告した際は、「MODを使っていたことを知らずに登録したMODが嫌いな人」は報告によって登録を解除するだろうし、「MODを使った上でのコンテンツや品質」を理由に登録していた人は、自分がMODを使わなくなることで期待値を下回り、自然に登録を解除していくと考えておりました。

しかし、その受動的な対応では完全に清算しきれてるかの証明は難しく、自分が納得するためにも能動的な行動が必要だと思ったので、チャンネルの更新を永久に停止することにしました。また収益化は既にoffにしています。

チャンネルの削除も検討しましたが、今上げているコンテンツ自体は誰かのためになっているものもあるし、今までの投稿などの経緯を残しておくことが、今後同じような問題が再発した時の参照にもなると考えたので、削除よりも永久凍結という形が望ましいと考えました。

2.MOD使用期間に得た収益の寄付
収益に関しても同様に、規約違反に当たる動画で得ていた可能性がある収益分を、特定非営利活動法人に寄付することで清算致します。

具体的には、MHRiseのPC版が発売された2022年1月から、PC版の動画全てを削除した2023年12月までの2年間で得た収益全額を対象にします。
当時はSwitch版の動画や解説動画、ライブ配信などもしていて、全てが規約違反動画によって得た収益だとは思ってませんが、影響があった額を正確に計算することも出来ないので、可能性があるもの全てを対象にします。

収益を詳細に公開することは別の規約違反にあたるので出来ませんが、大まかに伝えると100万円を多少超える程度だったので、一先ず100万円を寄付致しました。
寄付先はいくつか調べて信頼できる団体を探し、今世界で最も支援が必要な地域に向けた活動をしているNPO法人を選びました。以下が受領時のメールになりますが、必要であれば後日送られてくる領収書も添付します。

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3.新チャンネルへの移行
そして今後は、新しいチャンネルを作成して活動を続けます。
これについていくつか思うことを綴ります。

まず活動についての決定権は、プラットフォーマーであるYouTubeと、著作者であるカプコン、そして自分にしかありません。そして過去の行いについて、プラットフォーマー及び著作者とは、直接やり取りをした上で対応を完了しております。

そして活動を続けてもチーターと思われ続けるという意見は、個々人によるものだと思います。
自分はMOD文化の時にMODを使っていましたが、自分で自分のことを世間で言うようなチーターだとは思っておりません。自分のことをなおチーターだと思う人は今後二度と関わらなければ良い話で、そう思わない人や自分の活動を追いたい人にコンテンツを届けられればと思います。

また、自分が許されれば、今後MODを使ってバレても以後使わないと言って許されれば良くなる、という意見もありましたが、過去「MOD=チート」という風潮が無かった時に使っていた自分でさえ数年越しに取り上げられる今の界隈で、今後MODを使ってバレた人間が許されるとは到底思えません。

そして今後は使わないと意思表明を行い、信頼性の高いプラットフォームに移行するなど可能な限り使ってないことを証明する、いわゆる更生に努める選択肢がなくなるのであれば、過去MOD文化の中で手を出した人間は引退や転生しか出来なくなります。
引退と転生によって、当時はMODの利用が明らかだった人も、今後は今の風潮に合わせることで雲隠れすれば、不正使用者が減ることには繋がりません。一方で更生の選択肢があれば、当時の使用者の中から今後の不正使用者を減らすことに繋がるはずです。

カプコンの見解や対応を認識して以降はMODに触れず、界隈に一定需要のあるコンテンツを提供し続けることと、カプコンの見解以前にMODを使っていた人をいつまでもチーター呼ばわりし、挙句の果てMODを使ってない人さえチーターだと断定して直接迷惑をかけること、及びその情報を精査せず拡散すること、何が今後の界隈のためになるのか、個々人がそれぞれ信じることをやればいいと思っています。



報告は以上になります。
今回の報告が遅れて、心配をおかけした皆様申し訳ありませんでした。

始めは動画で報告しようと思っていたのですが、YouTubeの動画は何か人がポジティブな気持ちになれたり有益な情報を提供する際に、動画が適切だと思った場合に使う手段だと思っていて、今回の報告はその手段と目的に沿わないと判断して文章にさせて頂きました。

また今回の一件は、モンハンや活動から離れることで、改めて自分のやりたいことを見直すきっかけにもなりました。

今までほど精力的に活動をするかは定かではありませんが、いくつか作りたいと思えるコンテンツもあるので、もし今後も見たいと思ってくださる方は新しいチャンネルでもよろしくお願い致します。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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